メディアで散見される、女性が男性にモテるためのテクニック。相手に合わせて気に入られる・愛されるという、受け身のスタイルだ。しかし、果たしてそれで幸せになれるのだろうか?
「固定概念に縛られていては幸せな結婚はできない」と話すのは、「戦略的ワーキングマザー」を自称し、戦略的に人生を楽しむためのアドバイスをするコンサルタントの宮本アサギさんだ。10ヶ月のお子さんのママでもある。あくまでも自分がしたい結婚をする、いわゆる男性目線の“理想の妻”を目指す発想とは真逆の「戦略的結婚」の極意を聞いた。
「戦略的結婚」とはスキルアップの手段
――宮本さんが提唱する「戦略的結婚」という考え方では、結婚をどんなものと捉えているんでしょうか?
宮本アサギさん(以下、宮本):結婚はゴールやスタートではなくて、自分の理想の人生を実現するための、ひとつの手段ですね。スキルアップとも言えるかなと思います。
――戦略的な結婚を叶えるには、具体的になにから始めたらいいでしょうか?
宮本:まず、自分の理想の結婚生活を明確にすることが重要です。同時に、自分が“やりたくないこと”も見つける。私の場合、結婚したら家事も育児もきちんとこなして、そのうえで仕事もバリバリこなすなんて無理だと思ったんです。「仕事は続けたいけど家事や育児にはあまり時間を割きたくない」と。
世間では家事や育児を一生懸命やりながら、仕事でも成果を出す女性が称賛を浴びることがよくあります。でも、それは他人の価値観。自分はどうしたいのかを尊重すべきです。掃除や洗濯をしたくないなら、それをしなくて済む結婚を自分で作っていけばいい。言ってしまえば、ひたすら自分が楽しいほう、楽するほうを目指して、自分がしたいことは絶対にあきらめない。それが実現できる結婚を「戦略的結婚」と呼んでいます。
――なるほど。どうしたら、理想の生活を送ることができるんでしょう?
宮本:自分の理想を定めたら、それを達成するためにはどうすればいいかを一番に考えてください。人に言われた通りに動くんじゃなくて、相手を巻き込んでいくというか。「私はこうしたい!」と正々堂々とワガママを言い、相手に理解してもらって、「応援してあげたい」と思ってもらえるような対人関係を作っていくんです。旦那さんを褒めまくって、家事を自らやってくれるようにするとか。ベビーシッターや家事代行を依頼するのもオススメです。
絶対にあきらめず譲らなければ、なんでも叶う
――宮本さんは、どうやってその価値観にいきついたんですか? なにかキッカケはありました?
宮本:キッカケは天職のような仕事に就き、メンターと出会ったことですね。私はもともと、「仕事は決められた役割通りにやるもの」「コントロールされるもの」だと思っていました。でも、28歳で外資系メーカーの営業に転職した時、そこの社長がかなり規格外で、常識やしきたりにとらわれず自分の想いにどんどん周りを巻き込んでいっちゃうような方だったんです。こういう仕事の仕方があるのかと衝撃を受けました。その社長のポリシーもあり、だいぶ好き勝手にさせてもらっていました。まぁ、好き勝手すぎて、定時があるのにしょっちゅう遅刻したり、休んじゃったりもしてましたけど……。
――それ、会社からなにか注意されたりしませんか?
宮本:言われないように営業成績だけは、ちゃんとキープしてました。毎日定時に行く努力より、そっちの努力の方が大事だと勝手に解釈して(笑)。それでも2年目には管理職にもなりましたし、元々育休の前例がない会社だったんですが、それも作ってくれたんですよ! 自分が望めばなんでも叶うってことを実感しました。
――たまたま適正があったとか、ものすごい努力をされたからではなくて?
宮本:そうではないですね。達成したい目的をどうしたらできるかを考えて、絶対にあきらめないし、譲らない。できると思う気持ちを持ち続けて、みんなを変えていけるぐらいの覚悟を決められるかどうかだと思います。
男性とのコミュニケーションが苦手なのは、勇気がないから
――そうしたいと思っても、なかなかできる人っていないですよね。
宮本:そうですね。なぜできないのかって言うと、結局、勇気がないからなんですよ。自分の意思を貫くと周りからどう見られるかが気になったり、家事をやらないと夫に嫌われるんじゃないかとか思ったり。だから、コンサルにくる女性たちに「勇気を持とう」とアドバイスすることも多いです。
――そうすると、意思を貫くことによって誰かに嫌われたり、多少ネガティブなイメージを持たれたりすることがあっても、それを気にしてはいけないということでしょうか。
宮本:そこを捨てないと自分の好きなようには生きられないんですよね。男性とのコミュニケーションがうまくいかないのも、結局のところ勇気がないのが原因なんです。一度誘って断られたら二度と誘えないとか、デート中も嫌われたくないから自分らしいワガママを言えないとか、相手の行動に「それどうなの?」と思っても、その場で言えないとか。あと、自分から電話したりもできないんですよね。
――言われてみると、確かにそういう女性は多い気がします。
宮本:1回断られたとしても、たまたま仕事が忙しかっただけかもしれないし。自分から心を開かないと男性も心を開いてくれないですからね。最初から自分らしく振る舞うことが大切です。「家事をしたくない、仕事は続けたい」と思うなら、勇気を出してそれをハッキリ言いましょう。そして、それを受け入れてくれる男性を探すべきです。