絵本作家・のぶみさんインタビュー

『ママがおばけになっちゃった!』作者・のぶみが語る、32年越しの母との和解

『ママがおばけになっちゃった!』作者・のぶみが語る、32年越しの母との和解

幼少期に抱えていた「かまってほしい」という思い

――子どもの頃のぶみさんとご両親の関係性はどんなふうでしたか?

のぶみ:うちは実家がキリスト教の教会だったんです。1階が礼拝堂で、2階が住居でした。教会って、礼拝だけじゃなくてホームレスの方たちに炊き出しなども行っていて、わりと忙しいんですね。そのせいか、常に「母にかまってもらえない寂しさ」を感じているような子どもでした。遠くの幼稚園にも一人で登園し、帰りは母が迎えに来る日もあったけど、そうじゃないときは一人で歩いて帰りました。小学校にあがって一人部屋が与えられたら、そのまま部屋に閉じこもるようになってしまいました。

――内向的になってしまったのですね。

のぶみ:学校に行くといじめられて、それでも母には「学校に行きなさい」と言われる。その頃から家にも学校にも居場所がなくて、近所の公園にいるようになりました。学生時代はずっとそんな感じで。僕のように幼少期が「寂しい」という感情ばかりで埋まってしまうと、その後どこかで影響が出るのではないかと思います。マイナスを補おうとする、というか。

悪さを繰り返すのは「褒められたい」の裏返し

――ご自身の場合はどうでしたか?

のぶみ:わざと怒られるようなことをしたりして、大変だったようです。例えば褒められることをしたのに、お母さんが見てくれない、褒めてくれない。最初は「お母さん、見て、褒めて」と訴えますが、何をやっても見てもらえないとわかると、今度は悪さをするようになるんですよ。そうすると怒られるわけです。でも、子どもにとっては「怒られた=見てくれた」なんですね。だから悪さがどんどんエスカレートしていってしまいます。

――「悪いことをするとかまってくれる」と認識してしまうんですね。

のぶみ:僕がインタビューで「子どもの頃は母にかまってもらえず寂しかった」という話をするたびに、母からは「そんなことない」ってずっと反論されていたんですけど、最近になって「そうだったかもしれない」とメールが来ました。母はきっと「忙しいなりに工夫して子どもと遊ぶ時間を作っていた」という認識なんでしょう。でも、子どもは全然そうは思ってないんですよね。

――子どもたちの「寂しさの感度」は親よりずっと強いのかもしれませんね。

のぶみ:別れ話がこじれたカップルにもありがちですが、とにかく自分を「見てほしい」という気持ちが先行してしまうと、関心を引くための手段は何でもよくなってしまう。それって怖い話だと思うんです。特に子どもにとっての「寂しい」「かまってもらえない」という感情は、すごく強く心に残ります。

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