「ソーシャル・ジェットラグ」とは? 岡島義さんインタビュー 第3回

まずは1日30分だけ睡眠時間を長くする【ソーシャル・ジェットラグの解消法1】

まずは1日30分だけ睡眠時間を長くする【ソーシャル・ジェットラグの解消法1】

睡眠不足で体調不良になるのはわかるけど、休日に十分睡眠をとったにもかかわらず、なぜか月曜日の朝から体がだるい……、そんな悩みを抱えている人は少なくありません。その原因のひとつとして、知っておきたいのが「ソーシャル・ジェットラグ」です。

ソーシャル・ジェットラグ とは、“平日と休日の就寝・起床リズムのずれ”を、学術的に呼んだもののこと。

第3回では、ソーシャル・ジェットラグを解消するための基本的な考え方をお聞きしました。

まずは30分、平日の睡眠時間を多くする

——ソーシャル・ジェットラグにならないための予防、なってしまったときのスムーズな解消方法を教えてください。

岡島義さん(以後、岡島):まずは、平日も休日も関係なく、規則正しい生活をすることです。就寝時間、起床時間が1時間以上ずれないようにする。休日だからといって遅くまで起きていたり、いつまでも寝ていたりという生活を見直しましょう。

——わかっていても、実際にはなかなか難しいのが現状です。

岡島:わかりますよ。みなさん、そうおっしゃいます(笑)。

——どうしても平日に睡眠時間がとれないので、休日に多く寝てしまいます。

岡島:第1回でお話したように、それで元気になれるのであれば、無理に休日の睡眠時間を平日に合わせる必要はありません。ソーシャル・ジェットラグ以上に睡眠不足のほうが危険ですからね。

寝不足なのにソーシャル・ジェットラグを減らして、睡眠時間を短いままにしてしまうと体調はどんどん悪くなります。たとえソーシャル・ジェットラグがない場合でも、慢性的に睡眠不足が続いている人は常に体調不良に見舞われます。

——平日の睡眠不足を休日で補っても体調が回復せず、常に体がだるい場合はどうしたらいいのでしょう?

岡島:そうなったら、平日の睡眠時間を確保するしかありません。まずは30分ずつでいいので、平日の睡眠時間を増やしてみてください。残業時間、テレビを見ている時間、ネットサーフィンをしている時間など、1日の行動を見直したら、30分くらいの時間は確保できるはずです。

睡眠時間は意識して、増やす

——前回の話でも出ましたが、仕事が忙しかったり、やりたいことがあったりすると、つい睡眠時間を削ってしまいます。

岡島:みなさん、日々やらなくてはいけないことや、やりたいことがたくさんある。そんなことをしているうちに、あっという間に時間が経って、気がつくと寝る時間が遅くなっている。つまり、無意識に睡眠時間を削ってしまうんですね。だからこそ、睡眠時間は意識して増やす必要があります。

——どうすればいいんですか?

岡島:活動時間の割り振りをメインに考えるのではなく、まずは睡眠時間を確保した上で、1日のタイムスケジュールを立てることです。

必要な睡眠時間は人によって違います。日中、ベストなパフォーマンスをするにはどれくらいの睡眠時間が必要なのか。その時間を確保した上で、他の時間をどう使うかという考え方ができるようになってくると、体のリズムは整いやすくなります。

——逆転の発想ですね。そんな考え方、したことないです。

岡島:そうでしょう? 私が授業や講演会で学生や参加者のみなさんに配るタイムスケジュール表は、「睡眠ダイアリー」といって、睡眠時間を中心にすえたものです。夜中の12時が1日の真ん中にあります。

diary

——なるほど。タムスケジュールを記入する場合、たいてい睡眠時間は2つに分かれてしまうけど、このダイアリーの方式だと固まりとして睡眠時間をイメージしやすくなりますね。

岡島:睡眠を中心にスケジュールを考えられるようになれれば、結果的に日中の活動が充実していくと思います。平日に必要な睡眠時間がとれていれば、体は週末に寝溜めしようとは思わなくなり、体内時計は整っていきます。

それと、もうひとつ意識していただきたいことがあります。平日の睡眠をしっかりとったうえで、それによって日中のパフォーマンスにどう変化があったか、そこまで観察してみてください。集中力があがったとか、午後になると眠気に襲われることが多かったけど、それがなくなったなど、充実度が実感できれば、積極的に睡眠をとるようになり、本来の力を発揮できるようになるはずです。

——ちなみに、先生もお忙しいと思いますが、睡眠時間を削ることはないのですか?

岡島:昔は削ったこともありましたが、パフォーマンスが落ちることを実感して以来、しっかりと睡眠時間を確保するようになりました。私の場合、ベストパフォーマンスが発揮できる睡眠時間は9時間です。6〜7時間になると、途端に日中眠気に襲われます。9時間寝ると、常に集中して仕事ができます。

——ご自身でも睡眠とパフォーマンスの関係を観察された結果ですね。

岡島:はい。私の場合、寝不足だとパフォーマンスが落ちるだけでなく、免疫力が低下するせいかアレルギー性結膜炎を起こすこともわかりました。なんか調子が悪いなと感じたときは、常に睡眠との関連を考えます。すると、こういう睡眠が続くと、心身にはこういう影響があるという関係性が見えてくる。結果、どうすればベストなパフォーマンスができるのかがわかってくるというわけです。

最終回は9月30日(月)公開予定です。
(取材、文:塚本佳子、撮影:大澤妹、編集:安次富陽子)

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