1回250万円の卵子若返り あなたなら受ける?

「“卵子の若返り”を受けた2人の女性が無事に妊娠した」そんなニュースが先月29日に飛び込んできました。
今回、この“卵子若返り”を実施したのは大阪の不妊治療施設「IVFジャパン」。すでにアメリカでは民間企業が中心となって進められている手法で、これまでの施術実績は270例、約30の出産例があるそうですが、国内で行われたのは今回が初めて。
自分の卵巣細胞の一部を卵子に移植
でも、いったい“卵子の若返り”とは、どういうことなのでしょうか?
カギとなるのは、細胞の中にあるミトコンドリアと呼ばれる部分。ミトコンドリアはエネルギーを生み出してくれる、細胞の元気の源です。
老化してしまった卵子に、本人の卵巣の細胞から取り出したミトコンドリアを精子と一緒に注入することで、卵子が“若返る”というのが、今回の治療の仕組み。つまり、質のいいミトコンドリアを入れると、卵子自体が元気になり、体外受精の成功率が上がると考えられているのです。
6人のうち2人が妊娠
実はこの手法、効果のほどや安全性がまだ科学的に証明されていないため、一部の専門家からは、疑問の声も出ているようです。
「IVFジャパン」によると、今回“若返り”の施術を受けたのは6人の女性で、妊娠したのは27歳と33歳の2人だけ。ちなみに患者さんの負担額は1回で250万円と言いますから、かなりの覚悟が必要な手法のようです。
1回250万円とはいえ、不妊治療を続けている方にとっては希望の光となるのかもしれません。でも、体外受精だけでも1回50万円以上。そのうえにさらに数百万円単位の出費を強いられるのは、治療中の方にはあまりに負担が大きいのではと疑問がわいてきます。
日々進化していく生殖医療は、果たして女性を幸せにするのでしょうか? ここ数年、働きながら不妊治療を続けている知人の女性がふと、こんな言葉を漏らしていました。「不妊治療なんてなければ、私は毎日もっと心穏やかに子どもいない人生を生きていけるのに……」
(編集部)