くさのたろうクリニック 草野太郎院長インタビュー最終回

「整形したい」と思ったときに知っておいてほしいこと【美容外科医に聞く】

「整形したい」と思ったときに知っておいてほしいこと【美容外科医に聞く】

くさのたろうクリニック(東京都品川区)院長の草野太郎さんは、形成外科医として日本でトップクラスの乳房再建手術数を行いながら、豊胸手術をはじめとした美容外科も行う“二輪体制”の医師です。「形成外科の専門医が美容外科をやっていることは大きい」と語る草野先生に、美容外科との付き合い方について聞きました。

美容整形に興味はあるけれど…

——整形オーディションが開かれるなど、昨今、美容整形に対する後ろ暗い雰囲気が変わってきているように感じます。

草野太郎先生(以下、草野):僕が医者になった20年前に比べるとだいぶ変わってきますね。美容も大きく分けると美容皮膚科と美容外科があって、アンチエイジングとしてシミやシワ、たるみを取る美容皮膚科の方は、どちらかというと情報共有したい人が増えている印象です。「あそこでレーザーを当てたら良かった」とか「この前初めてほくろ取ったよ」とかね。イオン導入やピーリングなど、メスを入れない範囲で顔にお金をかけることをネガティブに捉えている人は少ないように思います。一方で、美容外科で二重や豊胸の手術をするとなると、まだまだ隠す文化だなと思いますね。

——美容整形に興味はあっても、どのように選べばいいか迷ってしまいますよね。

草野:前回、少しお話ししましたが、美容外科って形成外科の中のひとつの分野なんです。医療業界ではそれが一般的ですし、アメリカでもそうです。ただ日本では、医学部卒業後に形成外科医として下積みすることなく、そのまま美容業界に飛び込む人が少なくありません。もちろんそこから知識や技術を習得して腕を磨いてく医師もいらっしゃいますが、まずはクリニックのHPなどで先生の経歴をチェックするといいのかなと思いますね。

また、基本的に手術は一期一会です。たとえば二重手術を一度行えばもう手術する必要はありませんよね。鼻を高くするにしても豊胸するにしても、一生に何度もやらないものですから、その施術が上手かったのかどうか、受けた人は比べようがないんですよ。形成外科、美容外科というのはそもそもがそういう業種だということをまずは知っていただきたいですね。

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僕は自分自身が「エビデンス」

——失礼ですが、草野先生はおいくつですか。お肌がとてもきれいなので……。

草野:44歳です。僕はいろいろしていますよ。ボトックス、超音波で熱を与えるHIFU(ハイフ)、イオン導入のさらに先を行くエレクトロポレーション、サプリメントも飲んでいます。これはもう仕事と趣味を兼ねて、ですね(笑)。

僕の場合は美容の領域を扱っている身として、とにかく清潔感を保ちたいんです。「きれいなおじさん」が目標。あとは施術を希望する人に説明する時、自分が試しているものの方が生の感覚のお話ができますよね。それに効かないものは薦めたくないですから、そういった意味でも自分自身がエビデンスなんです。

——草野先生を見て俄然、美容に興味が湧いてきました。実際にクリニックに行く前に気をつけておくべきことってありますか。

草野:美容クリニックに行くとカウンセリングをして、医師にみてもらったうえで契約という流れになるんですけど、その時にはぜひ「患者力」をつけていってほしいです。「患者力」とは、医師が言うことを鵜呑みにせず、施術に対して知識や情報をしっかりと持つことです。たとえば二重にしたいだけだったのに、「まぶたが厚いので脂肪も一緒にとりましょう」と、医者がオプションを提案してくるかもしれません。そういった時に、その提案が本当に自分にとって必要なのか自分で判断できるかどうかということです。

正しい情報を得るには、オフィシャルな団体の発表を参考にするのが基本です。好きなインスタグラマーが勧めていたから間違いないはず、ではダメですよ。整形依存が怖いという方もいますが、それも「患者力」があれば回避できるはず。

自分を好きになれるように少しだけ背中を押す

——美容整形を望む人に対して、草野先生はどう向き合っていますか?

草野:僕は極端に変える手術は控える方で、その人の個性を活かした変化しかお薦めしません。施術を希望する人自身が変化を感じられるのにナチュラル、そんなところを目指しています。ただ変化が少ないほど繊細な作業が必要になるので、手術の難易度としては高くなるんですけどね。

基本的には“ボディ・ポジティブ”ならぬ“ボディ・ネガティブ”な人しかクリニックには来ません。そういう人が少しでも自分を好きになれるよう、僕らがちょっとだけそのお手伝いをする。美容医療自体は「命に直接関わっていない」と言われてしまえば、緊急性や重要性の低いものかもしれませんが、自分に自信を持てるようになるという意味ではすごく社会貢献度の高い仕事だと思っているんです。

(取材・文:小泉なつみ、撮影:青木勇太、編集:安次富陽子)

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