作家・ミュージシャンの辻仁成さんが7月8日、自身の公式サイト内の日記「愛情路線」で中山美穂さんと離婚したことを発表しました。これによると、「今後は息子とふたりで生きていくことになります」とあり、辻さんが親権を持つことになったようです。
父親が親権を取るケースは2割以下
子供のいる夫婦が離婚した場合、父親が親権を取るケースは、少し古い統計ですが平成10年では16.5%、また調停離婚の場合、平成17年の統計で約12%と圧倒的に少ないのが現実です。では、辻さんの場合、なぜ取れたのでしょうか。
離婚問題に詳しい望月法律事務所の望月晶子弁護士によると、辻さんが有名人であるとか自営業かどうかは、ほぼ全く関係ないそうです。
「協議離婚なら当事者同士が合意すればよいので、合意なのではなのではないでしょうか。裁判だと、①母優先、②現在の環境を変えない、という考えがありますが、15歳以上だと子の意見を聞くことに法律でなっています。また、実際の現場では15歳未満でも、子が相応の年齢(判断して意思表示できる程度)であれば聞くことがあります」
今回のケースは、辻さんのブログに「ぼくと生きたいと望んでくれた息子の気持ちにこたえられるよう、父親としても頑張りたいと思います」とあることから、子の意見を聞いた上で、夫婦で合意したと考えられます。
養育費は親権を持たないほうに負担義務がある
それでは、父親が親権を取った場合、養育費はどうなるのでしょうか。
「親権を持たない方は、養育費の負担義務を負います。双方の収入で決まります」(望月弁護士)
つまり、親権を持たない中山さんのほうが養育費の負担義務を負うということになります。現在、中山さんには特に仕事の予定がないといわれていますが、一方の辻さんはミュージシャン、作家のほか、映画監督としても活躍しており、養育費をもらわなくても収入には困らないのかもしれません。
なお、母子家庭のシングルマザーは約8割が養育費をもらっていないというデータもあります。
ひとり親家庭が得られる公的支援は自治体によって異なる
一般的に、離婚して子供を引き取った場合に受けられる公的な支援には様々なものがあります。たとえば、東京都の場合、児童扶養手当、児童育成手当、ひとり親家庭等医療費助成制度のほか、貸付金制度もあります。以前は父子家庭に支給されていなかった児童扶養手当は法改正により、平成22年8月から支給されています。
実際には、自治体によって内容は大幅に異なりますので、詳しくは住んでいる自治体に問い合わせてみることが必要です。
(編集部)