アメリカの新しいリアリティー番組『Born in the Wild』(野生に生まれて)が公式に発表され批判の声が上がっている。この新番組の内容はというと、若いカップルが大自然の中で医者の助けを借りず、さらには雨をしのぐような建物もない、まっさらな大地の上で出産をするというもの。
YouTubeで2000万回再生の映像がヒント
この番組は、今年の2月にYouTube上に掲載され、2000万回を超える再生数を記録している、大自然のなかの分娩映像がヒントになっているという。
この映像では、出産の始まりから最後まで全てを記録しているもので、出産した女性は「母の私にとっても、さらに子供にとっても大きな影響を与えてくれた」と感動のコメントを残している。
この番組の宣伝文句はこうだ。
「女性の驚異的な体験が真の野生状態で起きる時、そして、若いカップルがサポートなしで野外の出産を決断する時、一体何が起きるのだろうか?」
この新番組を受けて批評家たちは「このアイデアを安易にとらえて真似をする人が増えるのでは?」という意見を寄せている。
制作者側は「私たちは、母子ともに安全な状態であることに細心の注意を払い、撮影に挑んでいます。両親が二人だけで出産に立ち会う状態よりも、私たちが一緒にいることでずっと安全な状態なのです」と語る。
また、無菌状態での病院出産が主流 である今、自宅出産がトレンドになりつつあるアメリカで新しい出産の形や、出産とはなにか、という視点を与える試みがあるようだ。
一般の意見は否定的
この番組の内容について、一般の意見はこうだ。
「自然においての神秘的で非現実的なイメージを安易に受け止めた愚かな行動だ。自然はいつでも人間を超えるものなのに… …」
「私はこの番組を『リアリティー番組』だとは呼ばない。リアルでは病院に行くなり、専門のアシスタントを必要とするはずだけどな。なにか変」
「なんと言ったらいいやら。絶句」
と、否定的な意見がほとんど。いくらリアリティー番組が人気とは言え、視聴率競争の中で感覚が麻痺し、やりすぎた感が否めない。
妊娠というものが自然の神秘のひとつであることを思い出させてくれる番組であることは間違いないだろう。ただし、真似はお勧めしません。