7割の女性が「結婚・出産後も働きたい」けど…4割超が“一億総活躍社会”に向けた政策「期待していない」

7割の女性が「結婚・出産後も働きたい」けど…4割超が“一億総活躍社会”に向けた政策「期待していない」

日本の少子化に歯止めをかけるべく、政府は“一億総活躍社会”を目標に掲げ「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の実現を目指しています。

その中でも特に重要なテーマとなっているのが、女性が活躍する社会を創出することです。しかし、「保育園落ちた日本死ね」と題した匿名ブログから加熱した待機児童問題など、課題は山積みとなっています。

結婚や出産でライフスタイルが大きく変わることが多い女性たち——。実際に、働く女性たちは、結婚・出産後の仕事について、どのような意識を持っているのでしょうか?

“一億総活躍社会”の実現に4割が「期待していない」

このたび、女性向け求人情報サイト「エンウィメンズワーク」を運営する「エン・ジャパン」が、20〜40代の女性を対象に、「結婚・出産と仕事」に関する意識調査を実施。政府が掲げる“一億総活躍社会”に向けた政策に、「期待していない」人は43%と、「期待している」人の28%を大きく上回りました。

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期待していないという回答の理由として「聞こえはいいが、要は女に出産、育児、労働とこれまで以上の役割を負わせようとしているだけで、男性や社会全体の意識を変えようという根本が置き去りにされているように感じるため」(32歳)、「女性ばかりの政策ではなく、男性がもっと休みが取れたり早く帰宅できるような、形式だけでない政策を実行してもらわないと、女性ばかりに負担が増えると思う。もしできたとしても、すぐに浸透しないと思うので期待していない」(40歳)といった、女性ばかりに出産、育児、労働、介護といった役割を背負わせようとする政府や社会に批判の声が集まりました。

7割の女性が結婚・出産後も働く意思あり

続けて、結婚・出産後の仕事について聞くと、68%の人が「結婚・出産後も継続して働き続けたい」と答えています。「仕事を辞める」と答えた人は23%と少数派となっており、少しペースを落としてでも継続して働き続けたいと考えている人が主流となっているようです。

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働く理由は、「家計面、経済的自立、社会とのつながり」

働く理由について複数回答で聞くと、上位3つに、「家計的に働ける間は働きたい」(70%)、「経済的な自立の道を持ちたい」(58%)、「社会とのつながりを持ちたい」(54%)が挙がりました。また、課題についても複数回答で聞くと、上位3つに、「働ける条件に合う仕事」(81%)、「時間の制約」(67%)、「上司の理解」(58%)が挙がっています。

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女性が長く働ける職場とは?

では、女性が長く働けると思うのはどのような職場なのでしょうか? 具体的に複数回答で聞くと、「職場(上司・同僚)の理解がある」(93%)がトップに。「待遇・福利厚生が充実している」(72%)、「多様な働き方を実現する制度がある」(72%)といった制度面でのサポートより、上司や同僚から理解を得ることが重要視されているようです。

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「女性が働くには保育園が必須なのに、いまだに待機児童問題が解消されていない」「女性就労に向けた政策ではなく、男性が家事・育児参加できるような政策が必要」といった声も多く挙がった同調査。女性の活躍というと、女性だけに注目が集まりがちですが、女性が働きやすい社会とは男性も働きやすい社会ということ。“女性の活躍”だけではなく、誰もが多様な選択肢を持つことができる、柔軟な社会を作ることが必要となってくるのではないでしょうか?

【調査概要】
調査期間:2016年10月27日〜11月23日
調査方法:インターネット調査
調査対象:「エンウィメンズワーク」の女性利用者
有効回答数:628件(20代〜40代は590件)

(渡邊晃子)

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