「ソーシャル・ジェットラグ」とは? 岡島義さんインタビュー 最終回

睡眠の質を上げる暮らし方【ソーシャル・ジェットラグの解消法2】

睡眠の質を上げる暮らし方【ソーシャル・ジェットラグの解消法2】

睡眠不足で体調不良になるのはわかるけど、休日に十分睡眠をとったにもかかわらず、なぜか月曜日の朝から体がだるい……、そんな悩みを抱えている人は少なくありません。その原因のひとつとして、知っておきたいのが「ソーシャル・ジェットラグ」です。

ソーシャル・ジェットラグ とは、“平日と休日の就寝・起床リズムのずれ”を、学術的に呼んだもののこと。

最終回は、ソーシャル・ジェットラグを解消し、より睡眠の質を上げるための方法を伺いました。

睡眠の大敵は灯り?

——よりよい睡眠ライフを送るために、気をつけたほうがいいことはありますか?

岡島義さん(以下、岡島):睡眠の大敵は灯りです。蛍光灯のような白っぽい光には青色の波長が入っています。その下に長時間いると、寝つきが悪くなり睡眠の質を下げる大きな要因になります。

できれば、部屋の灯りはオレンジ色の白熱球に変えましょう。それだけでも寝つきがよくなるという研究結果が出ています。

——ソーシャル・ジェットラグや睡眠不足の原因は、忙しさだけでなく蛍光灯にもあるんですか?

岡島:朝は蛍光灯でもいいのですが、夜に青い灯りは避けるのがベスト。しっかり睡眠をとる欧米では、オレンジ色のやさしい白熱球が一般的で、しかも直接照明よりも間接照明が好まれています。

私も家にあるすべての電球をオレンジ色の白熱球に変えたところ、私自身の眠りにも変化があったのと同時に、子どもの寝つきが早くなったことに驚きました。子どもは大人以上に灯りの影響を受けやすいので、お子さんの寝つきが悪いと感じたら、照明を変えることをおすすめします。

——照明の灯りだけでなく、お日さまの光も睡眠に影響すると聞いたことがあります。

岡島:実は、朝の光については間違った認識を持っている方が多いように思います。朝日を浴びるというよりも、目から光を体内に取り入れることが大切です。人間の体はメラトニンが分泌されると眠くなるようにできています。目から入った光によってメラトニンの分泌が抑えられ、頭がすっきりと目覚めます。

夜の蛍光灯がよくないというのは、まさに蛍光灯の灯りが朝の光と同様にメラトニンの分泌を抑えてしまうからです。できれば、夏は15分〜30分、冬は30分〜1時間、朝の光を目に取り込むようにすることで、朝の目覚めがよくなると同時に、夜の寝つきもよくなります。

——結構、長いですね。

岡島:みなさんに毎朝、朝日をどれくらい見ますかと聞くと、カーテンを開けた瞬間の5秒くらいという方が多いです。ですから「あと29分55秒光を取り入れましょうね」と言うと、みなさん苦笑いされます。

——朝、そんな時間ないです!

岡島:朝ごはんを食べながらでいいんですよ。直接、身体に浴びる必要はなので、光が目に入る場所にテーブルを移動して、外を見ながら食事をするというのがおすすめです。直接太陽を見ると目を悪くしてしまうので、日の当たる場所に身を置き、なるべく明るいほうを見てください。

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思考にも営業時間を設けて

——夜の灯りはオレンジ色にして、朝は光を見ながら食事、日常の習慣を見直すことはとても大切だと思いますが、体調不良になると、ついストレスで片づけてしまいがちです。実際に睡眠とストレスに関連性はあるのでしょうか。

岡島:睡眠がとれていないからストレスを感じるのか、ストレスを感じたから眠れないのか、どちらが先かという違いはあるかもしれませんが、いずれにせよ相互関係はあると考えていいでしょう。

前者の睡眠不足が原因のストレスなら、まずは睡眠時間を確保して様子を見ましょう。寝不足が続くと、嫌なことに囚われやすくなり、元気なときにはなんでこんなことでクヨクヨ悩んでいたのだろうと思うことまで深刻に捉えてしまいがち。そのため、気分が落ち込んで眠りづらくなります。このタイプの場合、しっかりと睡眠をとることで、ストレスは解消される可能性は高いでしょう。

——どんなに頑張っても眠れない場合はどうすればいいのでしょう。

岡島:後者のストレスのせいで眠れなくなった場合、不眠になるケースは少なくないと思います。ストレスがあると体が危険信号を出します。極端な話、「今寝たら死ぬ」というくらいの極度のストレスがかかれば、眠れなくなるのは普通の反応です。そうしたら、ストレスと向き合うしかありません。

——どのようにストレスと向き合えばいいでしょうか?

岡島:まずは、あらゆる悩みを紙に書き出し、整理しながら解決方法を考える。大切なことは、解決方法を実行したら、その日はもう悩みについては考えないことです。毎日30分の時間を使って、そこで徹底的に解決策を考えることを繰り返します。そして、解決方法が見つかったら、実行して、もう悩みについては考えないようにします。ふと、考えてしまったときは「そうだ、すでに解決策を実行しているから大丈夫」と安心材料にしてください。

——例えば、上司の顔を見るとイライラするから、あまり顔を見ないようにするとか。

岡島:そうですね(笑)。顔を見ないという対策を考え実行しても、声が聞こえたら腹が立つなど解決に至らなかったら、また1日30分を使って考える。耳栓をするとか場所を移動するとか、いろいろな解決策を出して徹底的に実行して、次の日の30分で振り返る。

上司の顔を見なくてはいけないのは就業時間だけですが、思考は24時間営業なので、目の前に上司がいなくてもマイナスなことを考えてしまいます。ですから、思考にも営業時間を与え、ストレスと向き合うのは1日30分だけにする。

——30分という時間には意味があるのでしょうか。

岡島:徹底してやるには、最低30分は必要です。自分の中で出し尽くさないと、また考えてしまいますからね。考えないようにしようと思っても、人間の脳は勝手に思考してしまいます。時間をきっちり決めて、その時間はストレス、悩みと向き合うようにすることで、切り替えがうまくなり、結果的に寝つきがよくなります。

——なるほど、考えないようにしようではなく、ストレスと向き合う、考える時間を決めることが大事なのですね。実践してみようと思います。ありがとうございました!

(取材、文:塚本佳子、撮影:大澤妹、編集:安次富陽子)

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