女性が患うがんの中で、もっとも多いと言われる「乳がん」。によると、生涯に乳がんを患う女性は12人に1人*と言われるほど、決して珍しい病気ではありません。自分はもちろん、身近な家族や友人が乳がんになってしまった人もいるでしょう。
*国立がん研究センター対策情報センターの「がん情報サービス」による
手術後は温泉に行けなくなる?
これまでは乳がんの手術として、乳房の大部分を切除する方法がとられてきましたが、最近では乳房を温存する手術も増えています。とはいえ、がんの部分だけを切除するわけではなく、多少はその周囲も切除されてしまうので、完全に元通りというわけにはいきません。
術後、傷痕が残ったり乳房の一部が欠けてしまったりすることに、大きなショックを受ける女性も少なくありません。そのせいで大好きだった温泉に足を運べなくなってしまう女性もいます。そんな女性たちのために開発されたのが「バスタイムカバー」というインナーウェアです。
着用したまま入浴を楽しめる「バスタイムカバー」
バスタイムカバーは、「乳がん患者の方が、専用入浴着を利用して気がねなく温泉に入れる観光地の拡大を支援し、誰もが旅行を楽しめる環境づくりを進める」ことを目的として、1998年に株式会社ブライトアイズが開発した日本初の入浴着。
カバーに頭と腕を通し、背中で紐をクロスさせて着衣するタイプのインナーウェアです。水着のような感覚で着用でき、撥水性なので素肌と同じように石鹸で洗え、そのままの格好で浴槽に入ることができます。タオルで軽くぬぐうだけで服とほとんど変わらないような乾いた状態になるので、脱衣所では脱がずにそのまま浴衣を羽織れるところも便利。
圧迫感がなく、手術痕をふんわりとカバーできて着心地がいいのも特徴です。見た目もナチュラルで、「つけていることを忘れて温泉を楽しめた」なんて声が寄せられるほど。乳がんをはじめとした手術痕を気にする女性たちの救世主となっています。
「プレゼントしたら喜ばれた」という声も
2011年の1月からは、厚生労働省や国土交通省、総務省で認可され、全国の温泉施設で利用することができるようになったバスタイムカバー。タオルと違い、着たまま入浴できるので「まわりに傷痕を見られたくない」「子どもを驚かせてしまったらどうしよう」という不安を解消してくれます。
実際に着用して入浴した人たちからはこんな声が寄せられています。
「違和感がなくて色も自然で目立ちませんでした。もう一生行くことはないだろうと思っていた温泉に友達と行けた時は、本当に嬉しかったです」
「自分では気にしていなくても、小さい子どももいる大衆浴場は不安でした。バスタイムカバーを見つけて子どもと温泉に行けるのが嬉しいです」
手術痕は病気と向き合っている証なので恥ずかしがることはありませんが、デリケートな問題であるがゆえに気にしてしまう女性も。バスタイムカバーを使うことで、家族や友達と気がねなく温泉旅行を楽しめるのは大きな喜びです。
さらに、手術痕を気にする母親や友達にバスタイムカバーをプレゼントしたという女性もいます。
「乳がんで全摘して落ち込んでいる温泉好きの母のために買いました。早く温泉にいけるよう元気になってほしいです」
「思い切って贈ってみたら、想像以上に喜ばれました。今後、バスタイムカバーを知っている人が増えてくれたらいいなと思います」
全国の温泉施設で認められているバスタイムカバーですが、まだまだ知らない人も多いアイテムです。乳がんを患い、手術をしたあとでも「バスタイムカバー」の存在を知らない女性もたくさんいるでしょう。手術痕に悩んでいる人はもちろん、そうでない人たちにもバスタイムカバーを知ってもらう必要があります。
キャミソールタイプだけでなく、ベアトップやワンピースなどさまざまな種類が出ているバスタイムカバー。今後ますます認知が広がり、多くの女性の救いになることを祈るばかりです。
【バスタイムカバーに関するお問い合わせ】
株式会社ブライトアイズ(http://www.be-japan.com/)
電話:03-5933-3601
(小林リズム)