性同一性障害やLGBTについて社会的認知が進み、セクシュアルマイノリティへの理解も深まってきました。そうした動きは、これまで異性を好きになるのが当たり前だと思い疑問を持たなかった人にも、改めて自分の性的指向を見つめ直すきっかけになっているかもしれません。
「自分はバイだと思う?」と尋ねたウートピ世論アンケートでは、78%もの人が「思う」と回答。回答者はLGBTに関心が高い層が中心と思われるため、一般的な割合とは言えないかもしれませんが、男女両方に性的魅力を感じている人がいることは確かです。コメントに寄せられた彼らの率直な思いからは、バイについて、あるいは性そのものについて、様々な考えがあることが伝わってきました。
【アンケート】「自分はバイセクシュアルかも」と感じたことはありますか?
※サンプル数:973人(1月22日現在)
※ウートピ世論調査結果より(投票結果はコチラ)
※回答はわかりやすいよう一部表記を変更しています/すべてのコメントはウートピ世論をチェック
<アンケート結果>
「ある」・・・・・78%
「ない」・・・・・22%
性的対象が揺らぐのはどんなとき?
「ある」とした意見では、女性特有のかわいらしさや美しさに性的魅力を感じる、という意見が目立ちました。
・かわいい友人と普通に喋っていても、キスしてみたい、抱きしめたいと思うことが多いので。付き合ってきた人たちは今のところ全員男性ですが今好きな人は女性です
・男の人としか付き合ったことはないけれど、最近男性より女性の仕草や身体にキュンときます
・どちらの肉体に欲情するか?と聞かれると、女体です。男性としか付き合ったことはないけれど
・高校時代がレズビアンだった、女子高出身で。私の同級生にレズビアンの友だちとかもいました。ふたり目以降に付き合った人はすべて男性ですが
また、
・男性を好きな時は女性の気持ちに、女性を好きなときは男性の気持ちになっている
と、相手によって自分の気分や感じ方が変わるという意見もありました。
「バイを認めて楽になった」
「人は異性を好きになるもの」と社会に漂う意識の縛りが、性的マイノリティを抑圧していた部分は大きいでしょう。同性に恋愛感情を抱くことがあっても、思いにふたをしてきた人もいるかもしれません。コメントでは、バイという認識を知って初めて、心が楽になったという人もいました。
・ノンケかレズかバイを選べと言われるならバイ。でもそんなに分けられるものでもないと知ってから楽になった
・男の人も女の人も好きになる自分にかなり長い間混乱していたが、バイセクシュアルを自認した瞬間呼吸が楽になったから。今もセクが安定していない気がしますが、それでもいいじゃないかと思っています
・性自認は必ずしも白黒ではなく、グラデーションでいいんだという発想を知ってから、自分の中のあいまいな性指向をそのまま認めるようになった
性別ではなく人間性を愛するという意見も
中には、男性性や女性性に惹かれるというより、その人そのものを好きになるという意見もみられました。
・男の人を好きになったとしても、”男”を好きになったとは一度も感じたことがないから。つまりただ私は人間として魅力を感じた人が好きらしい。
・男の人とも女の人もお付き合いした経験があります。人は人の性別でなく、その人の人間性に惹かれるのだと思っています
さらに、
・特に好きになることに性別は関係ないので、バイというよりはパンという自認
・人間を好きになるのに性別なんか関係ないのでは?
という意見も。パン(パンセクシュアル)とは「全性愛」を指し、性的指向に関係なくあらゆる人を愛することを意味します。ジェンダーやセクシュアリティの枠を取り払うことで、相手の人間性の素晴らしさがよりクリアに見えてくるのかもしれません。
一方で、「ない」という回答では「同性をリスペクトしたことはあってもキュンとしたことはない」という声もありました。セクシュアリティは、あくまで個人的なもの。自分の感じ方や、人それぞれの感じ方を大切にし、その違いを互いに尊重し合える社会でありたいものです。