大学などの教育機関が集まる文化的なエリアお茶の水。かつて、この地にある寺から湧き出た泉の水を将軍のお茶用に献上したことから、「お茶の水」という名になったといわれています。このお茶にゆかりのあるお茶の水に、日本茶を“食べる”レストランが8月1日にオープンするということで、ひと足先にお邪魔してきました。
お茶版バリスタ「茶バリエ」がお茶を入れてくれる
このレストランは、ホテルやレストランを運営する創業116年目の龍名館が、創業地のホテルをリニューアルしたのにあわせて開業した「グリーンティー レストラン 1899 お茶の水」。朝食のお茶漬けから、夜のディナーまで日本茶を使った料理とスイーツを提供します。
最近は、お茶といってもペットボトルで飲むことが増え、家で急須を使ってお茶を入れる機会が少なくなっていますが、こちらのカフェタイムには、お茶を入れる専属スタッフ「茶バリエ」がお茶を入れてくれます。茶釜を置いたカウンターキッチンで、お湯の温度管理をしながら、各茶葉に合わせて抽出時間を変えるという、まさに、“お茶版バリスタ”のようですね。このレストランのために、茶バリエが実際にお茶の産地を視察した玉露や煎茶、深蒸し茶などの日本茶10種類が厳選されています。
茶葉はもちろん、棚に並んだ約50種類の湯飲み茶碗から好みの物を選ぶことができます。茶バリエに、“茶葉に合った湯呑み”をおすすめしてもらうことも可能。茶碗が季節ごとに入れ替えられるのも、日本らしい風情を感じられて素敵ですよね。
抹茶、ほうじ茶、煎茶を使った料理やスイーツ
7月29日にひと足先に料理を試食してきました。いただいたメニューはお茶漬け、抹茶を使った緑のポテトサラダや煎茶のドレッシングを使ったサラダ、抹茶の味噌をソースにしたステーキ、そしてほうじ茶アイスクリームです。
ポテトサラダやドレッシング、味噌にはお茶の味がそれほど強く感じられませんでしたが、緑の色あいが見た目にも爽やかで、身体にもよさそうな感じ。お茶漬けは、かつおだしとほうじ茶のブレンドが旨味を引き出していて、満足感のある食べ応え。何より印象的だったのはデザートのほうじ茶アイスクリームです。抹茶アイスクリームはもはや定番ですが、このほうじ茶アイスクリームは、口に入れると香ばしい香りがふわっと鼻に抜け、さらっとした味わい。舌をさっぱりとさせてくれる、まさに食後にぴったりのスイーツです。暑い夏のおやつとしても、こってりした甘さが苦手な人にもおすすめ!
カフェタイムには、ほかにも抹茶プリンや抹茶金時、挽き茶アイスをのせる米粉のパンケーキなど、和洋折衷の“お茶スイーツ”もあり、スイーツ好きには見逃せません。
ちなみに、このレストランは新しく開業するホテル「ホテル龍名館お茶の水本店」に併設されています。このホテルはたった9室だけ、しかも全てがスイートルームという贅沢な宿。伝統や和を現代風にアレンジしたデザインが、優雅な雰囲気を演出していて、こちらも魅力的な空間です。
●GREEN TEA RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU
(グリーンティー レストラン 1899 お茶の水)
(リプトン和子)