ディーン・フジオカが考える、信じるということ

ディーン・フジオカが考える、信じるということ

ゲノム編集、クローン、人体凍結保存……。こうしたさまざまな最先端科学による事件に立ち向かう警察官僚・小比類巻祐一らの活躍を描いたサイエンスミステリードラマ、Huluオリジナル『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』Season2が、オンライン動画配信サービス「Hulu」で独占配信中です。

本作は4~6月に日本テレビ系で放送されたSeason1の続編で、ディーン・フジオカさん演じる主人公・小比類巻が、天才科学者・最上ら“科学犯罪対策室”のメンバーたちと最先端科学にまつわる不可思議な事件に挑む物語。原作は中村啓さんの小説『SCIS 科学犯罪捜査班 天才科学者・最上友紀子の挑戦』(光文社文庫)で、『海猿』や『MOZU』シリーズで知られる羽住英一郎さんが監督を務めています。

ディーン・フジオカさんが演じている小比類巻は、科学を人類の光と信じ、そこに希望を見いだしている人物。前編に引き続き、後編では「信じる」ことや仕事ルールなどをテーマにお話を伺いました。

ディーン・フジオカが考える、信じるということ

——ディーンさんが演じている小比類巻は、科学を人類の光だと信じている人物で、「信じる」ということは作品を通してひとつのキーワードだと思いました。そこで、ディーンさんが何かを「信じる」ということについて、どのような考えを持っているのかお聞きしたいです。

ディーン・フジオカさん(以下、ディーン):小比類巻の話をすると、彼は亡くした妻を冷凍保存していますが、自分がやっていることがどういうふうに自分以外の多くの人の目に映るのかも理解しているんです。人から見れば望みがなく、ただ自分の孤独を埋めるための自分勝手なアクションなんじゃないかと言われていることも理解したうえで、そこに光を見いだことを選んだ人間なわけですね、愛ゆえに。もちろん、未来なんて何が起こるか分からないし、闇といえば闇だけど、でもそこに光を見いだすことを選んだ。それは小比類巻にとっては科学の光の部分、希望の部分を信じることに沿ったアクションであり、彼はそれを選び続けているわけです。

すごく丁寧に話さないといけない話だと思うので、パッと一言では言えないんですが……。でも、「信じる」というのは行動であり、動詞であり、アクションを起こすこと。ただの言葉ではなく、行動を共にして、生理的な反応が生まれるひとつのアクションであることは間違いない、と思っています。

——行動を共にして、生理的な反応が生まれるひとつのアクションというのは?

ディーン:例えば、ちょっと脇道にそれてしまうんですが……よく、体を鍛えているというと「肉体を鍛える」というイメージになるじゃないですか。でも自分の感覚はちょっと違っていて、どちらかというと“脳トレ”をしているんです。もちろん刺激は筋肉を通るんですが、それを通して何をしているかというと、脳みそをトレーニングしているんですね。だから筋トレではなく脳トレをしている、ということがまず前提としてあります。

——体を鍛えることは、筋トレではなく、脳トレ。

ディーン:はい。そしてそれによって、例えば重いものを持ち上げるときでも筋肉の分離ができていれば、どこの部分を動員させるかということを自分で選択できるようになるわけです、シナプスが通っている状態になって。自分がパイロットだとしたら、肉体ってエヴァンゲリオンとかガンダムみたいなもので。脳みそから神経系がバーッと出ているわけですね。

そういう形で物体、物質があるとして、次に思考……つまり考えたり思ったりすることが、どんな瞬間に物質に変わるのかと考えてみると、それは脳が何か分泌物を出すときだと思うんです。何かを「考えること」自体には物を持ち上げるような力はないけれど、頭で考えることが現実との接点を持たないかというと、そうではないと思っています。思考が物質に変わる瞬間というのはあって、それを可能にする装置が脳。要するに、自分の思考みたいなものをコントロールすることで脳を支配下に置くことができ、それをアクティベートする鍵が、「信じる」ということなのかなと。だから、「信じる」ということは、まだ引き出せていない脳の可能性を引き出すため、アクティベートするための重要な鍵である……と考えると分かりやすいのかなと思います。

7月30日から配信スタートした『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』最終話=Hulu提供

プロとして役割を果たす」ための仕事ルール

——ディーンさんが仕事をするうえでの仕事ルールのようなものがあれば、教えてください。

ディーン:仕事のルールはいくつかあります。

仕事していく中で、自分が与えられた役目を責任を持って引き受けて、それをちゃんと届けるための必要最低限の環境というものがあると思うんです。その環境を整えるためのひとつとして、睡眠をとても重要なものと考えています。無理をすることで睡眠を犠牲にしてしまい、それでより大きな問題を生み出してしまう……ということもあるので、あくまでもプロとして、役目を果たすためにそう考えている、というところですね。

Huluオリジナル『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』Season2はHuluで独占配信中。全6話。最終回は7月30日配信スタート。

(聞き手:河鰭悠太郎、写真:宇高尚弘)

●衣装クレジット
ヘア・メーク/森 智聖 スタイリスト/渡辺 慎也(Koa Hole inc)
シャツ¥35,200カットソー¥14,850パンツ¥29,700シューズ¥59,400(すべてSHAREEF/シャリーフ)

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

ディーン・フジオカが考える、信じるということ

関連する記事

編集部オススメ

2022年は3年ぶりの行動制限のない年末。久しぶりに親や家族に会ったときにふと「親の介護」が頭をよぎる人もいるのでは? たとえ介護が終わっても、私たちの日常は続くから--。介護について考えることは親と自分との関係性や距離感についても考えること。人生100年時代と言われる今だからこそ、介護について考えてみませんか? これまでウートピで掲載した介護に関する記事も特集します。

記事ランキング