昨年末に起きた電通の新入社員の過労自殺を受けて、長時間労働に対して社会の関心が高まっています。
アンケート作成サービスを展開する「クリエイティブサーベイ」が20~40代の男女600人を対象にインターネットで「有給休暇に関する調査」を実施したところ、興味深い実態が見えてきました。
4割が「有給中でもすぐに電話に出る」
例えば、有給休暇中の電話に関して。有給中に個人の携帯に仕事の電話がかかってきた場合、「すぐに電話に出る」がもっとも多い41.2%、次いで多かったのが「数コール待ってから電話に出る」が24.7%、「その場では電話に出ず、少し待ってからかけ直す」が11.8%、「個人用の携帯電話を教えていない」が7.2%と続きました。
また、有給休暇中に個人の携帯へメールやメッセージが来た場合の対応について聞いたところ、「しばらく経ってからその日の間に返事をする」が40%で1位、「すぐに返事をする」が30%で2位という結果に。電話に限らずメールでも、休暇中などに関わらず当日中に返そうとする人が多いことがわかりました。
有給休暇の取得率に関する質問では「(消化率が)25%以下」が最も多く38%、次いで多かったのは「50%以下」で22%と、消化率が半分に満たない人が過半数を占める結果となりました。
休暇中のことは報告するべき?
一方「あなたは有給休暇を取得しづらいと感じますか」という質問に対しては60%の人が「感じる」と回答。また、有給休暇を取得しづらいと感じた結果、取得時にどのような影響が生じるかを尋ねると、「繁忙期を避けて取得をする」がもっとも多く24%、次いで多かったのが「有給休暇を取得しない」で15%という結果でした。
「有給休暇を取得する際に暗黙のルールは存在するか」という質問に、「暗黙のルールは存在しない」と回答した男性が47.9%、女性が31.8%でそれぞれ最多でした。次いで多かったのが男性は「入社1年目は有給休暇を取得できない」で6.6%、女性は「休暇中に何をするのか(したのか)報告しないといけない」が8.2%で男女の違いが明らかになりました。
有給中の電話やメールの対応を見ても仕事に対する責任感の強さが浮かび上がってきた今回のアンケート。有給の消化率が半分に満たない人も過半数と「働きすぎ」の印象は否めません。個人の幸せを犠牲にしない社会や職場のあり方を考えていく必要があります。
【調査概要】
調査名:有給休暇に関する調査
調査対象:20代~40代の男女 男性300人/女性300人
調査期間:2016年9月下旬
調査方法:インターネット調査
(編集部)