30代ともなると、部下を束ねて仕事を進める機会も多くなります。チームで成果を上げるためにも、部下とはよい関係性を築きたいですね。実際のところ、部下は上司にどのような対応を求めているのでしょうか?
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』の発行元である株式会社まる出版は、20代~50代のビジネスパーソン310人(男性155人、女性155人)の回答をもとに「上司が部下に対してとるべき行動」を調査。部下が望む理想の上司像が見えてきました。
部下への関心度が信頼関係を築くカギ
1位……「頑張りを見て評価してくれる」(66.1%)
2位……「意見を聞いてくれる」(65.1%)
3位……「ビジョンや方向を示してくれる」(60.3%)
4位……「励まし、勇気づけてくれる」(41.2%)
5位……「挑戦させてくれる」(24.8%)
「頑張りを見て評価してくれる」「意見を聞いてくれる」の2項目が、65%以上の票を獲得しました。仕事に対する姿勢や努力を上司にしっかり見てほしいと考える部下は多いようです。
また、男女別で「理想の上司がとるべき行動」をグラフ化したところ、男女間で微妙な違いがありました。

<女性>
1位……「頑張りを見て評価してくれる」(37.4%)
2位……「ビジョンや方向を示してくれる」(29.0%)
3位……「意見を聞いてくれる」(15.5%)
<男性>
1位……「ビジョンや方向を示してくれる」(32.9%)
2位……「頑張りを見て評価してくれる」(25.2%)
3位……「意見を聞いてくれる」(16.8%)
女性は「頑張りを見て評価してくれる」が1位、男性は「ビジョンや方向を示してくれる」が1位。女性の場合は部下のことをしっかり見てくれる上司、男性は指標を示してくれるような頼もしい上司をそれぞれ評価する傾向にあるようです。
具体的に、部下と上司はそれぞれどんな不満や希望を抱いてるのでしょうか? 実際の声を集めてみました。
【20代若手社員が上司に望むこと】
・業務内容で疑問点があって上司に質問をしても、私の話を遮って「普通はこうやるんだ」と頭ごなしに叱られるだけなので、そのうち上司の言われたことを機械的にやるだけになった。(28歳/女性・企画)・取り組んでいる業務について、会社にとってどのような利益があるのか、それが自分の成長にどうつながるのか、上の立場の人はちゃんと説明してほしい。(25歳/男性・編集)
・仕事がうまくいかず悩んでいる時に、丁寧にやり方を教えてくれて、さりげなくフォローまでしてくれた上司がいた。この人の下について本当によかったと思った。(26歳/女性・事務)
【30代、40代ベテラン社員が部下に望むこと】
・私たちが新人だった時は、仕事は見て覚えるものだった。質問するならまずは自分で考えた上でしてほしい。(49歳/男性・編集)・仕事のやり方について説明すべきだとは思うけど、つい面倒くさくなって、下に任せず自分でやってしまう。(42歳/男性・企画)
・ポジションが上がって自分の業務量も増えた。新人にできるだけ目を配ってはいるが、私自身も余裕がなく、至らない部分は多いと思う。(31歳/女性・営業)
若手社員では、「仕事について具体的に説明してほしい」「部下の状況を把握しておいてほしい」「意見を丁寧に聞いてほしい」と考える人が多いようです。
一方、上司側は「自分で考えて動いてほしい」という声が聞かれた他、「説明が面倒」「自分も忙しくて手が回らない」などの理由からつい若手社員を放任してしまう人がいる様子が伺えました。「上司のフォローがほしい」と考える若手社員との間に少々ギャップがあるようです。
世代も立場も変われば、仕事へのスタンスが異なることもあるでしょう。上の立場になると、部下に対して思うところも出てくるかもしれませんが、そもそもコミュニケーションがなければギャップを埋めることはできません。
まずは部下の意見に耳を傾けるなどして、距離を縮めていくことが関係性を築く上でも大切なのかもしれませんね。
【調査概要】
調査タイトル:お仕事に関するアンケート
調査期間 :2016年8月17日、18日
調査方法 :インターネットリサーチ
調査対象 :310名(男性155名、女性155名)
(清談社)