国は母乳育児を推進してるみたいだけど、働く女性にとっては実際どうなの?

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国は母乳育児を推進してるみたいだけど、働く女性にとっては実際どうなの?

「赤ちゃんを母乳のみで育てるママが初めて5割を超えた」そんな調査結果が今月24日に厚生労働省から発表されました。この「乳幼児栄養調査」は1985年から10年ごとに実施されている調査。今回は2015年5月時点で6歳未満の子どもがいる世帯に対して行われ、3871人の子どもに関して有効回答が得られたそうです。

「母乳で育てた」が9割

「母乳のみ」は、2015年度は生後1ヵ月で51.3%、生後3ヵ月で54.7%、前回2005年度の調査では、それぞれ42.4%と38.0%だったので、ここ10年で10%前後も「母乳派」が増えていることになります。さらに「粉ミルクと母乳の混合」も含むと、生後1ヵ月で96.5%、生後3ヵ月で89.8%。つまり、約9割が「母乳で育てた」と答えているのです。

この結果を厚労省は「母乳育児を推進する普及啓発の成果」と分析しています。

働く女性の感想は?

確かに「母乳で育てる」は理想かもしれません。でも、実際には出ない人もいますし、仕事に復帰すれば授乳はまず不可能です。厚労省は母乳育児を推進しているようですが、実際に働く女性は、今回の調査結果をどう見ているのでしょうか?

30代の働く女性のためのニュースサイト・ウートピでは、ヒアリング調査を行いました。

「今の時代に母乳育児を推進するのって、本当に時代に逆行してると思う。母乳育児をやると、どうしても父親の存在が希薄になってしまうし、赤ちゃんも『ママじゃないとイヤ!』っていう態度になって、女性が育児に縛りつけられてしまう。母乳がいいという科学的根拠はないのに、母乳神話がまかり通って女性を苦しめているのはおかしい」(33歳/マスコミ)

「『母乳が一番!ミルクはダメ!』という論調には違和感があります。私自身、第一子は母乳が出なくて混合で育てましたし。ミルクで育てるのもOK、母乳で育てたい人はしっかり母乳で育てて、それからゆっくり仕事に復帰すればいい。そんな社会の価値観になれば一番いいですね。『正解は一つ』という日本人独特の感覚がこの調査結果にあらわれているような気がします」(38歳/PR)

「私が出産した病院は『完全母乳じゃないと悪』みたいな雰囲気だったので、一生懸命母乳で育てました。でも、復職の時には無理やり断乳しなくてはいけなくて本当に大変でした。母乳をあげている時間は幸せだけど、あそこまで完全母乳にこだわらなくてもよかったな、と今は思います」(34歳/広報)

「母乳が一番」という価値観は、実際に女性を苦しめているのようです。国として母乳育児を推進するのは、違和感を覚える女性が少なくないのかもしれませんね。

編集部では働くママに加えて、男性陣にもヒアリング。自身も3児のパパで家事や育児について発言の機会も多いブロガーの山本一郎さんは「母乳とミルクのどちらで育てるかは、それぞれの家庭が決めること。正解はないので、政府や制度は、どちらの決断も尊重して自由な選択ができるようなあり方が望ましい」とのコメントを寄せてくださいました。

母乳推進は、「女性の活躍」を妨げる?

今回の厚労省の調査結果について、東京都議会議員(世田谷区選出)の塩村あやか議員はウートピの取材に対し、「(母乳推進の風潮は)ただでさえ大変な中で子育てを頑張る母親たちにストレスを与える深刻な問題。人にはさまざまな事情があるのに、アドバイスを超えた固定観念を押しつけることで、母親が子育てを苦痛に感じてしまう原因になるのではと憂慮しています」とコメント。

国政では、安倍政権が女性活躍社会の実現を推し進めている中、今回の調査結果はどのように受け止められていくのでしょうか? いずれにしろ、「母乳でも、ミルクでもOK!」そんな柔軟な雰囲気になれば、働く女性の気持ちはラクになるのに……そんな気がしてなりません。

(編集部)

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