寛容力のコツ・下園壮太さんインタビュー 第3回

イライラをぶつけて後悔…怒りを溜め込んで失敗しないための7つの視点

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イライラをぶつけて後悔…怒りを溜め込んで失敗しないための7つの視点

仕事が山積みになっている時や、生理前でイライラしている時、「今、私に話しかけないで!」と黒いオーラを発していませんか? 「あの人って波が激しいよね」なんて評価は避けたいのに、気づけば今日もそんなオーラを背中からジワジワと……。

ささいなことに怒ったり傷ついたりしない、おおらかな人になりたいと願う女性は多いはず。寛容力を高めるための心理スキルについて、『寛容力のコツ』(三笠書房)の著者である下園壮太(しもぞの・そうた)さんに話を聞きました。

【第1回】MRカウンセラーに聞く、寛容力のコツ
【第2回】心は突然がんばれなくなることがある

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イライラした後のフォローが肝心

——前回、イライラしている時に「近づかないで!」とバリアを張るのは、自分の心を疲れさせないための予防だとお話しいただきました。自分を守るための自然な行動だと言われると、気持ちが楽になります。ただ、そうやってバリアを張ると、組織のなかでは疎まれがちだし、損しちゃうというか……。

下園壮太さん(以下、下園):「今は近づかないで」とシグナルを出すのは仕方のないこと。出してしまった自分を責めるのではなく、あとでフォローするという知恵を持てばいいんです。

たとえば仲のいい同僚なら、「さっきはごめんね。急ぎの仕事があって、ちょっとイライラしちゃった」と言えばいいですよね。部下や後輩など、そう気軽に謝れない関係の人だったら「一緒にごはんに行こう。さっきのお詫びにおごるわ」と言ってもいい。その人との関係に応じて、コミュニケーションを復活すればいいんですよ。

——確かに、イライラした後は、コミュニケーションを遮断しがちかもしれません。

下園:「私に仕事を振らないで」「私に近寄らないで」というのは、相手に対する威嚇ですよね。威嚇された相手は怯えてしまいます。その怯えを解いてあげるために、コミュニケーションを復活する。その時に「こういうことでイライラしていたから、ちょっと口調がキツくなっちゃってごめんね」と説明すれば、相手は納得しやすいですよね。

——なるほど。でもできれば、イライラして相手を威嚇しないようにできるのが理想なのですが……。

下園:すべての怒りを止める必要はありません。そもそも、怒りの感情を持たないなんて無理な話ですよね。それから、怒りの感情を持った自分を責める必要もありません。女性の場合は、体調によって翻弄されることも多いですよね。なぜかというと、男性に比べてホルモンバランスが乱れやすいから。寛容力を高めるには、まずはちょっと休憩する。睡眠をしっかり取る。そうやって体調を整えることが、一番即効性のある方法です。

リフレッシュのために…が逆効果

——『寛容力のコツ』にも、「3日間、集中して休む」と書いてありました。

下園:前回、疲労には1倍から3倍まで段階あるとお話ししましたね。35歳くらいまでは、3日休むことで1段階回復するくらいの効果があります。

——今まで疲れたときは、「リフレッシュのため」と言って、旅行に行ったりしていました。しかもスケジュールがパンパンにつまった旅行に……。

下園:そのパターンはよく聞きますが、2倍や3倍の段階にいる人が旅行に行くと、さらに疲れを増やしてしまうことになります。そんな時は、「自分はもう動ける状況じゃない」としっかり認識して、何もしない3日間を過ごすことです。DVDを見たり本を読んだり、スマホを眺めることも控えて、とにかく横になる。何もしないのは案外つらいですが、腹をくくって休むことが大事です。

寛容さをキープする7つの視点

——仕事が繁忙期だと、3日間も休めないこともありますよね。疲れが溜まっている時でも、寛容になるコツはありますか?

下園:まず、怒りのピークは我慢すること。何か怒りを感じる出来事があった時、感情は一気に坂を駆け上がっていきます。特に3倍の時は、相手に何か言われたら、ふだんの3倍の感情が噴出してしまいます。ピークが去るまでは、とにかく刺激から離れましょう。まずは負の感情がワッと口から出るのを堪えて、そのあとはトイレなど誰もいないところに引きこもる。

たとえ怒りが収まっても「あんなことを言われた/された」という感情は恨み節みたいに残っています。寛容力を高めるには、怒りが収まった段階で振り返るのがポイントです。半日くらい間を置いてから「どうしてあの時、腹が立ったのかな?」と考える。その時に僕は「7つの視点」で怒りを客観的に捉える方法を勧めています。

【7つの視点】
1. 自分視点(私は何に一番傷ついた?/私が言ったことは正しい?)
2. 相手視点(相手は何をしたかった?/相手は何か不安や不満があった?)
3. 第三者視点(他の人から見たら自分はどう見える?)
4. 宇宙視点(宇宙から見たら自分はどう見える?)
5. 時間視点(1カ月後、相手との関係はどうなっている?/1年前、相手との関係はどうだった?)
6. 感謝視点(相手に感謝できるとすれば、どんなこと?)
7. ユーモア視点(この出来事を笑いのネタにするとすれば?)

——振り返らないとどうなりますか?

下園:怒りを覚えた人に対して警戒心が強くなり、なかなか収まらなくなります。「もしかしたら敵かもしれない」とずっと思っていると、ただ振り向いて笑っただけなのに「あの人はいつも私を観察している」と自分のなかで怒りが膨れ上がってしまうんです。

——怒りが被害妄想に変わってしまうんですね……。怒っている人を不寛容と思うのではなく、「そういう時もあるよね」と理解し合えるといいですね。

下園:もしそうできれば素晴らしいことですよね。人が怒っている間はそうっとしておいて、売り言葉に買い言葉になる状況は回避する。怒りが引いてから「一昨日の話ですけど……」と切り出すと、相手もバツの悪い思いを抱えているので、案外スムーズに話が進むこともありますから。

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(取材・文:東谷好依、写真:青木勇太)

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