青木晃先生に聞く「糖質ケア」・前編

“人生100年時代”と言うけれど…「ボーッと生きている」人こそ糖質ケアが必要な理由【青木晃】

“人生100年時代”と言うけれど…「ボーッと生きている」人こそ糖質ケアが必要な理由【青木晃】

最近、「糖質制限」や「低GI食品」という言葉を耳にする機会が多くなってきました。糖質制限ダイエットを実践したことがある女性も多いのではないでしょうか。糖質は、カラダを動かすエネルギー源として重要な栄養素のひとつですが、ひとたび取り過ぎると、体重増加をはじめ、さまざまな生活習慣病を引き起こす要因にもなります。

このほど、化粧品・健康食品ブランド「fracora(フラコラ)」の糖質ケアサプリメント「大人の1粒習慣」(10月28日発売)の発売を記念したトークイベントが開催され、日本のアンチエイジング(抗加齢)医学において第一線で活躍する内科医の青木晃先生が、現代人の糖質をテーマに語りました。

「なぜ私たちは糖質を取り過ぎてしまうのか?」「糖質がもたらすカラダへの悪影響」など、トークイベントの内容を前後編にわたってお届けします。

アンチエイジングは生き方の哲学

——先生のご専門はアンチエイジング医学と伺いました。

青木晃先生(以下、青木):アンチエイジングは、美容関係の言葉だと思われがちですが、アンチエイジング医学の本質は、健康長寿を得るための予防医学です。

ではなぜ今、アンチエイジング医学が注目されているかというと、“人生100年時代”になったから。100歳まで生きることが当たり前になった今の時代、老後のライフスタイルを充実させることが、“人生100年時代”の戦略になってくるんです。

そもそもアンチエイジングというのは、その人の人生観に関わってくるんです。

——どういうことですか?

青木:「私は太く短い人生でいいんだ!」「50歳で死んでもいい!」という人は、タバコを吸おうが大酒を飲もうが自由ですが、例えば「100歳で月旅行に行きたい!」という夢があるならば、健康でなければならない。つまり、アンチエイジングというのは、それぞれの生き方における哲学なんですね。

だから、何も考えずに漫然と生きている人には、「“人生100年時代”に、ボーッと生きていると大変なことになるよ」と声を大にして言いたいです。

——まさに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」ということですね。

青木:私たち人間は、もともと50歳くらいで死ぬようにプログラミングされています。例えば、老化をストップさせる効果も分かってきた睡眠ホルモン(メラトニン)をはじめ、成長ホルモンや性ホルモンといったアンチエイジングホルモンの分泌は、50歳を過ぎると非常に低くなります。

このほかにも、抗酸化力は40歳を境にグッと下がりますし、免疫力や基礎代謝なども40代~50代でガクッと下がってくる。そのため、カラダのさまざまな機能が低下する50歳以降は、誰でも、老化を感じるようになります。50歳が寿命であれば問題はないのですが、日本人の平均寿命は男女の平均で84歳なので、徐々に老化が進む30年超を、元気に生きていかなければなりません。

ようやく近年になって、政府もアンチエイジング医学に注目するようになりました。今までの日本の医療は、「病気を治す」という治療医療主体でしたが、糖尿病や高血圧、高脂血症といった生活習慣病を予防できれば、医療費が減らせます。“人生100年時代”を見据えた形の医療を、アンチエイジング医学が主導していかなければならないと感じています。

なぜ糖質の取り過ぎはよくないの?

——最近、「糖質制限」や血糖値の上がりにくさを表した指数である「低GI」という言葉を聞く機会が多くなってきました。やっぱり現代人は糖質を取り過ぎなのでしょうか?

青木:私たちの食生活では、思っている以上に糖質を取り過ぎています。もともと、ブドウ糖というのは、ダイレクトに脳のエネルギーになる効率の良い物質なんです。すごく重要な栄養素であることは言うまでもありませんが、大昔は、今ほど簡単にブドウ糖が手に入りませんでした。ちなみに、旧石器時代だと、1年間でティースプーン20杯のハチミツしか摂取できなかったのですが、現代では1日でティースプーン20杯以上の精製糖を摂取しているんです。

大昔はそれだけ糖が取れなかったため、ブドウ糖が欠如してくるとカラダの中で飢餓を警戒し始めます。ですから、ブドウ糖を欲することは、人間の本能なんです。糖が枯渇していた人類の歴史250万年に比べると、精製糖が使われ始めたのはたった300年前。砂糖がポピュラーに使えるようになって、感覚が麻痺してしまい、“糖質中毒”になっていると言っても過言ではありません。やめようとすれば、イライラや冷や汗、頭痛といった禁断症状が出るため、私たちは精製糖を“マイルド・ドラッグ”と呼んでいます。

——糖質を取り過ぎると、どのようなことが起こるのでしょうか?

青木:糖質を上手くコントロールしないと、“人生100年時代”を健康に過ごすことができません。カラダが酸化すると、細胞レベルや組織レベルで老化が進んでしまうという話は聞いたことがありますよね? 最近では、酸化だけではなく、糖化も老化を促進させると言われています。ここでの糖化とは、余剰な糖が正常なタンパク質にくっつき、変性劣化したタンパク質になってしまうこと。AGE(Advanced Glycation End Products、最終糖化生成物)という物質が、さまざまな臓器の老化を促進させることが分かってきたんです。

例えば、糖尿病の三大合併症である網膜症、神経症、腎症は、AGEがそれぞれの臓器に沈着して引き起こします。また、皮膚が糖化の影響を受けると、褐変変容してくすんだり、シミやシワの原因になったりもします。

このほか、骨が糖化の影響を受けると、骨がもろくなったり、最近では卵巣の機能も、糖化の影響を受けているのではないかと言われています。まだ完全には、エビデンスベースには載っていませんが、酸化と糖化が一度に起こるとカラダに悪影響を及ぼすということが分かってきています。

——糖の取り過ぎが体に悪いことが分かりました。次回は、食事について教えてください。

後編は、10月30日(水)に公開です。

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