焼・茹・炒・揚・煮・和・蒸…今さら聞けない基礎の調理方法

焼・茹・炒・揚・煮・和・蒸…今さら聞けない基礎の調理方法

みなさんこんにちは。(社)日本フードアナリスト協会2013年度「食のなでしこグランプリ」の小林奈々絵です。新米フードアナリストとして、日々「食」の勉強に励んでいます。

 

あっという間に寒くなってきましたね。人肌恋しいこの季節。クリスマスにお正月、バレンタイン…と、これから恋のイベントは盛り沢山! 彼と一緒に素敵な思い出を作りたいと願うのが乙女心ですよね。

 

これらに共通する効果的なアプローチ方法はズバリ「手料理」。「男心をつかむなら、胃袋をつかめ」と言われるのは今も昔も変わりません。どんな高価 なプレゼントより、あなたの手料理が一番の贈り物になるかも? でも、何から手をつけていいか分からないという人に向けて、今回は「今さら聞けない基礎の 調理方法」を皆さんにわかりやすく伝授します!

焼・茹・炒・揚・煮・和・蒸…今さら聞けない基礎の調理方法

■調理方法は大きく7つに分類されます。
【1】焼【2】茹でる【3】炒める【4】揚げる【5】煮る【6】和える【7】蒸す
簡単にひとつずつ説明していきましょう。

 

■焼く
最もシンプルな調理方法。使う調理器具は主に次の3つ。

 

A:焼き網・グリル
B:フライパン
C:オーブン
素材を生かした焼き方と焼き加減がおいしさの秘密です。

 

■茹でる
そのまま食べるため、または下ごしらえとして用いる調理方法。素材のよさを最大限に生かせる茹で方を知っておくことがポイントです。

 

【熱湯から茹でる】
葉菜類や豆類、果菜類など土から上にできる野菜を茹でる時は熱湯からです。火の通りが早いので強火+短時間で仕上げること。冷水で手早く冷ますと色も鮮やかに。

 

【水から茹でる】
イモ類や根菜類など土から下にできる野菜を茹でる時は水からです。火の通りが悪いのが特徴。水から茹でることで均一に火を通すことが出来ます。旨味を逃がさないためにもザルなどにあげて自然に冷ますと良いでしょう。

 

■炒める
強火でサッと加熱する調理方法。高温で短時間で加熱するので栄養価の損失も少ないのが特徴。

 

【下ごしらえが大切】
A:違う食材を同時に炒める場合は、火の通りが均一になるように切り方を揃える。
B:油はねや仕上がりが水っぽい原因になるので野菜の水気をしっかりきる。
C:炒める時間が短縮できるので材料によっては下茹でや油通しをしておく。

 

【味付けの準備】
1:野菜以外の材料には下味をつける。臭みが抜けて風味が良くなります。
2:味にムラができないよう、調味料は合わせておきましょう。

 

■揚げる
高温の油で加熱する調理方法。旨味や風味を閉じ込めたり、香味を加える効果も。

 

【衣揚げのポイント】
A:卵水(卵黄1個と冷水2~3カップ)と粉の割合は1:1がベスト。
B:粉の中に水ではなく水の中に粉を入れると生地が均一に仕上がります。
C:粘りが出ないように何本か束ねた菜箸で大きく混ぜること。

 

【油の温度の見分け方】
水で濡らした菜箸をいれて反応を見ることで油の温度がある程度は判断できます。
160℃以下:泡がゆらゆら上がってきます。
160~180℃:小さな泡が上がってきます。
180℃以上:大きな泡が上がってきます。

 

■煮る
食材を100℃程度の調味液で過熱する調理方法。日本料理でもっともポピュラーな方法。煮始めは強火が基本です。

 

【煮汁の量の言い方】
ひたひた:鍋に入れた材料が隠れないくらいの水量。最後に煮汁を煮詰める料理の場合に最適。味もよく染みます。
かぶる:ひたひたより少し多めの水量。材料の頭が水面に出ない程度。途中で混ぜたり、上下に返したりできないものを煮るのに適しています。

 

【味付けの順番と性質】
さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(醤油)・そ(味噌)の順番は、基本中の基本ですからしっかりマスターしましょう。
特に、砂糖を入れる順番を間違えやすいので気をつけて。砂糖には食材を柔らかくする性質があるので最初に入れると良いでしょう。逆に塩は、食材の水分を出して引き締める働きがあります。先に入れるとほかの調味料が染み込みにくくなるので注意しましょう。

 

■和える
下ごしらえした食材に調味料をからめる調理方法。素材の味がもっとも引き立つので出来るだけ新鮮な食材を使用しましょう。熱で味が変わらないよう、食材は完全に冷ましてから調味料を加えましょう。

 

【代表的な和え方の種類】
ゴマ和え:炒って風味を出したゴマをすって調味料に加え食材を和えます。
白和え:豆腐と白ゴマに調味料を加えたもので和えます。
おろし和え:大根おろしに調味料を加えたもので和えます。別名みぞれ和えとも。

 

【代表的な合わせ酢の種類】
二杯酢:酢+醤油:砂糖を使わないので酒の肴に向いています。
三杯酢:酢+醤油+砂糖:基本の合わせ酢。酢の物以外に魚の酢締めにも。
甘酢:酢+砂糖+塩:甘みが強いので、野菜の酢の物に合います。
土佐酢:三杯酢+かつお出汁:旨味をプラスした合わせ酢です。

 

■蒸す
蒸気で食品を加熱する調理方法。原理が理解できれば簡単&便利なのでマスターしたいところです。

 

【蒸し器の原理】
下部に蒸し水を入れ、その上の中敷に食材を乗せ蓋をします。蒸し水が沸騰した蒸気が対流することで、食材を蒸します。蒸し水がなくならない限り焦げる心配もありません。
また、蒸している途中で調味することはほとんどありません。(蒸す前か蒸した後に調味します)蓋にあいた穴から蒸気の発生状態がわかるようになっています。

 

このように調理方法だけでも大きく7つに分類されます。いかがでしたか? まだ実践したことがない調理方法はありましたか?

 

今回は「今さら聞けない基礎の調理方法」をわかりやすくお伝えしました。何事も基本は大切。是非ともこの冬、色んな料理にチャレンジしてみてください。

 

料理は愛情。あなたのお料理レパートリーが笑顔の数だけ増えますように。

 

文:小林奈々絵

 

小林奈々絵

1983年生まれ、石川県金沢市出身。
OLからラジオパーソナリティーに転身した異色の経歴を持つアラサー女子。
実家がステーキ屋の為、幼い頃から食に精通しており調理師免許とフードアナリストの資格を持っている。
(社)日本フードアナリスト(R)協会主催の『食のなでしこコンテスト2013年度』においてグランプリを受賞。ラジオ、テレビ、イベントなど様々なメディアで活躍中。

 

小林奈々絵オフィシャルブログ 『ななころび八起き日記』
『なでしこradio』 FM Salus(84.1MHz)毎週金曜日16時から公開生放送

日本フードアナリスト協会

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