川崎貴子の「自立という幸福」第九回

24歳差夫婦は「対等」になれるのか? 三船&ジョージ離婚に見る、モラハラと教育のあいだ

24歳差夫婦は「対等」になれるのか? 三船&ジョージ離婚に見る、モラハラと教育のあいだ
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三船美佳さんと高橋ジョージさんの離婚が成立しました。以前は、芸能界一のおしどり夫婦として有名だった2人は、なぜ違う道を歩くことになってしまったのでしょうか。自身も8歳年下の夫を持つ川崎貴子さんが“年の差婚”を分析します。

三船美佳さんと高橋ジョージさんの離婚が成立したというニュースがSNSで流れてきたとき、思わず「そりゃあ、しょうがないよ」と独り言をつぶやいてしまいました。こういうのも老化現象の一つなのでしょうか?脳内が外部に時折ダダ洩れている43歳の春です。

「高橋ジョージ モラハラ」で検索

さて、そんなダダ洩れ&テレビをあまり観ない私ですら、彼らの年の差(24歳)やおしどり夫婦っぷりは認識していました。通常なら離婚の背景にあるものが気になるところ。それなのに、納得感しか見当たらないのはきっと、私を含めて多くの人が「その結婚、かなり難しくね?」と、勝手にうっすらと思っていたからではないでしょうか?ま、大きなお世話以外の何物でもない訳ですが。

で、調べたら、ジョージのモラハラがあったとかなかったとか。裁判で争わずに離婚成立したために、その真偽は定かではありませんのでこの件はスルーさせていただきますが、いやはや、高橋ジョージのロードがヒットした頃、私は20歳ぐらいだったという記憶があります。まさかそれから23年後に、「高橋ジョージ モラハラ」などと、ジョージのことをネットで検索し、ジョージの結婚生活に思いを馳せる日が来ようとは、当時夢にも思いませんでした。人生は何が起きるかわからないものですね。

24歳の歳の差が原因なのか?

そして、一番の障壁に思える24歳という年の差ですが、確かに世代ギャップもあってそもそも価値観が合わなかったりするのが当たり前で、離婚原因として一見有力に見えます。ただ、男性が相当年上な結婚形態は昔からあるし、現在でも、特に芸能界では10歳差20歳差は当たり前という感じで決定打とは言い難い。

多くの人が彼らの結婚生活を危うく感じたのは、親子ほど年が離れているということだけじゃなく、2人が結婚した当時の「それぞれの年齢」が大きかったのではないか? と私は思っています。

美佳の16歳

当時の彼女がどんなに大人びていたとしても、16歳の誕生日を迎えての結婚はあまりにも早すぎます。結婚しないと食べていけなかった昔と違って、16歳という年齢はまだまだ子供であり、これからです。

楽しいことも、切ないことも経験しながら、親や先生に怒られたり指導されたりして世間と折り合いをつけていく時期なのに、その年齢で結婚し、所帯を持つという彼女の決断には、当時、相当度肝を抜かれたものです。同時にストッパーになり得なかった親御さんや、結婚相手のジョージにも。

当然ですが、幸せな時期もあったでしょうし、結婚生活からの学び、芸能界に入ったことで面白い経験もたくさんできたことと思います。でも、常に隣にはジョージが居たわけです。

ジョージの40歳

結婚当初のジョージの年齢が40歳。

どんなに見た目が若く見えても、ロッカーとして感性が特殊でも、40歳という年齢には抗えません。私も、若い頃はあんなに説教くさい大人が嫌いだったのに、40歳を超えた頃からムラムラと説教欲が湧いてまいりました。

特に身近な人間が超年下だとそれが顕著に出ます。私の夫は8歳年下で、先日webで初対談したのですが、「ちゃんとあいさつしてね」「ウケ狙いとかいらないから、簡潔に」と、取材慣れしていない夫に対して「ささやき女将」レベルでちくちく指導しました。私が連れ出しておいて本当に勝手な話ですが、この経験から、良い夫婦関係の為に一緒の仕事はやめておこうと決意した次第です。

16歳×40歳組み合わせのまずさ

そして、彼らも2人で「おしどり夫婦」としてテレビに出ていたら、40歳の方は反射で、「良かれと思って」指導してしまっていた可能性が高い。相手が16歳だとしたら、私ならきっと所作や敬語から指導してしまうでしょう。

それは、彼女にとっては相当鬱陶しい毎日で、本当の意味での「モラハラ」があったかどうかは闇の中ですが、モラハラ被害にあっていると同等の窮屈さや生きづらさを、長い結婚生活と共演で、ずっと微弱に感じ続けていたのではないかと思うのです。

良かれと思っていた夫と、支配されていると感じていた妻という構図だとしたら、もったいないすれ違いが相当あったのではないかと勝手に想像してしまいます。

夫婦の本当の所は当人同士ではないとわかりませんし、当人同士でも互いのことがわからなくなるから離婚をする訳ですが、現代の結婚はアンフェアが過ぎると続かないものだと、2人の離婚騒動を見て改めて再認識しました。

夫婦がきっちり対等というのは難しいけれど、この分野では夫が、この分野では妻が、と上に立ったり下に立ったりしてバランスを取るのがいいのかもしれませんね。相手のプライドを、世界で一番守ってあげられるのも「伴侶」であるという自戒も込めまして。

(川崎貴子)

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