平子理沙、45歳の反骨精神「年齢のことばかり考えていると、楽しめない」

5月21日、平子理沙が公式ブログとInstagramで、高橋留美子のマンガ「うる星やつら」のラムちゃんのコスプレを公開して話題となった。緑色のウィッグにツノのカチューシャ、トラ柄レオタードにトラ柄ブーツ。「ラムちゃん風だっちゃ」というコメントが添えられている。案の定、ネットでは「思った以上に痛々しい」「無理してるオバサン」「イタタタタ」「ラムちゃんじゃないです、痛々しいBBAにしか見えませんw」と、もうまるで満身創痍の鬼ババを目撃したかのような感想が飛び交った。
果たして平子は本当に「イタい」のか。
顔は仮面が変わっただけ
まず、顔。近年、平子の顔はかなり変わってきたように思われる。テレビでの姿と写真が著しく乖離していることは否めない。それを人は「劣化」「イタい」と評する。しかし、平子には「年齢はただのナンバー」「年齢のことばかり考えていると、楽しめない」という名言がある。すなわち、時の経過による容姿の変化は、平子44号から平子45号に番号が変わっただけ。仮面ライダーが仮面ライダーV3になったように、仮面が変わったにすぎない。
服は好きなものを着ているだけ
年齢とファッションが不釣合いだからイタいという意見もある。加齢しても「年相応」の格好をすればイタいとは言われない。
平子は、2015年1月23日放送の「バナナマンの決断は金曜日!」(フジテレビ系)で密着取材された際、表参道のセレクトショップで、きゃりーぱみゅぱみゅかりゅうちぇるしか着こなせないような服ばかり選んで買っていた。ロックテイストのゆったりしたロゴTシャツ(1万9000円)、青リンゴ柄のド派手セーター(3万8000円)、モコモコのダスキンみたいなセーター(4万9000円)。そのダスキンセーターには、皮肉なことにデカデカと「42」という“ナンバー”が書かれていた……(微妙なサバ読み?)。
同番組で、平子は「インパクトが強いものが好き」「コスプレ感覚で今日はストリート系、今日はガーリーとか、毎日イメージを変えるのが好きですね。自分に飽きないというか」と語っていた。この言葉を聞いて、次のフレーズが頭をよぎった。
「好きな服を着てるだけ 悪いことしてないよ」
プリンセスプリンセスの「DIAMONDS」である。平子世代にとってカラオケの定番とも言える超名曲だ。平子は好きな服を着てるだけ。悪いことはしていない。なのに、なぜこうもイタい、イタいと嘲笑されなければならないのか。「DIAMONDS」のサビ前には、こんな叫びにも似た歌詞もある。
「眠たくっても 嫌われても 年をとっても やめられない」
まさにその通り。年をとってもやめられない。やめる必要がない。平子の登場曲として「DIAMONDS」を流すべきである。
華麗なる破壊者、それが彼女の正体
いわゆる世間一般が「こうあるべき」として求めるファッションができない人がいる。制服を基準通りに着たくない。男ウケする愛され服を着たくない。就職活動でリクルートスーツを着たくない。言い換えれば、ヤンキー、ギャル、そしてムダな自己主張で人生を棒に振るタイプの人たちである。その人たちに、「そんな格好して何になるの?」「逆にカッコ悪いよ」「自分が損するだけだよ」と理屈を説いてもまったく意味をなさない。
「好きな服を着てるだけ 悪いことしてないよ」
これ以上の反論はない。本当に好きな服を着てるだけなんだが、その「着る」という無言の行為でもって、型にはめようとする大人たちに対して反抗、攻撃している。平子のラムちゃんコスプレには、そのマインドを強く感じた。
平子は、イタいイタいと言われれば言われるほど、挑戦的に「年相応」から外れようとし、逆にイタいイタいと言うやつらを嘲笑っているのではないか。そう思わせるほど、ラムちゃんコスプレは、攻撃的であり暴力的だった。若作りの範疇を超えて、「年齢」という概念そのものの破壊行動のように見えた。
アンチエイジングとかヌルいこと言うやつ出てこいよ、テメェらをぶっつぶすためのデストロイエイジングをやってやるよ!
勝手に平子理沙の心を代弁してみました。おおかた間違いないだろう。というわけで、「イタい」と揶揄するのは、イタい上等の平子にはまったく意味がない。革命者はいつも孤独だ。みんなが年相応に右ならえする窮屈な世の中にならないよう、“必要悪”ならぬ“必要イタ”として、これからもトンガっててほしいと思う。わかりやすくまとめれば、平成の内田裕也だ。内田は「舛添はロックじゃない」と叫んだが、平子も「舛添はガーリーじゃない」と叫べばいい。イタガーリーとして、これからも私たちに喝をいれてください!