みなさんのまわりに「サバサバ女子」と呼ばれる女性はいませんか?
一般的に「サバサバ女子」といえば、
・裏表がない
・物事をハッキリ言う
・男女に同じように接する
……などのイメージがあると思いますが、実際には「サバサバ」の定義はかなり曖昧です。「サバサバ女子」って、いったい何? そして、「サバサバ女子」と呼ばれる女性たちは本当にサバサバしているの?
そこでウートピ編集部では、周囲が「サバサバ女子」と認める女性4人を集めて座談会を開いてみました。
全4回で掲載している「サバサバ女子座談会」もいよいよ最終回。生い立ち、ファッション、趣味、ライフスタイル、恋愛……いろんな面から「サバサバ」の実態を聞いてきましたが、結局のところ「サバサバ女子」とは何なのでしょうか?
座談会に参加してくれたのは、こちらの4人。
大崎さん(仮名):マスコミ勤務/(32歳)/ディレクター
品川さん(仮名):広告代理店勤務/(29歳)/広報担当
上野さん(仮名):通信系企業勤務/(31歳)/マネージャー
田端さん(仮名):IT企業勤務/(29歳)/広告担当
第1回:サバサバ女子の正体…そのディープすぎる世界に飛び込んでみた
第2回:ひとりTRFにひとり旅…サバサバ女子のプライベートに迫ってみた
第3回:恋人の前では最高のエンターテイナー♡「サバサバ女子」の意外すぎる恋愛事情
コミュ力高い系と低い系がいる
——さて、ここまで3回にわたり、サバサバ女子のリアルを探ってきました。最終回は、「結局、サバサバって何なの?」という総括編です。
みなさん、今回の座談会に参加してみてどうでしたか?
上野:サバサバって、結局のところ何なんでしょうね。てか、みなさんの話を聞いて、「あたし、ホントにサバサバなんだろうか?」とちょっと迷いも生じてきたりして。あたしって、サバサバっていうより、単に「おやじ臭い」のかも。まわりからそう言われちゃうこともあるし。
田端:なんとなくだけど、あたしと上野さんは、同じように「サバサバ女子」で括られても、実際にはかなりタイプが違うと思う。あたしは、「おやじ系サバサバ」ではないんですよね。上野さん、バリバリ日本酒好きで、食事もTHE酒の肴って感じで「おやじ臭い」けど、あたしの場合、そもそもあんまり飲みに行かないし。どちらかというと、#狼系サバサバ(自称)かな。
品川:あー、「おやじ系サバサバ」と「狼系サバサバ」ね。つまり、コミュ力高い系・低い系で分かれるやつね。
——(……サバサバってコミュ力高い系・低い系で分かれるんか)
上野:なるほどねー。あたしは「みんなと一緒にいたい系サバサバ」ですね。飲み行くかー?って誘われると、「うっす!(男前)」って答えちゃう。例えて言うなら、THE三枚目の応援団長(男前)キャラ。よく後輩から「ねえさん!(男前)」って呼ばれます。
大崎:それ漢字で書けば、「姉さん」じゃなくて、「姐さん」のほうでしょ。
上野:そう。チンピラ的な姐さん。
品川:サバサバ女子って意外と幅広いな。
サバサバとは、生きてきた歴史のアウトプット
品川:今日ネットで仕入れた情報によると、「エセ・サバサバ女子」は中身は女子女子してるらしくて。例えば、「友達は男ばっかなんだよねー」っていう子。他人をディスって、「私、毒舌だからー」と言えば許されると思ってる感じの子。
上野:うわ。あたしの場合、「あたし、おっさんだからー」って言っちゃってるわー……。
田端:あたしなりに「サバサバ」をまとめると、同じ「サバサバ女子」でもそれぞれにサバサバの中身が違うんだと思いました。「男らしく生きる」とかそういうことではなく、「自分の芯を持つこと」、それこそサバサバの本質なんだって。
ヘンに他人に合わせない。自分は自分で正直に生きていく。それが結果として「サバサバ」しているように見えるだけ。普段から思ったことしか話さないようにしてるし。要は、「口だけナイチンゲールにならない」ってこと。
——……なんですか、それ。聞いたことないですよ。ちょっとよくわからないけど、なんか名言的な感じするので詳しくお願いします。
田端:例えば、会社で誰か休んだら、超気にしてる風で「おカラダ大丈夫ですかぁー?」ってやたらメッセする女性がいたけど、それって「心からの優しさじゃない」って思った。その時に、「口だけナイチンゲール」って言葉をあみだしたんです。芯をブレさせず、本物の優しさだけを提供しながら素直に生きることがあたしにとってのサバサバかなー。
——なるほど。真心のない口先だけアピールをしない、と。
では、超絶ロジカル系サバサバ、大崎さんにとっての「サバサバ」とは?
大崎:今日みなさんにお会いして、サバサバ女子は自分をコントロールするのがうまい気がした。いろんな物事を逃げずに正面から理解できて、パートナーに対しても自分の意見を正直に言える人が多いみたい。心地よい世界を、自分の責任で築き上げられている気がする。
上野:あと、共通点と言えば、みんな気を遣って生きてんだなってことかな。他人とある程度距離をとって、物事を客観的に見れてしまうがゆえに。それぞれ生きてきた歴史があって、そのアウトプットが「サバサバ」なのかもしれないですね。
「サバサバ」っていうと、世間一般には「中身は女子女子してるけど、プレイ的に男っぽく振る舞ってるだけ」の、いわゆるプレイ系サバサバのイメージがあったけど、そうじゃなかった。本物のサバサバはプレイじゃない!
——究極的には、自分らしく心地よく生きる方法が「サバサバ」なんですね。
「女性だから」と括られる社会がイヤ
品川:「サバサバは処世術」って話したじゃないですか。ホントそうだなって思って。空気を読んだうえで、調整してるとこもあるから。でも、サバサバ女子とはいうけど、サバサバ男子っていわないよね。男子に「サバサバ」っていう形容詞はつかない。
サバサバって、「女の子なのにサバサバしてる」というふうに、絶対に女性に対して使う言葉なんだよね。世の中に「女性はこうあるべき」って期待している枠があって、そこからはみ出る部分が「サバサバ」って呼ばれるんだと思う。「こうあるべき」っていうのが、イヤ! 結局、まだまだ男社会だから、サバサバにならざるをえなくてそうしてる人もいる。
上野:そうそう。同じように男性が「草食系」って言われるのも、なんか違うよなと思う。男性側も気にしてるんじゃないかな。女子にとってのサバサバが、男性にとって草食系なのかも。男性性、女性性の区別が、最近ゆるやかにグラデーションになってユニセックス感が出てきたけど、まだまだ、ね。
大崎:私も「女だから」とか、そういう風に思われたくない。「機嫌に上下の波がある=女だから」っていう解釈よくあるじゃないですか。自分はそう思われたくない。だから、いつでもオープンにフラットでいたい。機嫌に波があったり、人によって態度を変えたりすることで「女だから」と思われないように気をつけてるんです。
同じ理由で、カラダ的、メンタル的にしんどい時も、波を見せたくない。だから体調管理はめちゃくちゃ気を使っていますね。バイオリズムはどうしてもあるけど、しんどい時は「無理しない」「波を見せない」が鉄則。
上野:PMS(月経前症候群)とか、波がある女性は仕方ない。あたしは波があってもいいかなと思うけど、「女性だから」って気を使われるのはイヤだな。常にフラットでいたい。
大崎:今はまだ時代がついてきてないのかも。PMSとか、あっけらかんと言いたい、言えたらどんなにラクだろう、って思うけど、実際ムリだし。「生理痛でイライラしてます」とか、性を意識させちゃうから言えない。そのジレンマがありますね。
品川:社会が進んだら、女の人でも男の人でみんながフラットになれる。女らしい人であろうと、サバサバしていようと、みんなが「個人」として捉えられるのに。
——いきなり超まじめな話になりましたね! 最後にみなさんの「本当の願い」が聞けたような気がします。サバサバ女子のみなさん、ありがとうございました。
フラットで心地のいい世界にしていきたい
全4回にわたり全力で「サバサバ女子」の本質に迫った座談会、いかがでしたか?
「サバサバ」とは、彼女たちの歴史が生み出したアウトプットであり、まだまだ社会に残る「女性はこうあるべき」という価値観の反映でもある。企画をスタートさせた時には予想だにしなかった、そんな壮大な話が聞けました。
世の中が男女の壁を超えて、みんながフラットに心地よく生きていける社会になればいいのに。サバサバ女子の願いには、非サバサバの編集スタッフも共感することしきりでした。ウートピも、その願いが叶うように何かお手伝いをしたい!と改めて気づかされることも。
参加してくださったサバサバ女子のみなさん、本当にありがとうございました。