□健康に勝る美しさはなし、を念頭に置くべし
□高価だからといって効果があるとは限らない
□オーガニック+ケミカルコスメが今の時代
「美容家」という職業なら当然なのかもしれないけれど、岡本静香(おかもと・しずか)さんの肌は白くて透き通るよう。“無理をしない、自然美”が肌を通して伝わってくるようです。
仕事というフィルターは通さずに、一人の女性としてどんな思いで肌と向き合っているんでしょうか? こっそり教えてもらいました。
美の究極は健康であると実感中
ーズバリお伺いしますが、岡本さんにとって“理想の肌”とはどんな肌ですか?
岡本:水分バランスが全顔に対して均一であることです。意識してケアしないと、部分的に乾燥していたり、皮脂が多かったりと顔の中でも保湿状態はバラバラになってしまいますからね。
ーそんなふうには見えませんが、ご自身で肌チェックはしていますか?
岡本:毎朝、目をつぶって乾いた手で顔を触って「あ、ここにクリームが残っているから皮脂が多いんだな」と確認しています。それに合わせて、夜のスキンケアも部分ごとにアイテムを変えたり、塗布する量を加減したり。
ー理想とされている「水分バランスが均一で、透明感のある肌」にするために努力されていることはありますか?
岡本:それが叶うような肌になるには、健康であることが第一だと実感しています。胃腸をケアするとかカラダの内側からきれいにしていくようなケアです。
ー究極は何も塗らずにいてもきれいな肌、ですよね。
岡本:スーパー究極はそうですね。(笑)目指すは自己治癒力が高い肌。食生活や運動といったプロセスから成り立って輝く肌。そこにプラスアルファでコスメを使って輝かせるのが、理想です。
高額なコスメアイテムばかりが良品とは限らない
ー今の流れでいくとそのコスメも、オーガニックコスメを推薦されますか?
岡本:実はそうでもないんです。オーガニックコスメも、だいぶ事情が変わってきましたよね。
最初は単なる流行だったと思うんですけど、選択肢がだいぶ増えてきました。例えば自分で成分をカスタマイズできるとか、何かしら高級な成分が入っているとか。価格帯も幅広いですよね。
今は、オーガニック一辺倒ではなくて最先端のケミカルコスメも合わせたアイテムが時代に合っているというのが、私の感覚です。
ちょっと話はそれるかもしれないけど、現代の……特に東京は排気ガスもあるし環境に恵まれているとは言えません。だから何もケアをしないできれいでいられる可能性はゼロに等しいと思います。
なら、今の自分の生き方や生活環境に合わせて、美容を選んでいく方がスムーズに進むはず。「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と頭でっかちになっているよりバランスよく生きていけるはずだから。
ー自分に合った情報をキャッチするということですね?
岡本:まさにその通り。様々な美容法が溢れているので、その中で「試したい!」と感じる情報を実践すれば良いんです。
ー岡本さんの発信される美容法は、SNSやご著書を読まれる方と同じ目線ですよね。
岡本:そうですね、すぐ手に取れるもの、実行できること。そこからなるべくぶれないようにはしていますが、高価なものを意識的に避けているわけでもないですし、「高いもの=よいもの」とも思っていません。でも、よい商品が偶然高いということはありますね。
例えば2万7000円もする美容液があるとします。数字だけ見ると腰が引けちゃうんですけど、すごく伸びもテクスチャーもいい。香りもラグジュアリー感があるし、塗布するだけで一瞬でスパに行ったような気持ちになれるんです。
そういった高くても価値があるものはオススメします。どの商品も美容法も、本当に皆様にお伝えしたいかどうかよく考えてから発信しています。私の投稿や本を読んでくれた皆さんの選択肢の一つになれば嬉しいですね。
>>この連載は月曜・火曜に更新予定です。次回は14日を予定。
撮影:竹内洋平