モデルが教えるアンチエイジング

こんにちは、「食のなでしこ」の菅野広恵(すがのひろえ)です。前回は私たちを成長させてくれた「フードアナリスト」という資格についてご紹介させていただきました。今回は、オスカーモデルである私が実感する、野菜の美容効果についてのお話です。
こんなアンケート調査があります。男性が「女性の年齢」を感じる箇所の第1位が「顔のシワ」第2位が「肌のはり」第5位が「肌のたるみ」第6位が 「しみ、くすみ」。上位は「お肌」に関するものばかりです。つまり、お肌の状態が悪いと「加齢」のイメージがついてしまうのです。とくに顔は、いくらメイ クをしても隠しきることはできません。モデルの撮影現場でそう痛感しています。
■前向きに「アンチエイジング」する
ここ数年、さまざまな分野で「アンチエイジング」が注目されています。抗加齢(こうかれい)や「抗老化(こうろうか)」ともいわれ、加齢や老化に対 抗するという考え方。この中には、「加齢」に対する負のイメージがあるように思えます。その影響かもしれませんが、アンチエイジングからは、「無理して若 く見せる」という印象を受けるのも事実です。
しかし、私は過去の失敗を通して、アンチエイジングを前向きにとらえるようになりました。「美しく年を重ねる」。そのために5年後、10年後の成長 した姿を思い描きながら自分を磨く。そして外見だけを美しくするのではなく、カラダの中からキレイにしていく。そう考えています。
■カラダの中からキレイになるには?
その疑問に答えてくれるのが野菜やくだものです。よく、漠然と「野菜は健康のために食べたほうがいい」といわれます。「とにかく野菜はカラダにい い、ヘルシーでダイエットに効く。美容効果もある」私自身も、以前はあまり深く考えないで野菜を食べていました。メディアで話題になったダイエットや美肌 法にやみくもに飛びつきました。でも、目に見える効果があらわれず、長く続かないことが何度もありました。
「トマトをこんなにたくさん食べているのに、お肌の調子が戻らない。効果ないよ…」ダイエットや美肌の大量情報のなかで、良いといわれる野菜をかた よって食べては落胆する自分がそこにいました。そうした迷走が、私を原点に立ち戻らせてくれました。「そもそもなぜ野菜やくだものは食べた方がいいのか な? 」その理由を知って食べるか、知らないで食べるか。そのふたつには大きな違いがあります。
■7品目の野菜生活で体質改善
これをきっかけに本当の意味で私の食改善が始まりました。もともと肌が強いほうではなかったのですが、毎日「7品目」の野菜をバランスよく食べるこ とで、お肌のトラブルも一気に減りました。自然にダイエットもでき、腸の調子もよくなりました。今は完全に「便秘しらず」です。そうした腸の状態はお肌に てきめんに表れます。野菜やくだものは健康にいいだけではなく、女性にうれしい効果がたくさんつまっているということを実感できるようになりました。
食改善前の私は、「無理に若く見せよう」としていました。実際、そのころはファンデーションを5回ぐらい無理やりぬってお肌の状態をカバーしていました。でも、野菜中心の食生活でお肌の調子がよくなった今では、1回ぬればもう十分です。
■活性酸素の救世主が野菜やくだもの
私たちのカラダは何もしないと「活性酸素」の影響でどんどん錆(さ)びついていきます。この活性酸素は人間が呼吸をして身体を動かし活動する限り発 生します。おもな原因は、激しい運動、強いストレス、紫外線、食品添加物、喫煙、肥満にあるといわれます。活性酸素が過剰にうまれると人間の細胞を傷つけ ます。そのような状態を「酸化」と呼びます。お肌でいうとハリがなくなり、シミ、シワ、タルミにつながります。女性にとっては一大事です!
この酸化の救世主が「抗酸化物質」です。その物質が酸化に対抗するお手伝いをしてくれるのです。抗酸化物質は食事で摂取することができます。特に野 菜やくだものの成分にたくさん含まれています。野菜やくだものを食べるとカラダにいい、アンチエイジングとして効果が高い。その理由はまさにここにあるの です。
■アンチエイジングに効果のあるおもな抗酸化物質
【1】人参にたくさん含まれる「β(ベータ)カロテン」
【2】トマトの「リコピン」
【3】ホウレンソウの「ルテイン」
この3つのなかから、私の最も好きな野菜、トマトについてお得な情報を紹介します。
■脅威のトマトパワーと効果的な食べ方
トマトのリコピンは、抗酸化作用にすぐれていて、その力はカロテンの2倍、ビタミンEの100倍もあります。そのため、体内の活性酸素をパワフルに 退治してくれ、アンチエイジングにもってこいです。紫外線で発生したシミやそばかすにも効果があります。これらの元凶となるメラニン生成に関わる酵素の働 きを弱める作用があり、美白効果が期待できます。
さらにβカロテンも含まれていて、目、口、鼻の粘膜、肌の健康を保ってくれます。ビタミンCは風邪のウイルス予防にも有効です。トマトのリコピンは オイルと組み合わせると相乗効果でそのパワーを増します。たとえばトマトとオリーブオイルのサラダは理にかなっています。そしてリコピンは火を通すことで さらに栄養価があがります。野菜スープ、ミネストローネがおすすめです。
■母と娘の野菜アンチエイジング
最近では私の母も野菜中心の食生活を心がけており、美容やダイエット効果を実感しているようです。そして、子育て後の人生を生き生きと楽しんでいて幸せそうです。「美しくなるのに年齢は関係ないんだ」そのことを、最近の母を見ていて「肌」で感じるようになりました。
野菜は美容効果だけでなく、母娘の関係にもステキな変化をくれました。以前ならふたりで一緒にランチに行く際、レストランやメニューを「なんとな く」決めていました。でも、最近のふたりの合い言葉は「おいしい野菜がたくさん食べられるところ」。それだけで、「あのフレンチにしようか、このイタリア ンにしようか」と会話がはずみます。「ねえ。次のランチは表参道の隠れ家レストラン、『コポンノープ』のバーニャカウダで決まりね!」今日も、野菜をめ ぐってふたりのトークは女子会のように盛り上がっています♪
文:菅野広恵
オスカープロモーション所属。2013年度『食のなでしこ』受賞。雑誌、広告、ショー、CMなどのモデルとして活躍。大学では特別講師として就活対 策の笑顔のキレイな作り方やファッションビジネスについて、ウエディングセミナーでは綺麗な写真の写り方、歩き方、見せ方などを伝える。本の出版や雑誌の 連載も。恵比寿「es」にてバーニャカウダーのプロデュースを手がける。