銃で敵を撃って倒すゲームは山ほどありますが、米国ニューヨークの高校生が制作したのは、古典的なタイプのゲームだけれども、敵を倒すのに銃ではなく「タンポン」を使うという、非常にユニークなものでした。
敵をタンポンで攻撃していくという8ビットの単純なゲーム
懐かしのファミコンを思わせる8ビットの画面と音楽で構成されたゲーム「タンポンラン」は、家庭の貧しい10代の少女たちにコンピューター・プログラミングを教える、ニューヨークのNPO「ガールズ・フー・コード」の夏季講習で生まれました。
この講習で出会ったふたりの高校生、アンドレアとソフィーが制作したゲームは、敵をタンポンで攻撃していくという単純なもの。敵がプレイヤーを通過するとタンポンが没収されてしまい、タンポンの箱を集めればタンポンが増えます。タンポンがなくなればゲームオーバー。
ゲームの単純さとは裏腹に、その背後にあるメッセージは少し複雑です。ゲームを開始する前には、彼女たちがこのゲームを制作した目的、すなわち「生理のタブーがなくなるようにしたい」という思いが表示されます。
生理はノーマルで自然な身体機能
すべての女性は、その人生の大部分を生理とともに過ごすのに、ほとんどの人は、男性も女性も、生理と関係のあることについて話すことを快く思いません。生理を取り巻くタブーは、ノーマルで自然な身体機能である生理が、恥ずかしく下品なものであると女性たちに教えています。
「タンポンラン」は、アクセス可能な方法でタブーを議論する方法です。銃を持つ代わりにタンポンを持ち、敵を撃つ代わりにタンポンを投げます。
コンセプトは奇妙かもしれませんが、ビデオゲームを通じて銃や暴力は受け入れられているのに、私達はいまだにタンポンと生理を語りづらいものとしているのです。うまくいけば、いつの日か生理がノーマルなこととなるでしょう。
この「タンポンラン」、筆者もプレイしてみたのですが、軽快な8ビットサウンドが心地よく、単純ながらもついついハマってしまう面白さがあります。あなたも試してみてはいかがでしょうか。
(リプトン和子)