間下このみさんインタビュー 前編

「子役時代のことは話したくなかった」間下このみがネット番組に出演した理由

「子役時代のことは話したくなかった」間下このみがネット番組に出演した理由

「うちの子、超かわいい……」「甥っ子や姪っ子が芸能人になったらいいな……」。

そんなふうに子どもとの“シンデレラストーリー”を夢見たことのある人、少なくないのでは? しかし、その夢が叶う・叶わないにしても、光を浴びるということにはリスクがあると、国民的人気の子役スターだった間下このみさんは言います。

10月5日に放送されたAbemaTV『Wの悲喜劇 〜日本一過激なオンナのニュース〜』の「子役とママのシンデレラ物語」に出演した、間下さん。これまであまり子役時代のことは話してこなかったそう。その理由とは——?

間下このみさん

間下このみさん

子役だった過去を消したいと思っていた

——トーク番組に出演したのは久々だそうですね。しかも、これまであまり話していなかった子役時代の光と闇についても語っています。何か心境の変化があったのでしょうか。

間下このみさん(以下、間下):大きなターニングポイントがあったのではなく、時間がゆっくりと考え方を変えてくれました。子役時代は環境にも恵まれて、楽しく仕事をしていたのですが、芸能活動を続けるのか、そもそも大人になってもできるのかと常に葛藤がありました。同時に、“普通の子”として部活や友人と遊びたいという気持ちもあって。中学入学を機に仕事を自粛することを決めたんです。

——思い描いていた“普通の子”としての生活は叶いましたか?

間下:正直、それは…難しかったかな。友達を作るにしても、相手は私のことを知っていて、初対面から“芸能人”というイメージを持って接してこられることが多くて。「どうして仕事に行かないの?」とか「仕事なくなったの?」と悪気なく聞かれることもつらかったですね。真っさらな自分で、お互い何も知らない同士、質問をしあって友情を深めていく、なんてことをしたかったなって思っていました。

10代後半、20代の頃は、アルバイトの面接を受けに行っても「なんでこんな仕事に?」「こんなところで働かせられないよ」って。そう言われるのがつらくて。私のことを何も知らないはずなのに、いろいろ知っているかのような言動にも違和感を覚えたり……。ただ、意地悪で言われるのなら「何よ!」って言い返せるんですけど、本当に疑問に思って聞いてくれているのは明らかだったので、何も言えなかったですね。

親になって吹っ切れた

——悪意のないものとは戦いにくいですよね。

間下:そうなんです。そうしているうちに子役時代の自分の存在がプレッシャーになってきて。過去の自分を超えられないという悩みを20代の終わり頃まで抱えていました。そのときは、悩んでいた話をすることや、仕事で子役さんと絡むことを無意識に避けていましたね。

——吹っ切れたのは30代になってから?

間下:その頃は、まだ様子を見ながら黙っているという感じ。私はいま41歳なのですが、娘も中学生になり、親という立場になってようやく。私のストーリーが、子どもを芸能界に入れたいという親御さんの何か役にたつかもしれないと思うようになりました。もちろん、私のケースが正解とか、みんなに当てはまるわけではないのですけれど。

芸能界って、予想もしないことが起こるんですよ。それが子どもの身に起こったときに、どうケアしたらいいのか、考えるきっかけになればと、今回の番組出演や取材のオファーを受けることにしました。

——予想もしないことと言えば、本名で活動するのは間下さんの意思ではないですよね。

間下:そうですね。事務所に所属したのは、2歳のときだったので。ただ、親もあんなにブレークするとは思っていなかったようです。母としては、テレビや雑誌に出ればいい思い出になるし、小学生になるまで楽しめたらいいかなという軽い気持ちだったみたい。ところが、意外と仕事が増えてきて、4歳でキッコーマンのCM「がんばれ玄さん」がヒットして。その後の勢いは止められなかったと母は言っていましたね。

だけど、私だけが特別じゃない

——ヒットするのはうれしいことなんでしょうけど、話を聞くと複雑です……。でも、自分の意思でお仕事を中断しようと決められたのはよかったですよね。やめられない人も中にはいるのではないでしょうか。

間下:そうですね。私は生活費のために働かざるを得ないということでもなかったし、親も続けてほしいとは言いませんでした。あとから知ったんですけど、私のお給料は歩合制じゃなくて月給制だったらしいんです。今考えると「あんなに働いたのに、損してない?」って思うんですけど(笑)。でもそこでうちの家族は救われたのかもしれない。

——光とかげは表裏一体なのかなと思いました。いつもハッピーなんてありえないだろうし、光が強ければその分、暗いところも濃くなるというか。

間下:そうですね。でもそれって、私が特別なのではなく、わかりやすい例だということだと思うんです。子役でなくても、地元で悪ガキだった、神童と呼ばれていた……とか。みんな大なり小なり何らかの過去を抱えているのだと思います。

だけど、過去の自分の存在が励みになることもあるはず。私の場合は、みなさんが小学生のころに体験できなかったことが今の自分にいきているかもしれない。私が抱えている難病「抗リン脂質抗体症候群」のことを、大きく取り上げてもらえたのも子役時代の自分の活躍があるからだと思います。

番組出演を決めた理由

——どこからものを見るかって大事ですよね。『Wの喜悲劇』では、いま子役として頑張っている子たちと会ったそうですが、どんなことを感じましたか?

間下:まず、私の時代の子役さんより数段しっかりしていてすごいなと思いましたね。こう聞かれたらこう答えるというのがわかっていて、大人だなと。そんな子どもたちに私から将来こうなるよって言うのは違うかなと思って、私は親御さんに気持ちを向けていました。

やっぱり、きらびやかで素敵な世界に親子で行くぞ!って期待しすぎると、後の人生がツラくなるんじゃないかなと思うんです。仕事が順調だからといって人生が全て良くなるわけでもないので。そういう部分は、子役さんよりも親がリスクヘッジを考えるべきかなと。何よりも親は子どもの気持ちの受け皿になってほしいなと思います。失敗したときだけでなく、成功したときの苦しみもありますから。

——成功の苦しみ……。

間下:たとえば、ブレークして追いかけられる立場になるとか。それはそれで苦しいんですよ。でも、それって親もわからないし、舞い上がってしまいがちなので。「うちの子、人気芸能人なんですよ!」ではすまないこともあるよってことを、親御さんに伝えたかったのかも。

私の親はわからないながらも受け皿になってくれたと思うし、だからこそまあまあな形で今も生きているかなと思うんです。自分の仕事が理由で両親が離婚してしまったという子役さんの話も聞いたことがあるし、そうなるのは悲しいじゃないですか。こうして振り返ってみると、今回、番組出演を決めたのは、そんな結末にしないように、こんな話があるんだよっていうことを聞いてもらいたかったのだと思います。

【後編】過去との向き合い方を考える

■番組情報

studio

男子は見なくて結構!男子禁制・日本一過激なオンナのニュース番組がこの「Wの悲喜劇」。さまざまな体験をしたオンナたちを都内某所の「とある部屋」に呼び、MC・SHELLYとさまざまなゲストたちが毎回毎回「その時どうしたのか?オンナたちのリアルな行動とその本音」を徹底的に聴きだします。
#80「子役とママのシンデレラ物語」
無料で視聴する

(取材・文:安次富陽子)

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