派手メイクの「ドラァグクイーン」に憧れる男児が話題に 母親の秀逸な対応とは

派手メイクの「ドラァグクイーン」に憧れる男児が話題に 母親の秀逸な対応とは

朝の情報番組『あさイチ』(NHK)では1月6日、「こどもがLGBT 親ならどうする?」という特集を放送。NHKの朝の時間帯にLGBTのトピックが取り上げられたことに加えて、その放送内容や出演者のコメントが話題になっています。

『あさイチ』でイノッチが伝えたこと

番組では冒頭、11月に渋谷区で同性パートナーシップ条例が認められたことやLGBTのそれぞれの性的指向を説明。スタジオに登場したLGBT当事者の話や、同性婚が認められ、学校では徹底して「女らしさ」「男らしさ」を押し付けない教育を実践しているスウェーデンを取材したVTRとともに、子どもからカミングアウトされた時に親としてできることを徹敵的に考えるといった内容でした。

番組放送後、ネットでは反響が続々。特に、番組MCであるV6の井ノ原快彦が、「人として付き合っていけたら一番良い。LGBTであってもなくても良いひとも悪い人もいる。今日(番組の放送内容を)観たことでわかった気にならず、また理解者になろうとする前に自分ならどうするかをまず考えよう」とコメントしたことに同意や賞賛の声が溢れていました。

ドラァグクイーンのメイクに憧れる8歳の少年

そんな中、フロリダではドラァグクイーン(※1)に憧れる8歳の少年イーサン君が注目を浴びています。MACのメイクレッスンの修了認定を受けたばかりであるジョーイ・キルマイヤー氏が、最初の顧客としてイーサン君に濃いアイメイクにセクシーなパープルのリップを施した様子を自身のSNSにアップ。

アップされた写真にはジョーイ氏の横に、ド派手なメイクを施され、恍惚とした大人びた表情で写るイーサン君がこちらを見ており、その写真は瞬く間にたくさんの人にシェアされていきました。

※1:男性がメイクをし、ハイヒールやドレスなどの衣装を身にまとって行うパフォーマンスの一種。著名人ではマツコ・デラックスなど。

母親は全力で息子を肯定しサポート

イーサン君の母親である35歳のシーズンさんは、イーサン君がドラァグクイーンに憧れていることについてとても肯定的に受け取っており、全力でサポートしています。「イーサンはもっと幼い時からメイクに興味を持っており、外出前にメイクをしている私を見て、『ボクにもメイクをさせてくれない?』と聞いてきたこともありました」と語ります。イーサン君のメイクアップへの熱意を知っていたので、シーズンさんは親として何かサポートしたいと感じてきたのだそうです。

そんな中、シーズンさんがイーサン君を連れてMACで買い物をしていた際、売り場マネージャーの女性からイーサン君が誘われ、メイクの適性と技術を学ぶためにジョーイ氏のメイクのチュートリアルになることになったと言います。

イーサン君は、奇抜なメイクとファッションによってアメリカで人気を集めるシンガーソングライターのジェフリー・スターのようなドラァグクイーンメイクをジョーイ氏にメイクをお願いしました。ジョーイ氏がまずイーサン君の顔半分にメイクを施し、もう半分をイーサン君自身がコピーをして完成させました。

母親に無条件で肯定されているイーサン君

イーサン君にメイクを施したジョーイ氏はSNSに「イーサンはとても才能がある男の子だ。そして何よりも、シーズンさんがイーサン君のあるがままを信頼していることに胸を打たれた」とコメントしています。ジョーイさんは、イーサン君の自分の進む道への強い気持ちは彼がもっと幼い時からシーズンさんのおかげで育まれてきたものであり、その姿はこれからの子どもたちにとって「人と違っても良いんだ」と希望を持てるものだと言います。

ジョーイさんはまた、「イーサン君がゲイであろうとなかろうと関係ありますか? 私は本当にシーズンさんの、彼が彼であることを肯定する姿勢を尊敬します」と述べています。

「愛情のある放任」が自己肯定感を高める

シーズンさんは、メイクアップとは絵描きやその他の芸術活動と同じ、表現方法のひとつだと捉えています。彼女はイーサン君を大変誇りに感じ、これからも彼がどんなことを選択しようと無条件で支えたいと話します。

「イーサンのメイクへの情熱は、彼のセクシャリティによって混同されるべきではありません。中には彼の性自認や性趣向について考えをめぐらす人もいるでしょう。でも彼はいま8歳ですからそんなものはまだ明確ではありません。私はイーサンのそれらはどうでも良く、彼にはただ、自分の情熱や才能を伸ばして欲しいと思います」

シーズンさんの話を聞くと、「子どもがLGBTだったらどうする?」と腰を据えて考えること自体、まだまだ偏見ありきで受け入れざるを得ない現状なのかもしれません。子どもがどんな性自認や性趣向でも構わない、むしろそれらはどうでも良い、何かを選択したら全力でサポートする。そんな愛情のある放任とサポートは、子どもが自己肯定を高めることにもつながります。これからの親世代が持つべき姿勢なのだと感じさせられました。

参考:METRO

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