リモートワーク肩こりのケアに…これだけは知っておきたいツボ3つ【鍼灸師に聞く】

リモートワーク肩こりのケアに…これだけは知っておきたいツボ3つ【鍼灸師に聞く】

リモートワークの時間が増えて、運動不足なうえにデスクでパソコン作業が半日以上……。気がついたら肩や首まわりががっちがちにかたくなっています。世に肩こりケア情報はたくさんありますが、鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長に、「リモートやデスクワーク中に自分で押すことができる、覚えておきたい肩こりケアのツボ」を教えてもらいました。

デスクワーク中は30分~1時間に1度は刺激をする

はじめに丸尾さんは、リモートワーク中の肩こりについてこう話します。

「同じ姿勢で長時間座っている、パソコン操作をしていると、肩や首の血流が悪くなって筋肉がかたくなります。連日続くと肩や首に痛みが出て、頭重感や胃重感を覚えることもあるでしょう。そうなったときはもちろんですが、痛みを自覚する前に、デスクワーク中の30分~1時間に1度は肩こりケアのツボを刺激しましょう。血流が促されて筋肉がほぐれ、つらいこりの改善や予防が可能になります。

ここで紹介するツボは肩や首のまわりにあり、オンライン会議でツボの位置や刺激法を教え合う、勧め合うことができるでしょう」

肩、首の後ろ、鎖骨の上のツボ刺激で血流促進

(1)ツボ・肩井(けんせい)を刺激する

肩にあるツボで、「井」は「井戸」を示し、東洋医学の考え方でヒトの生命を維持するために必要な「気」と「血(けつ)」が湧き出るところという意味があります。意味も位置も覚えやすく、ケアの要素も豊富で、肩こりの特効ツボとして知られています。

肩だけでなく首すじの痛み、こり、首から肩にかけてのこわばり、頭痛の緩和にも作用します。また全身の血流を促すので、デスクワーク中の疲れや冷えの予防に刺激してほしいツボです。

(<ツボ「肩井」の位置>

肩井1

乳頭から肩に向かって手をすりあげていき、肩が盛り上がっているあたりで押してイタ気持ちいいところ。また、首のつけ根と肩先の真ん中あたり。左右にあります。

<刺激法>
手のひとさし指となか指をそろえて、強めにひと押し5~10秒を5~10回、くり返しましょう。腕を胸の前で交差して、左右同時に押すとよいでしょう。

(2)ツボ・天柱(てんちゅう)を刺激する

「天柱」の「天」には鎖骨から上の部分、「柱」には大黒柱という意味があります。人体でもっとも重要な頭部を支える、首の後ろの隆起した筋肉の始まりの部分にあるツボです。

首の緊張をほぐして肩まわりの血流を促し、肩や首のこりの改善に働きかけます。全身の血流も促すため、冷えの緩和にも作用します。また、目の疲れ、頭痛、のぼせ、だるさ、乗り物酔い、鼻づまりの改善にも期待できるため、全身の疲れケアになる万能ツボと呼ばれています。

<ツボ「天柱」の位置>

天柱1

首の後ろに、縦に走る太い2本の筋肉があります。その髪の生え際部分のすぐ外側の少しくぼんだところ。左右にあります。

<刺激法>
両方の手で頭を包み込むようにして持ち、おや指でひと押し5~10秒を3~5回、くり返します。左右同時に行いましょう。電車の中などで頭に手を上げにくい場合は、左右のどちらかずつをおや指で下から押し上げる、また、ひとさし指となか指をそろえて下から押し上げるなどしてください。

(3)ツボ・欠盆(けつぼん)を刺激する

「欠」は骨や肉が欠けていること、「盆」はくぼみという意味があり、鎖骨の上の筋肉がくぼんだ部分を示します。

肩や首の血流の促進に働きかけ、肩や首のこり、腕のだるさやしびれ、寝違えをケアします。とくにパソコンやスマホの操作、猫背などが原因で、肩から胸にかけての前側の筋肉がこりやすいときに有用です。また、息苦しいときや胸が痛むときにも用いてみてください。

<ツボ「欠盆」の位置>

欠盆

乳頭からまっすぐと上にたどった鎖骨の上のくぼみ。また、体の中心線から左右の外側へ、おや指の幅4本分ほどたどった鎖骨の上のくぼみ。イタ気持ちがいいところを探してください。左右にあります。

<刺激法>
ひとさし指となか指で、鎖骨に食い込ませるようにひと押し5~10秒を3~5回くり返しましょう。左右同時に行います。

最後に丸尾さんは、デスクで簡単にできる血流アップのためのストレッチ法についてもレクチャーします。

「これらのツボ押しと合わせて、手のぐーぱーをくり返す、肩をすくめるように耳に向かって持ち上げてすとんと落とす、けんこう骨が動くことを意識して腕を前後に回すなどしてください。オンライン会議中でも手軽にできるでしょう」

どれもデスクワーク中にできるケアで、ひと通り実践すると肩まわりが軽くなり、仕事に集中ができました。ちょっとした方法ですが、毎日こまめに行うと肩や首こりを感じることが減り、頭もすっきりしたように思います。試してみてはいかがでしょうか。

(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)

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