みなさんは三角関係に悩んだことはありませんか? 友だちと同じ人を好きになったり、片思いの人に想う人がいたり、または片思いの人がいるのに、別の人に告白されたり……。
インド映画『バルフィ! 人生に唄えば』は、耳も聞こえず話すこともできない主人公バルフィの人生をファンタジックに楽しく描いた物語ですが、彼の人生には2人の女性が存在します。つまり三角関係。さあ、彼はどちらの女性を選ぶのか……。バルフィの選択には、恋愛を幸福に導くための秘密が隠されているのです。
愛し合っていても、タイミングが合わないと恋愛は成就しない
バルフィが最初に恋をするのは、絶世の美女シュルティ。彼女の輝くばかりの美しさにバルフィは夢中になります。彼は話すことができないのでジェスチャーを交えて愛を伝え、シュルティもバルフィの情熱に惹きつけられるのです。しかし、シュルティの母親は娘には経済力のある男性と結ばれてほしいとバルフィとの恋を許しません。バルフィは「愛する気持ちがあれば、お互い目を見て語り合うことができる」と信じ、シュルティとは相思相愛になりますが、どうしてもすれ違ってしまうのです。
バルフィが積極的になるとシュルティの側に婚約者がいたり、シュルティが会いに来るとバルフィがトラブルに見舞われていたり……。この2人、気持ちは通じあっているのに、タイミングが合わないのです。こういうこと、現実にもありますよね。会いたいと思って連絡したら向こうは忙しく、誘われたときはこちらが都合悪くて。こういう事態が重なると、恋愛のテンションは下がり、どちらかが「この人じゃなかったのかも」と思ったら、2人の関係は終わりになってしまうのです。
自分を愛してくれる人との恋愛は居心地がいい
すれ違いが続いた末、シュルティは婚約者と望まない結婚をしてしまいます。そんなとき、バルフィはジルミルという自閉症の女性と出会います。ジルミルの面倒を見るはめになったバルフィ。面倒見のいい彼にジルミルは惹かれていき、「バルフィ、バルフィ」といつも側にいます。そしてそんな彼女をバルフィも放っておけなくなるのです。
おそらくバルフィの理想の女性はシュルティなのです。でも、現実的に一緒にいて愛情を注げるのはジルミルの方だったのでしょう。追いかけないと手が届かず、手が届いたかと思ったらすり抜けてしまうシュルティよりも、いつも側にいるジルミルに安心感を覚えたのかもしれません。
1番好きな人より2番目に好きな人の方がうまくいく?
よく1番好きな人よりも2番目に好きな人と結ばれた方がうまくいくといいますよね。理想の人との恋愛がアナタを幸福にしてくれるとは限らないのです。なぜなら理想はあくまであなた自身の脳内で作り上げたものだから。実際付き合ってみると想定外のことに「あれ?」ということがあるでしょう。バルフィの場合、シュルティにそういう幻滅はありませんが、彼女の家族の反対は想定外だったでしょう。
この映画の主人公は男性ですが、これは女性にもあてはまります。もちろん「追いかける恋が好き」「恋愛は安定より刺激」という人は、どんどん追いかけてください。でもアラサーになると、恋愛で突っ走るのは疲れる……ということもあるでしょう。「落ち着きたい」そう思ったとき、あなたの周りを見渡して。昔からの男友達、仲のいい同僚など、「よく飲みに誘ってくれる」「休みの日も遊びに誘われた」「悩みを聞いてくれる」そんな安心男子の中に、バルフィにとってのジルミルのように、あなたを癒し、一生愛してくれる人がいるかもしれませんよ。
バルフィ!人生に唄えば
TOHOシネマズシャンテ、新宿シネマカリテほかで公開中
配給:ファントム・フィルム