もうすぐ夏休み。空港や飛行機を単なる旅の中継地や移動手段として考えるのは、もったいなさすぎる! そう力説するのは、空港・ヒコーキのおもしろ情報をまとめた漫画『今日もヒコーキに会いに行く』(イーストプレス)の著者でもある、飛行機マニアのイラストレーター・蘭木流子(らんき・りゅうこ)さん。この夏、旅のついでに空港と飛行機を120%満喫するための、予備知識をたっぷり聞いてきました。
SNSウケもバッチリのスイーツ「飛行機シュー」
まず紹介してもらったのは、蘭木さんもよく訪れるという羽田空港に直結するホテルのスイーツ。
蘭木流子さん(以下、蘭木さん):羽田空港第2ターミナルのロビーから直接入れる「羽田エクセルホテル東急」の中にあるレストラン「フライヤーズテーブル」では、ボーイング787の就航を記念して作られた飛行機型のシュークリーム「飛行機シュー」が販売されています。
翼のところに“787”と描いてある細やかさがマニアにとってもたまらない逸品です! 甘さ控えめで、フルーツもしっかり入っているので、大人も満足できる美味しさです。フォトジェニックな見た目なので、インスタグラムやSNSなどをやってらっしゃる方はぜひ撮影していただきたいです。
LEDが400個! 星空にいるような、レストランのテラス席
続いて、同じく第2ターミナルのイチオシスポットとして、展望デッキにあるレストランをピックアップ。
蘭木さん:イタリアンレストラン「カステルモーラ」にはテラス席があり、夜はそこから天の川に模して床に散りばめられたLED400個が輝く「星屑のステージ」を眺めることができます。まるで星空にいるような幻想的な感じにライトアップされるんです!お店の目の前が滑走路になっているので、飛行機を見ながらロマンチックな雰囲気でデートを楽しむには最適な場所です。ピザも専用の石窯でちゃんと焼いているので味も本格派。とてもおいしいですよ~!
「飛行機を眺めながらビール」という大人の贅沢
また、羽田では空港でしか飲めない限定のお酒もあるそうです。
蘭木さん:羽田に来たら飲んでおきたいのが空港限定の「羽田スカイエール」。天王洲にある T.Y.HARBOR BREWERY が造っている地ビールで、これが結構おいしいんですよ。羽田空港第1ビルと第2ビルの一部売店で買うことができるので、購入したらぜひ空港第1ビル6階にある「スカイステーション」という広々したデッキがあるスポットで、離着陸の飛行機を眺めながら喉を潤していただきたいです。
知る人ぞ知る、ターミナル内の美術館
さらに、羽田空港には一般的にはあまり知られていないスポットもあるとか。
蘭木さん:実は、羽田空港第2ターミナルには「ディスカバリーミュージアム」という美術館があるんです! 毎回テーマによってさまざまな展示を行っています。入館は無料ですし、ソファーがたくさんあって落ち着いたラウンジといった感じ。日本の美術品も多数展示されています。待ち時間がある時一度覗いてみてはいかがでしょうか。
大パノラマで飛行機が楽しめるホテル
成田国際空港の早朝便を利用する場合、ぜひ泊まってほしいホテルがあるそう。
蘭木さん:前日から泊まる方は、成田国際空港まで送迎バスが出ている「マロウドインターナショナルホテル成田」が絶対におすすめです! たとえば、最上階にあるレストラン「ルミエール」は、滑走路にすごく近いので飛行機がよく見えます。全面ガラスなので大パノラマ! これは飛行機マニアのみならず感動モノです。
機内の乾燥から肌を守る限定コスメ
空港限定モノの中でもチェックしておきたいのがコスメ。羽田空港国際ターミナルや成田国際空港ではCAも使用しているという秀逸アイテムが販売されているとのこと。
蘭木さん:金箔屋から誕生した和のコスメブランド「まかないこすめ」では、機内の乾燥から肌を守り快適に過ごしてもらおうと開発された空港限定シリーズがあるんです。天然の精油が配合されたハンドクリームや保湿スプレーなどで、パッケージには飛行機のイラストが描かれていてとってもかわいいんです。
また、あぶらとり紙で有名な京都の「よーじや」も空港限定で「アロエのあぶらとり紙」を販売。アロエの抽出エキスを含ませたあぶらとり紙は、肌にうるおいを与えてくれます。免税店で販売されていて、そのまま機内に持ち込めるのでフライト前にぜひゲットしてください。
そもそも肌が乾燥しない飛行機があった!
ちなみに、どうしても肌の乾燥が気になるという人にも嬉しい、おすすめの機種があるとか。
蘭木さん:機内の乾燥が気になるという方は、ぜひボーイング787に乗ってみてください。787の機内は乾燥しません! 通常飛行機はアルミ合金でできているため加湿すると錆びてしまうんです。そのため加湿はNG。ところが、787はカーボンファイバーという炭素繊維でできているため加湿ができるんです!
客室がしっとりしていて、肌も乾燥しないし、喉も痛くならない。快適さが他の機種と全然違います。加湿にこだわる方は、予約時に機体が787かどうかチェックしておくといいかもしれません。
意外と知らないサービスとは?
また、どうしても手持ちぶさたになりがちなフライト中の過ごし方として、意外に知られていないサービスを教えてくれました。
蘭木さん:機内のサービスといえば機内誌や映画などがメジャーですが、JALの「青竹踏み」レンタルは珍しいかもしれません。特に女性は足がむくみがちですよね。なので、映画を観たり読書をしたりしながら、席で青竹を踏むとむくみの解消にもつながりますし、リフレッシュにもなりますよ。
マニア直伝! きれいな夜景の撮り方
最後に、機内から夜景の撮影方法についてもアドバイスしていただきました。
蘭木さん:飛行機から見る夜景はやはり素晴らしいです! 特に羽田は着陸時に窓から見える夜景のスケールが大きいので本当に感動しますよね。そんな夜景をスマホで撮影したいと思っても、窓ガラスに光が反射してうまく撮れないものです。
シャッターチャンスは、飛行機が水平の時ではなく、旋回して傾いて窓ガラスが下に来た時。スマホを窓ガラスにぴったり密着させてシャッターボタンを押すと、余計なものが写り込まず、かつ肉眼で見たのに近いきれいな夜景を撮影できます。
せっかくなら旅の中継地である空港や、移動手段である飛行機も存分に満喫したいもの。蘭木さんに紹介していただいたポイントを押さえれば、旅の思い出に素敵なひとコマが加わりそうです。