女性のみなさん、自分の女性器って見たことありますか?
表に出ている男性器に比べ、隠れてしまっているのが女性器。そういう理由もあって、自分の性器を生まれてから一度も見たことがない女性は意外と多いはず。そんな「自分のアソコを一度も見たことがない女性」を一般公募し、初めて見た瞬間をキャプチャーしたドキュメンタリービデオが話題になっている。そして、そこで彼女たちが見せたリアクションから浮かび上がって来るのは、様々な女性問題だった。
自分の性器が“気持ち悪いもの”と信じ込んでいた
集まった女性は20~40代くらいまでの5人の女性で、もちろん今まで一度も自分の性器を見た経験はない。会場には「ヴァギナ・ブース」が特設され、そこで1人ずつ自分の性器を見て行く。
インタビューされる彼女たちの「今まで自分の性器を見なかった理由」は、どれも個性的でとても興味深い。ある女性は「どうして今まで見たことがないのですか?」とインタビューされると、「お腹に隠れて見えないのよ。お腹の下に目は付いてないしね!」と笑いながら答えた。また、他の女性たちは「シスターになりたかったから」や「今まで一度も勇気がなくて……」と答えた。最も印象的だったのは「初めての彼に気持ち悪いと言われたから」と、答えた女性。一度だけ自分のアソコを見られた男性によって、ずっと自分の性器が“気持ち悪いもの”“見るに値しないもの”と信じ込んでいた。このように、一人一人の女性には様々な背景と、それぞれのヴァギナ・ストーリーがある。
予想外にハッピーなリアクション
そして、ついに自分のアソコを見る時がやって来る。彼女たちは一人一人特設ブースに案内され、手鏡を渡される。対面前のどの女性も少しナーバスに見え、中には深呼吸をし出す女性も。しかし、実際に自分の女性器を見た彼女たちのリアクションは、予想外にハッピーなものだった。
どの女性も笑顔で自らの女性器を初めて見た感想を語り、「自分のことを誇りに思うわ!!」などのボジティブな意見が多数。「思っていたよりもイノセントだった」と話す女性や、「今まで気持ち悪いと思っていた自分が馬鹿みたい」と答えた女性もいた。
自らをさらに愛するきっかけに
これからの女性たちを通して見えて来るのは、女性器がいかに「不潔で不純なもの」と捉えられているかということ。そして、このような社会が抱くスティグマ(烙印)が、いかに女性たちへ影響を与えているのかを浮き彫りにした結果となった。
しかし、デビー・ハーベニック医師の調査によると 、男性は女性器の「見た目・匂い・味・感覚」の全てにおいて、女性よりもポジティブなイメージを持っていることが明らかになっている。
幼い頃「そんな汚いところ触らないの!」と言われたり、聞いたりした経験はないだろうか。また「アソコ」という表現も、「恥ずかしい」「口に出して言ってはいけない」というようなイメージを助長する原因である。そして、このビデオでは自分の性器と対面することにより、その観念が形を変えた瞬間をきちんと映し出している。
このように、女性が自らの女性器に対して抱く負のイメージが、どこから来ているのかは様々だ。しかし、この機会でどの女性も「実際に見る」ことによってその染み付いたイメージを克服できた。女性器も愛すべき体の一部なのだ。これを機に自分の女性器と対面し、悪のイメージを消し去るのもいいかもしれない。 そうすることで自らをさらに愛するきっかけを与えてくれるはずだ。