タイ南部で、国鉄の寝台車両で7月5日の夜から行方不明になっていた乗客の13歳の少女が、寝台車担当の臨時職員の男に強姦、殺害されるという凄惨な事件が起こった。7日に逮捕された22歳の男は取り調べに対し、寝台車両内で少女を強姦し、車外に投げ捨てたと供述。犯行前に覚醒剤を摂取し、同僚とビールを飲んでいたという。
有名人やインターネットで「強姦犯人を死刑に処すべき」との意見が高まる
この事件を機に、タイでは、強姦犯人を死刑に処すべきだとする意見が、インターネットで高まり、一部では街頭デモも行われた。さらに、芸能人や著名人らがタイ軍事政権トップのプラユット陸軍司令官宛ての嘆願書を、バンコク都内の陸軍本部に届けるなどの動きもあった。
また、このような事件の再発を防止するため、タイ国鉄(SRT)は、8月1日から北部・南部・東北部の路線で、女性専用車両を導入することを決定した。1編成につき1両で、女性及び10歳未満の子供のみが利用可能で、乗務員も女性となる。
日本での性的暴行事件は警察へ届ける被害者が非常に少ない
Facebookでは、この事件の直後にレイプから身を守る護身術の動画がアップされ、2万7,000回以上シェアされ、3万以上の「いいね!」が付いている。この動画を見たとしても、とっさのときに対処できるとは限らないが、反響の大きさは事件への関心の高さを物語っている。
日本で強姦罪は刑法で3年以上20年以下の有期懲役。日本における性的暴行事件の発生率は低いとされているが、それは警察へ届ける被害者が非常に少ないのが実態だ。タイの事件は極端な例としても、私たちも性暴力をもっと身近な問題として考える必要があるのではないだろうか。
(編集部)