養豚場で働くタレント小林礼奈インタビュー

「発情するブタを育てたら、ファンを許せるようになった」 アイドルが養豚場に転職して得たこと

「発情するブタを育てたら、ファンを許せるようになった」 アイドルが養豚場に転職して得たこと

養豚場で働くアイドル、小林礼奈さんインタビュー後編。ブタ好きが高じて、芸能活動一時休止中に養豚場に就職した小林さん。そこで最初に見せられたのは、交尾をするブタたちの姿でした。交尾を見たときの最初の気持ちは、「面白い!」 後編では、小林さんの1年半に渡る養豚生活や、ブタに触れたあと変わった世の中への目線について聞きます。

【前編はこちら】なぜアイドルから養豚場に転職したのか? 前田敦子モノマネで炎上した小林礼奈が語る

半年で殺されるブタを愛したい

――殺されるところを見るってかなりショックだと思います。それでもなおブタに関わり続けたいというのはどういうモチベーションなんでしょう。

小林:私がベジタリアンになって肉を食べないとか、ブタが可哀想だってギャーギャー大暴れしてもブタが殺されて、食べられるっていうのは変わらない。ならブタは殺される動物なんだから、屠殺されることも含めて好きでいてあげようって思ったんです。

――可愛いとか、愛でるっていうことだけじゃなくて、残酷なところも含めて接したいと。そこまで受け入れる気持ちは何と言うか仙人みたいな域だなと。

小林:絶対食べられてしまうんだから、だったらその短い半年間でも、私が働いている養豚場のブタだけでも「かわいいかわいい」って愛してあげたいんですよ。

生まれてから養豚場で育っていつの間にか殺されて、のサイクルだから、「かわいいね」ってなでられたことなんてあまりないだろうけど、短い人生の間、ちょっとでもいいから愛されてるという気持ちになってほしいなって。

母性本能が目覚めた?

――そこまでの思いにさせた養豚場の日々も大きいし、礼奈さんも情が深いんですね。

小林:それまではそんなに子どもも好きじゃなかったんですよ。犬とか赤ちゃんを見ても「あ、犬だ」「赤ちゃんがいるなー」くらいだったのが、ブタと働いてから母性本能みたいなものが目覚めちゃったのか、「どんな命もすばらしいんだ!!」って思うようになりました。

――とはいえ、さすがにブタの性介助はキツかったのではないでしょうか。

小林:雌ブタは20日にいっぺんしかエッチな気持ちにならないんだけど、雄ブタはすごく性欲が強くて毎日エッチな気持ちになるんですよ。雄ブタは普段は寝てるばっかりで活発じゃないんですけど、交尾に関してはすごくて、隣のオリのブタが交尾しだすと、さっきまで寝てたくせに「何でおれのオリに雌ブタを入れてくれないんだ」って暴れだすんですよ。私が掃除をしに近寄ると、大きな鼻で私のお尻をツンツンしてにおいをかいで発情するんです。

それを見て人間と変わらないな、なんて思っていました。

日々記していたブタへの思い

小林さんが綴ったブタへの思いノート

小林さんが綴ったブタの観察日記

ぶちまけてるオス
オスブタ(タネブタ)は、10年間、1日3びきの違うメスを抱く生活を送るAV男優
オスがたくさんぶちまけてくれるから、
子がたくさんできる

10年間に何リットルの精子を出してくれただろう
(ブタの精子は人間の30倍くらい)
たくさん働いてくれたから殺さないらしい(社長は)

フツー使えなくなったら殺す
でも、10年、ぶちまけまくったオスの肉はうまくない
せいぜい、カップラーメンの肉らしい
だから、カップラーメンの肉を見たときは思いだす
ブチマケまくったオスの肉なんだと

エッチな目で見てくる男の人は“かわいい”

――アイドルとして、人間の男性から向けられる目に対しても気持ちに変化があったのでしょうか。ブログのコメント欄を見ていると、中にはちょっと怖いコメントもあったりするじゃないですか。小林さんはそれをとてもフラットに受け流しているので、養豚場での生活が反映しているのかな、と。

小林:性的に見られると「私のことエッチな目で見てるんだ〜かわいいな〜」って思うようになりましたね。ブログのコメントについては以前は悪口を書かれたら反論したりしてたんですけど、養豚場で働いたことで情が深くなったのか、そういうコメントをしてくる人にも「私のブログにコメントを書くことで日々のストレスが解消されるならどうぞどうぞ」って気分なんですよ。

私のブログに悪口を書くことが趣味なんだったら取り上げちゃいけないな〜って。そう思ったらみんなかわいいな〜どうぞ発散してくれって思います。

「不倫」なんてできるのは人間のうちだけ

――ブタの観察ノートは自分の気持ちも綴りつつ、観察日記としてもすごくて、読み応えがあります。この観察眼で芸能界という非常に特殊な世界を見て感じることって何かありますか?最近、信じられないような不倫だとか芸能ニュースが世のなかを騒がせていますが。

小林:不倫なんて人間しかできないことですからね。ブタなんて雄も雌も色んなブタとやってるし、一対一の関係なんてないからそれを「不倫」とは呼ばないし。人間は脳が発達しすぎたな、なんて思いますけど、そんなことができるのも人間でいられるうちだけですし、たくさん楽しんだほうがいいんじゃないって思いますよ。

私の中では「不倫はもちろんいけないことだし、ちゃんと生きなきゃ」って気持ちもありつつ、「もっとやれやれ」って思う気持ちもありますね。

――まるで人間界の礼奈さんとブタ界の礼奈さんがいるみたいですね。

小林:こんなことできるのは人間だけですもん。次は家畜として生まれ変わっちゃうかもしれないんですから!!

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