感情美人デザイナー・柊りおんさんインタビュー第3回

「イラッ」を抑える必要はない? 感情美人デザイナーに聞く、怒りに振り回されない方法

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「イラッ」を抑える必要はない? 感情美人デザイナーに聞く、怒りに振り回されない方法

職場で上司や同僚の言葉にムッとしたり、通勤電車で他人のちょっとした行動にイラッとしたり……。怒りの感情は強いストレスになるだけでなく、健康面でも免疫機能の低下や老化の促進といった悪影響があると言われています。怒りに振り回されず、感情を上手にコントロールする方法を柊りおんさんに聞きました。

感情美人デザイナーの柊りおんさん

感情美人デザイナーの柊りおんさん

衝動的な怒りは、たいていくだらない

——ちょっとしたことでイラっとしていると、慢性的にストレスがたまります。怒りを抑える方法を教えてください。

おおまかに二つの方法があります。一つ目は「衝動を抑える方法」。反応しない、ということですね。怒りってものすごく根本的な感情で、どうしても湧いてきてしまうものなんです。人間には理性がありますが、その理性が働き出すまでに、ムカッときてから少しタイムラグがあるんです。だから、ちょっと冷静になる時間を稼ぎたい。いま流行のマインドフルネスから、簡単に衝動を抑える「STOPアクロニウム(頭文字)」という方法をご紹介したいと思います。

——「STOP」というのは、何の頭文字なのですか?

Sはstop(止める)、Tはtake a breath(息をつく)、 Oはobserve(観察する)、Pはproceed(元にもどる、または進む)という意味です。イラッとしたら、まずは自分に「止まれ」と言い聞かせ、ひと呼吸します。できれば深呼吸がいいです。observeでは自分の体の中で何が起こっているのかを見てみます。「鼓動が早くなってるな」とか、余裕があれば「自分は今、なぜこんなに頭にきてるのだろう」と考えてみる。そこまで考えたらまた元に戻ります。

observeあたりまでやると、「なんでもないことに怒ってる」んだと、ちょっと冷静になれるんです。だいたい5〜6秒で済む方法です。

——改めて考えると、イラッとする理由って、たいていすごくくだらないかも。

この「STOPアクロニウム」をやって、私も自分ですごくバカだなと思ったのが、ソフトバンクのiPhoneユーザーは牛丼がタダになるキャンペーンがあったじゃないですか。

娘が牛丼を食べたいと言うので、15分ぐらい並んで、やっと自分たちの番がきたのでクーポン画面を出そうとしたら、よりによってiPhoneがフリーズしたんですよ。店員さんに、「それではタダにできない」と言われて、でもせっかくだからお金を払って牛丼を食べたんです。「なんなの、この事務的対応!」ってすごく頭にきて(笑)。

でも、そのときに「STOPアクロニウム」をやって、「どうして頭にきてるのか」って考えたら、「自腹で380円払った」ことだったんです。そう思った瞬間に、「なんてくだらないことに頭を立てたるんだ!」と思って(笑)。特に、衝動によるイライラって小さいことが多いんです。

自分の価値観を取り払ってみる

——もう一つの対処法は?

二つ目は「価値観を許容する」ということですね。いろんな価値観を許容できるようになるコツがあります。

仏教用語で「三性(さんしょう)の理」という言葉があります。世の中を善か悪かの二元論で考えるのではなく、善と悪とはまったく次元を別にした「無記(むき)」という見地で物事を見てみようという言葉です。自分の価値観を仏教用語で「色(しき)」っ言うんですけど、私たちが怒りを感じるときって、「色」をつけた状態で物事を見て、「これは怒るべき」とか「ほっとけない」とか判断をしてしまっている。「色」を取り払って、プレーンな状態で物事を見てみようという方法です。

——自分の価値観を取り払ってしまうんですね。

私たちって、自分の考えは「善」なんですよ。自分は絶対正しいと思ってしまう。そして、相手の考えは「悪」なんですよね。自分と相手という垣根を越えたところに、もうひとつ「無記」っていうスペースを作ってあげて、お互いに妥協できる点や理解できる点を見い出し、気づいたところを客観的に分析できるようになると、イライラする頻度は減ってきます。

——とはいえ、なかなか怒りを抑えるのは難しそうです。

怒りを抑える必要はないんです。自分とは違うからといって、相手を完全にシャットアウトするのではなく、あくまで自分から心を開いてあげないといけない。世の中、みんな自分が一番だと正しいと思ってるんですもの。

特に立派な地位にある方は、正義感を振りかざしてイライラする人が多い。正義感ほど厄介なものはなくて、「正義」となったとたんに「善」に見えるんですよ。でもそれって、自分の中では正義かもしれないけど、別の人にとっては悪に見えるかもしれない。だから自分の正義感を押しつけないというのは大事ですね。

——結局、怒りというのは他人の問題ではなく、自分の問題ですね。

そうですね。自分の問題です、感情の課題って。

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