秘密の婚活結社「魔女のサバト」を主宰し、計1万人以上の女性の相談にのってきた川崎貴子さんと、『察しない男 説明しない女』がベストセラーとなっている、作家で心理カウンセラーの五百田達成さんとのライブトーク『これからの理想のパートナーと見つけ方(と狩り方)』レポートの後編。
前編では、婚活においてはとにかく男性と会う機会を増やすことが重要であり、そのためにも女性同士の情報交換を積極的に行い、様々なコミュニティに参加すべし!というお話をしていただきました。後編では、実際に理想の男性と出会ったときにどう行動したらよいのかについて伺います。
【前編はこちら】女性にとって男性の7割は“生理的にキモい” 婚活市場で成功するための極意とは
婚活は男性よりも女性がリードすべき
川崎貴子(以下、川崎):女性が結婚したいというときには、出産したいという希望がセットになっていることが多いと思います。出産できる年齢にはリミットがありますから、結婚を決意して覚悟をきめやすいのは男性よりも女性なんですね。ですから、「プロポーズは男性がするもの」なんて概念は捨てて、婚活においても女性が男性をリードするべきなんです。
五百田達成(以下、五百田):古代の昔から、男性が結婚に前向きだったためしなんてないですからね。よく女性は「付き合っている彼がプロポーズしてくれない」なんて言いますけど、結婚をしたいほうが言わなきゃダメです。
あえて生々しい言葉でいうと、婚活は営業ですからね。「商品を売りたいんだけど、取引先の人そろそろ呼んでくれないかな」なんて言っているような営業マンは売れないですから。
川崎:あとは、しっかりとクライアントにヒアリングすることも重要ですよね。結婚するつもりがあるのか、それは何歳くらいのことなのか。それらの情報をしっかりと聞きだしつつ、期限を決めて営業に行くことが大切だと思います。
女性のお得意の社交力を発揮することが婚活成功のカギに
川崎:そもそも女性は初対面で仲良くなるのがうまいはずなんですよね。女性同士なら「その色似合いますね」とか「そのかばんどこで買ったんですか」とか気軽に話しかけられるじゃないですか。それにも関わらず、相手が男性になり、さらに婚活の場となると途端にガチガチになってしまう人が多い。
結果として男性からのアクションを待ってしまうんです。どんどん自分のほうから話しかけてほしいですね。モテテクで推奨される「肉食女子の巧みなボディタッチ」なんて必要ないですから(笑)普通に話しかけて、にこやかに笑いかけて、その場をリードしてあげればいいんです。そうすれば立派なハントになると思いますよ。
五百田:同感ですね。僕はそれを「大人の社交力」と呼んでいます。それって婚活に限らず、未来永劫どのような場面でも必要な力だと思うんですよね。
川崎:婚活が終わっても、姑やらママ友やら女検定上級者がどんどん現れるわけですよ。受け身でいるだけでは太刀打ちできませんから、社交力を身に付けてサバイバルできるようにしておかないと。婚活を機会に黒帯レベルになっておくくらいの気概が必要です。
五百田:もともと社交力って女性が持っていたはずのスキルなんです。男性から見ると結論がでないような話をファミレスで延々とする、まさにあのコミュニケーション能力を発揮するべきなんですよ。
この間病院に行ったとき、待合室にお年を召した方がたくさんいらっしゃったんですね。見ていると、女性は「膝がわるいんですか?」「腰がわるいんですか?」とおもむろに話をしはじめて、あっという間に仲良くなっている。
その隣でおじいちゃんたちはしかめっ面をしてひとりで週刊誌とか読んでいるわけですよ。やっぱり女性のほうが、いわゆるコミュニケーション力だとか社交力があるんだなと実感しました。
川崎:あと、女性は「男性から話しかけてほしい」なんて言いますけど、気軽に話しかけてくるような人は遊び人ですから、結婚向きじゃないですよ。目もあわせられない、照れてしまって会話もできないという女性慣れしていない人のほうが、結婚後も浮気しない確率が高いはず。そういった人に自分から声をかけていきましょう。
五百田:経営の安定した優良企業に営業しろってことですね。
川崎:はい、しかも未上場のね(笑)
彼と価値観が食い違ったときにはどう解消すればいいの?
――最後に、おふたりに質問がある方はいらっしゃいますか?
参加者:最近彼氏ができたのですが、彼に明らかに好意を持っている女性がいます。しかも今度ふたりで一緒に遊びに行くそうなんですね。「行かないで」と彼に伝えたのですが「考えすぎだよ」と言われてしまいました。
そういう場合、なぜ嫌なのかをしっかりと説明すべきなのか、それとも我慢すべきなのかを悩んでいます。どのように伝えればお互いが納得できるようにすり合わせができるのでしょうか。
川崎:彼はあなたがほかの男性と連絡をとったり、ふたりきりでデートスポットに行ったりするのは構わないんでしょうか。まずはそういった価値観をお互いに分かりあっておいたほうがいいと思います。
涙をためて「やめて」と伝えるというよりは、お互いが相手に求めるものをフラットに話し合う。相手を責めるのではなく、「休日は美術館に行くのか、映画に行くのか」というのと同じようなトーンで話してみてください。そうすれば次第にお互いの嫌なことが分かってきて、これはやめておこう、といったすり合わせができるようになると思います。
五百田:私は川崎さんとは少し違った意見で、話し合いには限界があるかなと思っているんですね。あなたの「嫌だ」という気持ちは生理的な感情に近く、説明しても彼には理解してもらえない可能性が高い。男性からすると、分からない説明をくどくどとされるよりも、「理屈はないけれど、嫌なのでやめてください」と言われたほうが「やめます」と言いやすい。
でも実はこの言語化って意外と行われていないんですよね。「なんか嫌だ」と言うと、感情的な女だと思われてしまうのではないかと不安で、ついその奥の手を隠してしまいがちだからです。でも、嫌なものは嫌なんだから、やめてほしいわけですよね。
ここで重要なのは、「嫌なので」「やめてください」というふたつをセットで伝えることです。「嫌だ」という感情を「やめてほしい」という行動レベルにまで落とし込んで説明するのが対男性コミュニケーションの基本ですので。「嫌だ」だけだと「じゃあどうすればいいんだよ」となってしまいますし、「やめて」だけだと「なんでだよ」と思ってしまうのが男性なんです。ですから、そのふたつをセットにして伝えれば、意外と相手は納得してくれるんじゃないでしょうか。
女性から積極的に行動を起こすのが今の婚活成功のカギ
ひと昔前の花嫁修業と言えば、料理に掃除といわゆる「女子力」を高めていくことに焦点が当てられていました。一方で今の婚活は、そういった「女子力」だけでなく、女性から積極的にアクションを起こすという新たな力が必要とされているようです。
ただし、新たに必要とされている力といえども、それは女性に本来備わっているはずの会話力やにこやかな笑顔を活用するだけで十分だそう。自分自身の魅力という「女子力」を発揮すれば、納得のいく婚活ライフを送れるのではないでしょうか。
川崎貴子さん連載「自立という幸福」はこちら
(岡本実希)