「産んでも働くママになる」第5回 イオン

365日オープンのイオンゆめみらい保育園 土日祝日が忙しい小売業だからできたこと

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365日オープンのイオンゆめみらい保育園 土日祝日が忙しい小売業だからできたこと

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2014年12月に、「イオンモール幕張新都心」に開園したイオンの事業所内保育園「イオンゆめみらい保育園」。ショッピングモール内にあり、従業員も一般のお客さまも利用できるというユニークな保育園です。立ち上げに関わったイオンモール株式会社 人事統括部 ダイバーシティ推進グループ マネージャー の東英衣子(あずま・えいこ)さんは、「これは私が育休から復職してすぐにたずさわった仕事。自分自身の育児の経験を活かすことができました」と笑顔で語ります。「イオンゆめみらい保育園」でなされている工夫や開園して感じたことを伺いました。

小売業だからできた保育園のカタチ

――イオンというと食料品や日用品を販売する小売業というイメージですが、どのような保育園を始められたのでしょうか?

:保育園の利用時間に小売業、ショッピングモールならではの工夫をしました。普通の保育園はたいてい日曜・祝日はお休みです。利用時間は7時から18時くらいがスタンダードで、それ以降は延長料金が発生します。

でも、小売業は日曜・祝日こそ忙しい。またシフト制なので、昼から出勤したり、夕方の忙しい時間から夜にかけて出勤したりする従業員もいます。ですから、そういう勤務形態にあった保育園をつくることにしました。「イオンゆめみらい保育園」では1ヵ月の利用時間をあらかじめ決めることができ、それを超えた場合のみ追加料金がかかる仕組みになっています。

たとえば、ある日は8時から16時まで働き、翌日は12時から18時までという勤務だった場合、8時間と6時間を足して計14時間保育園を利用したことになります。その累計が月間の利用時間を超えなければ追加料金は発生しません。

365日、7時から22時まで利用できるので、制限や負担を感じずに自身の働き方に合わせて保育園を利用していただけます。自身で選んだ働き方で思いきり活躍して頂ける環境をつくりたいという思いがありました。

東英衣さん

:もうひとつ大きな特徴は、手ぶらで送り迎えできること。着替え、シーツ、タオル、オムツ、ゴミ……と、とにかく荷物がとてもたくさんあります。それを片手に抱え小さな子どもの手を引きながら送り迎えするのは大変だと実感していたので、洗濯物はすべて保育園で洗うことにし、かさばるオムツも持参不要にするなど、できるだけ保護者の負担を少なくしました。特にオムツの件は、保護者からすごく喜ばれています!

――確かに、認可保育園に預けるとオムツは1枚ずつ名前を書かなくてはいけないし、本当に大変ですよね。私もママさんライターなのでわかります(笑)。ただ、保育士さんの負担にならないか心配です。そのあたりはいかがですか?

:保育士さんに「もし洗濯物などで負担が増えるようなら、システムを検討し直しますから」と伝えてありますが、「大丈夫!」と頼もしい返事をいただいています。また、規定で必要とされている以上の保育士数により運営していますので問題ないと思います。

何より、育休を取った従業員が仕事に復帰したいのに、子どもを保育園に預けられなくて復帰できないという問題を一番に解消したかったのです。私自身、ついこの間まで保育園探しをしていた立場なので、焦る気持ちがとてもよくわかります。実は開園2ヵ月前に育休から復帰していて、最初の仕事が保育園の立ち上げでした。まさに実体験がそのまま役に立ちましたね。「こういうのがほしい!」と胸を張って言えるのが嬉しかったです。

――リアルな意見が反映されそうですね!

地域の拠点に保育園をつくりたい

――事業所内保育園ということですが、なぜ本社ビルではなくショッピングモール内に開園されたのでしょうか?

:ショッピングモール自体を地域の拠点にしていきたいという思いから、イオングループの従業員だけでなく、イオンモールの専門店で働くスタッフの方、そして地域の方みんなが利用しやすい「イオンモール幕張新都心」に第1号園を開園することにしました。開園翌年には千葉市の認可を受け、実際に地域の方々の利用していただけるようになりました。

――ショッピングに来た人が預けられる一時保育の枠はありますか?

:事前に予約していただければ可能です。ショッピングモール内にあるため、ハロウィンには子どもたちが仮装行列をしてモール内の専門店にお菓子をもらいに行ったり、他にもイベントなど盛りだくさん。

――イベントに参加できるのはとても楽しそうですね。しかも保育園にお迎えに行ったついでに夕食のおかずを買って帰れるのはすごく魅力的です。近くにあったらぜひ通わせたい、と思うほど(笑)。

:ショッピングモール内にある保育園ということで、保護者ばかりか、保育士さんの中には「仕事が終わったら、そのまま買い物をして帰れるからいい」と応募してくださる方もいて助かりました(笑)。

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「2020年までに各都道府県に1施設以上」が目標

――今後の展開について教えてください。

:現在、「イオンゆめみらい保育園」が6ヵ所、別の名前で2ヵ所、全国に計8ヵ所あります。2020年までにイオンが事業展開する都道府県に1施設以上は開園したいと考えています。子育て中の従業員は全国各地にいますので、それくらいのスピード感で取り組んでいきたいですね。

2015年秋に愛知県常滑市に「イオンモール常滑」がオープンした際、同時に開園した保育園が従業員採用でアピールポイントになりました。そのエリアは待機児童があまりいないと言われていたのですが、「保育園に入れるなら働きたい」というニーズが掘り起こされたようで、優秀な方がたくさん応募してくれたのです。それを見て保育園の必要性を改めて強く感じました。

保育園は女性が職場復帰するための最初のステップです。とにかくそれが確保されなければ、先は見えてきません。「イオンゆめみらい保育園」が働く女性の未来に少しでも役に立てばと思います。

取材を終えて

「育休後、復職したいのに保育園に入れないから仕事を辞めるしかない」という話は、私のまわりでもよく耳にします。そんな声を拾い上げ、事業内保育園を開園したイオンの取り組みは、働くママたちにとってかなり心強いものだと感じました。

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産んでも働くママになる

女性が働く上で、産休や育休、復帰後の働きやすさは、避けて通れないテーマです。女性も男性も心地よく働くために、企業はどんな制度を準備して、これらの問題に向き合っているのか。ママライターがレポートします。

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