資生堂インタビュー

日やけ止め、価格と効果は比例する? 意外に知らない生活シーンに合わせた使い分け

日やけ止め、価格と効果は比例する? 意外に知らない生活シーンに合わせた使い分け

夏のマストアイテム、「日やけ止め」。価格は1000円前後のものから1万円近くするものまで、実にさまざま。中には、「SPF」や「PA」の数値が同じなのに値段がまったく異なるものもありますが、一体どこが違うのでしょうか?

価格による効果の違いやシーンに合わせた使い方など、今さら聞けない日やけ止めのあれこれを、資生堂PRの小林智美(こばやし・ともみ)さんに伺いました。

日やけ止めの値段は「+アルファの効果」で決まる

————私が普段使っているのはSPF25の日やけ止めなんですが、本当のところ日やけ止めについている「SPF」や「PA」といった値の意味がよくわかりません。

小林智美さん(以下、小林):紫外線を浴びると、肌にはさまざまな変化が起きます。肌が赤くなり、シミやシワの原因になるのはB紫外線(レジャー紫外線)による影響で、それから肌を守ってくれるのが「SPF」。一方、肌を黒くし、しわやたるみの原因になるA紫外線(日常紫外線)を防いでくれるのが「PA」です。

どちらも値が大きいほど効果は高いですが、シーンに合わせて使い分けていただくのがいいと思います。

————やみくもに「値が大きいものを使えばいい」というわけではないのですね。

小林:適切な日やけ止めを選ぶということが重要です。街中もコンクリートやガラスの反射によって紫外線は強いので、日常生活(散歩、買い物など)ではSPF20近いもの。海や山などのレジャーの場合は本当に紫外線が強いので、SPF50くらいの値のものを使用するのがおすすめです。

————「SPF」や「PA」の数値は同じでも、価格はいろいろありますよね。どこに違いがあるのでしょう?

小林:日やけ止めの価格はSPFやPAの値ではなく、それ以外の部分で決まります。例えば、日やけすると肌が荒れてしまう方もいますよね。そういった方に向けて保湿効果がプラスされていたり、肌のたるみやシワが気になる方に向けてアンチエイジング効果が期待できる成分が入っていたりするんです。価格は「+アルファの効果」で決まると思ってください。

今年の日やけ止め最先端

————資生堂の日やけ止めも、スキンケアの部分で価格を決めているのですか?

小林:弊社の場合、「エリクシールホワイト」といったスキンケアブランドからも日やけ止めを発売していますが、開発段階で実際に人の肌に塗布して紫外線を当て、焼けないかどうかチェックしています。フラスコの中で成分実験をするだけではなく、手間暇をかけて検証するためどうしても価格が高くなってしまうという事情はあります。

もちろん、成分にもこだわっています。例えば、普通の日やけ止めは、汗をかくと流れて防御力が弱くなってしまいます。しかし、今年の「アネッサ」は逆。汗や水に触れると、むしろ日やけ止めの効果が高まる。これは「アクアブースター技術」による効果です。

————なるほど。パッケージがゴールドとシルバーに分かれていますが、この違いは?

小林:ゴールドは「スーパーウォータープルーフ技術」を採用しているので、海やプールなど、紫外線が強く水に触れる場所で使っていただくのがおすすめです。

シルバーは保湿効果を重視していて、紫外線による乾燥やダメージから肌を守ってくれる「ヒアルロン酸GL」という成分が入っています。そのため、バーベキューやスポーツをする時、外と中を行ったり来たりして肌が乾燥しやすい時におすすめ。外回りのお仕事をされている方の日常使いにもいいと思います。夏は汗が鼻の頭などに玉になって浮くことがありますが、「アネッサ パーフェクトフェイシャルUV 薬用美白エッセンシャルUV」は、「汗ネット成分」がその玉を小さくしてくれるので、汗が目立たず、テカリや崩れを防ぎます。

夏と冬では焼ける場所が違う

————「アネッサ」はちょっと高級な日やけ止めという印象でした。なるほど、いろいろ特別な成分が入っていたんですね。日やけ止めは、どのくらいの頻度で塗り直すといいんでしょう?

小林:やはり2、3時間に1度は塗り直していただきたいですね。紫外線はいつでもどこでも降り注いでいますので、季節を問わず365日塗っていただくのが実はベスト。紫外線は、くもりの日は約65%くらい、雨の日も約20%くらい出ているので油断は禁物です。

(竹川春菜)

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