こんにちは! (社)日本フードアナリスト協会 2013年度 食のなでしこの井上ココです。
恋愛、仕事、日常の中に様々なチャンスは隠れていますが、それをしっかりキャッチ出来る人もいれば、チャンスということすら気がつかない人もいます。
あの日、あの時、あの瞬間、一歩を踏み出していなければ、その後の人生が大きく変わってくることも、もしかしたらあるのかもしれません。。。
今回は、私が初めての海外挑戦で、英語力もゼロ、知り合いもゼロの中、どのようにしてパリコレクションを始め、世界各国で数々のコレクションに出演するチャンスを掴むことが出来たのか、その体験談をお話させて頂きたいと思っています。
私の転機は22歳の冬、突然やってきました。
19歳でモデルの道に進み、ランウェイを歩くコレクションモデルを目標にがむしゃらに頑張り、気がつけばなんとか東京コレクションに出演出来るまでになっていました。
けれど、その道は険しくモデル業とアルバイトの掛け持ちの日々。。。
また当時の私はモデルとしては致命的と言われる程、カメラに撮られることが大の苦手。。。
その為、所属事務所に紹介して頂いたスパルタカメラマンに「毎日、三脚を使い自分で自分を撮り、顔や表情だけで何を伝えたいのか分かる写真を送り続ける」という課題を出されていました。
そのスパルタカメラマンに何度も怒られながら、どこがゴールなのかも分からず闇雲に毎日20枚の写真を1年間送り続け、精神的にも肉体的にも落ち込み、このままモデルを続けるべきか、企業に就職するべきか悩んでいた時でした。
そんな時、ふいにチャンスが訪れました。
ヘアーショーの仕事を頂いた時、たまたま来日していたロンドンのヘアースタイリストの目に留まり、
『ワールドキャンペーンという世界中に貼られる広告のオーディションがロンドンである。
交通費も出さないし、君に決めた訳ではないが、オーディションを受けることは出来る。』
と言ってくれていると、そのヘアースタイリストの通訳の人に聞きました。
学生時代、英語が大の苦手で、海外旅行にも行ったことも無い私にとって、海外のオーディションへ1人で行くなんて考えられないことでした。ロンドンへ行くお金もないし、現地に知り合いもいなかった私は到底無理だと思い、いったんは諦めようとしましたが、所属していたモデル事務所の社長に
『行ってみれば良いじゃない!行動しなければ確率はゼロで終わってしまうけど、行ってみれば
1%でも可能性が広がるよ!』
と前向きな助言をしてくださいました。
それからオーディションまでの1ヶ月間、皿洗いなどのアルバイトを3つ掛け持ちでお金を貯め、ロンドンへ行くことを決めました。
海外が初めてなので英語表記の空港案内も全く分からない上に、不安と緊張のあまり出発の前の晩から39°の熱が出ていたので身体もフラフラ。
もしかしたらロンドンへ行くな!という暗示なのかとナーバスになりながらも、なんとかロンドンへ到着。
1月のロンドンはもの凄く寒く、ホテルも安宿だったからなのか、窓ガラスが割れていて、そこから雪が部屋の中に入ってくる始末。。。ブランケットも薄く、シャワーもお湯が出ない。。。そんな簡単な苦情を受付の人に言える英語力も無く、到着早々途方に暮れ、トランクケースに入れた洋服を全部着てガクガク震えながら寝たのを今でも覚えています。
次の日、売店で地図を買い、なんとかオーディション会場へ到着。
会場にはロシア、ブラジル、アメリカ、イギリス、中国と世界各国のモデルがずらり。
外国人と比べ、そこまで手足が長い訳でも、長身でもなかった私は出発前に
『海外へ行っても難しいのではないか?』
と一部の人から言われたことを急に思い出し、今ここにいることがもの凄く怖くなり、その場から逃げ出したくなりました。
そんな時、私を奮い立たせてくれたのは、日本の社長が言ってくれた1%の確率の助言と、私が今まで辛くとも努力し続けた日々の記憶でした。
『西洋人にはない東洋人の魅力を見てもらおう!』
と前向きに思い返し顔を上げて一歩前に踏み出しました。
すると幸運は私の味方となり、その広告の仕事が決まったのです。
この経験で自信を得た私はせっかく広告の仕事も決まったのだから、ロンドンのモデル事務所も決めようと『私は日本から来たモデルです。面接してください。』という一文をノートに書き、アポ無し飛び込みで地図を片手に“モデル事務所探し”を決行。
ロンドン、パリ、NY、ミラノと同じ方法で、各国の事務所へ所属することが出来ました。
そして幸運にもパリの大御所フォトグラファーやデザイナーに気に入られ、自分の夢であり、目標であった世界のトップモデルと一緒にコレクションの舞台に立ち、ランウェイを歩くことが出来ました。
2週間のつもりで日本を経ったその日から、なんと5年日本を離れての海外生活。そこで私が学んだこと。
それは
『トップモデルと言われるチャンスを掴んできた人は、
誰よりもそれに見合うだけの努力とチャンスを掴む準備をしてきた人だということ。』
そして
『誰に何を言われても1%の可能性でも自分を信じて前に進める行動が出来る人』
ということです。
いくらチャンスがきたとしても、それに見合う準備が整っていなければチャンスは目の前から逃げてしまうし、自分を信じられるだけの努力をしていなければ、そのチャンスを掴むだけの一歩を踏み出すことが出来ないのではないかと思っています。
現在私はこの時の体験をバネに『食』という新しいジャンルで、料理研究家として『食べてキレイになる料理やお菓子cocorobiというブランド』を提案し、「食のなでしこ」として食の情報を発信させて頂いています。
長文でございましたが最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
これからも1%の確率と、自分を信じて一歩一歩邁進していきたいと思っています。
文:井上ココ
東京、NY、ロンドン、ミラノ、パリコレクションなど様々なコレクションに出演。世界的フォトグラファー、サラムーンとの仕事を機に海外でファッ ションモデルとして活躍。帰国後中島デコ氏の元で、無農薬野菜農法、自給自足生活を学ぶ。独自で開発した「食べるエステcocorobiマフィン」を TOPSHOPラフォーレ原宿とコラボ。現在モトヤエクスプレス代官山、表参道、渋谷店、骨董通り美人、楽天などで販売している。