『本をどう読むか』インタビュー第1回

岸見先生、本の読み方が変われば生き方も変わるってどういうことですか?

岸見先生、本の読み方が変われば生き方も変わるってどういうことですか?

人間の悩みはいつの時代も変わらない

——本は時空を超えて著者と対話できるのが醍醐味だと思います。清少納言と話をすることもできるし、ニーチェとだって話ができる。

岸見:僕はもっとさかのぼって紀元前5世紀のプラトンと話をします。しかも、僕の場合は原典で読む。プラトンが使っていた言葉をそのまま普通に読めるなんて奇跡といってもいいですよね。そもそもそういう本が残っていること自体が奇跡ですけれど……。僕はそのことにすでに感動します(笑)。

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——大昔に書かれた本を読むと、人間の悩みって案外変わらないんだなあと思います。

岸見:変わらないですね。プラトンを読まれたかどうかわからないですけど、今も昔も人間は同じですね。現代の我々が悩んでいることがそのまま書いてある。本当に、同じことで悩んでいるのを知ると、人間って成長してないなって……。

そういうことがわかるのも古典を読む醍醐味です。少しも古くないことに気づくことが本当に面白い。著者に直接触れ合えて、しかも著者は基本的に何も言いませんから。「それは違うんじゃないの?」というやり取りを自由にできるのは読書ならではだと思います。

よく対談本を読んでいると「なるほど」がやたら多い対談やインタビューがありますね。でもね、「なるほど」を連発していたら対話は成立しないのです。

——-私、インタビュー原稿で書いちゃいますね。「なるほど」「確かに」「そうですね」は絶対使っている……。

岸見:「それは違うんじゃないですか?」と言えてこそ、対話が成立するのです。

僕はアドラーの翻訳しながらいつも思います。アドラーはそれほど古い人ではなくて、明治時代のおじいさんですが、時代と社会の制約があるので今の時代には通用しないことも言っているのです。「家事は女性がしたほうがいい」とか「結婚は人類のためになされる」とか。

だから僕は「それはダメでしょ」「ちょっと無理なんじゃないですか?」としょっちゅうつぶやきながら読んでいます(笑)。

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次回は3月22日(金)公開です。

(聞き手:ウートピ編集部:堀池沙知子、撮影:宇高尚弘)

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