あじさいには、ドラマがある―意外と知らない“名前”の秘話

あじさいには、ドラマがある―意外と知らない“名前”の秘話
PR

全国的に梅雨入りとなり、毎日のように雨が降っていますね。雨が続くとゆううつになりがちですが、この時期、その美しさで目を楽しませてくれるのがあじさいです。

あじさいには、ドラマがある

あじさいには、さまざまな種類があります。現在としまえん(東京都・練馬区)で開催されている「あじさい祭り」には、約150品種ものあじさいが勢ぞろいしています。ここでは、としまえんで見られるちょっと変わった名前のあじさいをいくつかご紹介しましょう。

ダンスパーティー

あじさいには、ドラマがある

ピンク色の細長いガク片が八重にかさなる姿が特徴的。その上品で華やかな様子は、まるでダンスを舞う乙女のドレスのすそのようでもあり、人々が手を繋ぎ輪になって踊る姿のようでもあります。「ダンスパーティー」は、加茂花菖蒲園の一江豊一さんが生み出した品種で、「母の日」の贈り物としても人気なのだそう。加茂花菖蒲園からはこのほかにも、「天を仰いで」「テマリテマリ」「雨に唄えば」など、詩的な名前のあじさいがいくつも生まれています。

花火アジサイ

あじさいには、ドラマがある

青い小さな花と、八重のガク片からなる、「花火アジサイ」。なんだか、火花を散らして夜空に広がる打ち上げ花火のように見えませんか? こちらは1977年に神奈川県・横浜市の民家で山本武臣さんという方が発見した、ガクアジサイの仲間。その天然の造形美に心打たれます。別名「隅田の花火」という名で販売されているそうです。

あじさいには、ドラマがある

淡いピンクの八重花がたくさんかさなり、可憐な印象です。「綾(アヤ)」という名前は、発見者の孫娘の名前にちなんでつけられたもの。松枝章さんという方が石川県の山中温泉で見つけたそうで、エゾアジサイの仲間です。新品種発見の喜びと、お孫さんへの愛情の深さが伝わってきて、眺めているとほっこりした気分になります。

七段花

あじさいには、ドラマがある

「七段花(シチダンカ)」は、尖ったガク片が八重になる、淡青色の花です。実は江戸時代に同名の花があり、シーボルトが作成した『日本植物誌』にも載っていました。しかし、残念ながら日本では絶滅してしまったのだそう。そんな「幻のあじさい」七段花ですが、1959年に荒木慶治さんが兵庫県の六甲山で同型の花を発見。この株を増やしたものが現在、七段花として流通しています。

ミセスクミコ

ピンクの大輪の花が手毬のようにまとまって咲き、とってもゴージャスな雰囲気。さかもと園芸の坂本正次さんが作り出した品種で、奥様の名前にちなんで「ミセスクミコ」と名付けられました。1992年にオランダで開かれた世界園芸博覧会では、見事金賞を受賞。花の美しさと夫婦愛と幸運がつまった素敵なあじさいです。

あじさいには、ドラマがある

こうしてあじさいの名前を詳しく見ていくと、その一つひとつに誕生秘話や、発見に関わった人々のドラマがあることが伝わってきます。いつもは何気なく見ていたあじさいが、何とも言いようのない風情に包まれ、さらに味わい深く感じられますね。ゆううつになりがちな梅雨の季節ですが、傘を片手に、あじさいを見にお出かけしてみるのもいいかもしれません。としまえんのあじさい祭りは6月30日(木)まで開催しています。

あじさいには、ドラマがある

※関連リンク
第14回 としまえん あじさい祭り
開催期間:5/28(土)~6/30(木)
詳細はこちら

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る
PR

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

あじさいには、ドラマがある―意外と知らない“名前”の秘話

関連する記事

編集部オススメ

2022年は3年ぶりの行動制限のない年末。久しぶりに親や家族に会ったときにふと「親の介護」が頭をよぎる人もいるのでは? たとえ介護が終わっても、私たちの日常は続くから--。介護について考えることは親と自分との関係性や距離感についても考えること。人生100年時代と言われる今だからこそ、介護について考えてみませんか? これまでウートピで掲載した介護に関する記事も特集します。

記事ランキング