憂うつ感や脱力感、五月病をケアしたい…医師が実践するアロマセラピー

憂うつ感や脱力感、五月病をケアしたい…医師が実践するアロマセラピー

新年度がはじまり、今年もまた大型連休が近づいてきます。ご時勢がら、思うようにリフレッシュができずに憂うつな気分や脱力感が強くなるばかりです。そこで、日常生活でアロマセラピーを取り入れているという臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長にメンタルケアについて尋ねると、「そのひとつとして、アロマセラピーを試してみてはどうでしょう。五月病(ごがつびょう)の予防の意識を高めるためにも実践しやすい方法でしょう」ということです。

そこで、憂うつ感や脱力感、五月病をケアするアロマによる方法を伝授してもらいました。

大型連休明けに現れる五月病・六月病の症状

はじめに正木医師は、五月病とその症状についてこう説明をします。

連休明けに、仕事や日常生活に支障をきたすほどの憂うつ感や気分の低下などの症状が現れることを五月病と呼んでいます。新年度で仕事や生活に大きな変化があったときに訪れる5月の大型連休明けに発症する人が多いからです。

近ごろでは、5月は乗り切っても6月に憂うつ感が強くなる『六月病』も増えています。五月病・六月病とは通称で、医学的には『適応障害』と診断されます。

具体的な症状は、体に力が入らない、気力がわかない、誰とも話したくない、眠れない、食欲がないなどのメンタルの面と、頭痛、肩こり、胃重感、便秘、下痢、めまい、耳鳴りなど体の面での不調が複雑に現れることが多いでしょう。とてもつらいと思います」

アロマセラピーの簡単実践法

気分の低下にはアロマオイルを試してみようとのことですが、その理由と実践法について正木医師はこう説明を続けます。

「感情のありようのケアはアロマの伝統的な活用法としてよく知られています。不安なときやイライラしているとき、無気力なとき、憂うつ感のあるとき、次に紹介するエッセンシャルオイル(精油)を次のような方法で試してみてください。

・ティッシュやハンカチに1~2滴垂らしてそっと香りをかぐ
・枕元やデスクなどの身近な場所に置く
・お風呂のバスタブに5~6滴(湯の量に応じて調整してください)を垂らしてそっと混ぜてつかる
・アロマディフューザーを使って部屋で芳香浴をする

不思議に気持ちが落ち着いてきます」と正木医師。

気分の落ち込みや憂うつをケアするアロマオイル5つ

では、正木医師が実践しているアロマオイルを挙げてもらいましょう。

(1)ベルガモット

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ミカン科の植物で柑橘系の香りがする、紅茶のアールグレイの香りづけでも知られています。「自律神経のバランスを整え、不安や精神疲労を緩和する」、また、「免疫力アップの可能性がある」といった学術報告もあります。鎮静作用がある成分が含まれていて、アロマオイルの中でも、憂うつ感、精神的疲労、ストレスの緩和に働くものの代表として挙げられます。睡眠を促し、胃腸の不調の改善にも作用します。

(2)グレープフルーツ

グレープ

(1)と同様、ミカン科で、ほんのり甘いシトラスの香りがします。イライラしたときや気分が落ち込んだときに、ストレス発散として暴飲暴食をする人に向きます。心身ともリフレッシュしたいとき、むくみやストレスによる不調を緩和するとされます。グレープフルーツの香りをかぎながらパソコン作業をすると疲労感が低下する、意欲の低下を予防するという報告もあります。リモートワークのおともとして覚えておくといいでしょう。

(3)レモン

レモン

レモンもミカン科で、さわやかな香りが特徴です。および、グレープフルーツ同様に、デスクワーク時の疲労感の低下、意欲の低下を予防するという報告があります。不安や混乱、行き詰った気持ちをリフレッシュしたいとき、明るい気持ちになりたいときに活用できそうです。レモンは脂っこい料理に添えられていることが多いでしょう。それは消化吸収の促進、胃粘膜の保護などに作用するからです。また、血流促進、体温アップにもよいと言われます。

(4)ローズマリー

ローズマリー

シソ科でハーブの香りがやや強くします。血流を促す、神経の強壮や刺激、脳の活性化、集中力を高めるなどの作用があると言われ、無気力なときや、憂うつ感があるときに向きます。手足の冷え、低血圧、筋肉痛、体のこりの緩和にも働くとされます。

(5)タイム

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(4)と同様、シソ科で甘みとやや辛みの混じるような刺激ある香りがします。活力を湧き起こす、気持ちを奮い立たせるオイルとして知られ、不安な気持ちやストレスで気分が散漫なとき、仕事や日常でささいなミスが続くようなときに試してみてください。食欲不振、呼吸器系や胃腸の不調の改善、血流促進などにも作用すると言われます。

どのアロマオイルを選べばいいのかについて正木医師は、次のアドバイスをします。

「個人のお好みの香りの感覚で選ぶとよいでしょう。実際ににおってみて、『すっと気持ちが落ち着く』といった感覚や、よくわからなければ、『いい感じ』と思ったものをチョイスしましょう。

通販で購入する場合はにおいを試せませんが、(1)~(3)の柑橘系なら香りの想像がつくと思いますので、まずはそこから選んでみてはどうでしょうか」

また、「冒頭で説明した、憂うつ感や気分の低下が2週間以上続く場合は、五月病や六月病(適応障害)の可能性があります。早めに心療内科や精神科、あるいはかかりつけの内科医を受診しましょう」と正木医師。

アロマオイルを5種とも実践してみたところ、やわらかな心持ちになったり、頭がスッキリとしたり、少し食欲が増したよう感じたり、多様な感覚がありました。「毎年5・6月がつらいという人は、憂うつ感、不安な気持ちが強くなる前に、普段から活用するのもいい」(正木医師)ということです。

(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)

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