自分は本当に太い? やせすぎ、太りすぎの医学的基準を糖尿病専門医が教える

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自分は本当に太い? やせすぎ、太りすぎの医学的基準を糖尿病専門医が教える

スリムな女優やファッションモデルをお手本に、もっとやせたいと思うことがよくあります。ところが、フランスで2017年5月に、「やせすぎモデルの活動禁止」という法律が施行されたというニュースを耳にしました。同国の有名なブランドを有する企業も、今後はやせすぎのモデルを起用しないとの宣言をして注目されています。

そこで、「やせすぎ」とはどういう状態を言うのか、糖尿病専門医で臨床内科専門医でもある福田正博医師に尋ねると、「若い女性のダイエットでは、医学的に見て『やせ』と呼ぶ低体重を目指すことがあるようです。低体重は、肥満やメタボよりも健康に悪い場合があります」と話します。

そこで、やせすぎや太りすぎの診断基準や健康への影響について、詳しく聞いてみました。

糖尿病専門医の福田正博先生

糖尿病専門医の福田正博先生

BMIと体脂肪率で、やせすぎ、標準、太りすぎを判断

福田医師はまず、やせすぎや太りすぎを医学的にどう判断するかについて、こう説明をします。

「見た目や感覚的なことで判断するのではなく、日本肥満学会が定義しているやせすぎや肥満の指標の『体格指数』、これを『BMI』(Body Mass Index。ボディ・マス・インデックス)と呼びますが、この数字で診断します。計算式は簡単で、男女の差はなく、次の式で求めます」

・計算式
BMI(体格指数)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

・診断基準
BMI=22のときの体重を、『標準体重』としています。理想体重と表現されることもあります。

18.5未満は低体重(医学用語で「やせ」)
18.5以上25未満は普通体重
25以上30未満は肥満(1度)
30以上35未満は肥満(2度)
35以上40未満は肥満(3度)
40以上は肥満(4度)

例)例えば、身長160cmで体重55㎏の場合、BMIは、55÷1.6÷1.6=21.48となり、「普通体重」です。身長155cmで体重42㎏なら、BMIは、42÷1.55÷1.55=17.48となり、「低体重」に、身長165㎝で体重が70㎏なら、BMIは70÷1.65÷1.65=25.71となり、「肥満(1度)」になります。

また、世界的基準では、WHO(世界保健機構)が標準体重を「BMIが18.5以上25未満」としています。フランスのモデルは今後、自らのBMIが健全な範囲であることを証明する診断書の提出が義務付けられたということです。

女性の体脂肪率は20〜29%が「健康的」

もうひとつ、体格を判断する指標として、「『体脂肪率』がある」と言う福田医師は、次の説明を続けます。

「体脂肪率では、国内でも世界的にも、標準の基準は統一されていませんが、日本の病院など、医療の現場ではおおむね、15歳以上の女性の場合、健康的とされる目安は20〜29%、男性は年齢を問わずに10〜19%としています。それ以下だとやせすぎ、それ以上だと太りすぎとなります。

BMIと体脂肪率は相関するというデータはありますが、見た目はがっちりしているのに体脂肪率が20%未満の女性は『隠れやせ』、また、スリムのようだけど体脂肪率が30%を超えているなら『隠れ肥満』と言えるでしょう」

30代前後の女性で体脂肪率が25%の場合、自分は太いと思い込むことが多いと思いますが、実は健康的と言える数値だということです。

やせすぎは栄養と体力不足で不調が現れやすい

肥満やメタボなど、太りすぎが健康に悪いということはよく知られていますが、実は、ファッションモデルを目安にしてダイエットに励み、実際にこれらの数字から「低体重・やせ」となった場合、「健康にとって悪影響になります」と福田医師。体にどういった影響を与えるのでしょうか。

「やせすぎと言える『低体重』の女性では、体力や栄養不足から、貧血、冷え症、めまい、月経困難、疲れやすい、イライラや憂うつ感、骨粗しょう症による骨折のリスクなどの不調が現れやすい傾向にあります。また、肥満の体格よりも死亡率が高いというデータがあります。

とくに、無理なダイエットによるやせすぎはこれらの症状をまねきやすいことを知っておきましょう。自分の適正な標準体重、体脂肪率を知っておき、その範囲内を維持することが、もっとも健康的な生活を営めるということです」

BMIを逆算して自分の標準体重を知る

ここで福田医師は、BMIから算出できる「標準体重」について、こう説明をします。

「統計上では、病気になりにくく死亡率が低い、健康に良い理想的なBMIの数値は22 であり、そのときの体重が標準体重であると知られています。標準体重は、BMIの計算式を逆算すると求めることができます」

・計算式
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

例)身長155cmの人は1.55×1.55×22=52.85で約53㎏、160㎝の人は1.6×1.6×22=56.32で約56㎏、165㎝の人は1.65×1.65×22=59.89で約60㎏が「標準体重」となります。

標準体重のとらえ方について福田医師は、こう説明を加えます。

標準体重とは、見た目がスリムな場合の体重ではなく、やせすぎによる先ほど話した不調や、肥満やメタボによる糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病を予防するために維持したい健康的な体重を示しています。

維持するには、日ごろの食事量を見直し、栄養バランスが整った食事を1日3食とり、運動不足や睡眠不足、ストレスフルにならない生活習慣を心がけましょう」

自分では太っているからなんとかやせないと、とずっと思っていましたが、BMIを計算すると標準であり、体脂肪も健康的な範囲におさまっていました。

周囲の女性にも計算をしてもらうと、「えっ、意外と太っていない」と気づく人が多く、その驚きようが印象に残りました。自分が太っているかどうかは、健康を最優先に考えてBMIを計算し、体脂肪を測ってから判断してはいかがでしょうか。

(取材・文 藤原 椋・ 藤井 空/ ユンブル)

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