たくさんの男女が行き交う会社でしばしば囁かれる、不倫の噂。姉妹サイト「ウートピ世論」でも、「あなたの周りに不倫してる人はいる?」という質問に75パーセント以上が「はい」と答えている。
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社内不倫はどこまでバレているのだろうか。大手企業の人事によると、「会社にとって有益な不倫は目をつぶる」という。会社にとってプラスな不倫、マイナスな不倫とはなんなのだろうか。不倫についての著書を多く持つ亀山早苗さんが語る。(編集部)
“職場の不倫”は常識?
学生時代、ある会社で長期間、アルバイトをしていた。ある夜、繁華街のラブホテルに、その会社の某部署の男女が入っていくのを目撃してしまった。ふたりとも、それぞれ結婚しているはず! びっくりしたが、誰に言うわけにもいかない。
しばらくたって、私に仕事を教えてくれていた女性社員と食事に行ったとき、そのふたりの話題が出た。
「実は前に……」とラブホ目撃事件を話すと、「あのふたりは社内では有名よ。みんなに知られていることを本人たちもわかってるはず。社長も知ってるんじゃないかな」とさらり。大人の世界はすごい、と唸ったことがある。100人規模の会社だから、隠すのは無理なのか、あるいは知られてもかまわないと思っていたのか。以来、注意深く見てはいたが、そのふたり、社内ではそれらしき態度はいっさい、とっていなかった。
不倫に対する様々な対応
周りの会社員たちに聞いてみると、不倫に関しては会社によってまちまち。「うちは問題を起こさなければ、別に話題にもならない。あまりに不倫の噂が多すぎて(笑)」
と言った人から、「うちはちらっとでも噂になったら、速攻で人事部が飛んでくる」と言う人まで。
「社内コンプライアンスがどんどん厳しくなっている。うちは女性社員に『おはよう』と声をかけるにも気を遣う。外回りに男女ふたりで行くのはしかたがないけど、途中でふたりだけでランチをとってもいけない。一度会社に戻ってきて、誰かを交えてランチに行くか、ばらばらで行くか……。そこまで会社が関与するのはおかしいと思うけどね。仕事以上に疲れるよ」そう言った50代某会社員。それはやりすぎだろう、と気の毒になる。そんなことをしていたら、むしろ仕事の能率が悪くなるのではないか。
大手企業の人事は不倫をハンドリングする
以前、某大手企業の人事部長と話したことがある。
「会社側から見ると、生産性のある不倫と生産性のない不倫があるんですよ」
人事部長の一言に、目が点になった。「われわれは、生産性のある不倫には目をつぶりますが、生産性のない不倫はたたきつぶします」目が点どころか、目玉が飛び出しそうになる。いったい、どういうことなのか。
「生産性のある不倫というのは、そのふたりがつきあうことによって仕事の効率が上がる、業績が上がるということ。たとえば20代後半くらいの仕事に慣れてきて、やる気満々の女性と、やり手の上司が不倫した場合。その女性は上司により好かれたいから、仕事もますますがんばるようになる。上司も惜しみなく、彼女に仕事のスキルを叩き込む。恋愛が仕事にもいい影響を及ぼすんですね。そして、その彼女がどこでもやっていけるようになったころ、海外出張、海外駐在などにどんどん出していく。そうすれば、自然と不倫も解消される。それまでは目をつぶろうということです」
逆に生産性のない不倫とは……。
「イマイチやる気のない男女の組み合わせですね。恋愛に埋没するから、ますます仕事をしなくなる、下手するとミスも増える。部署全体の士気が下がるわけです。こういう場合は、男のほうをすぐに呼んで、『しばらく地方へ行くか』と声をかける。そうするとすぐにふたりは別れ、少なくとも男のほうはやる気を見せるようになります。このパターンは、早いうちに関係を潰したほうがいい。だからわれわれは、けっこう細かく社内の人間関係を見ているんですよ」
うーん。会社って怖い……。
誰も気づいていないと思って不倫を続けているアナタ、会社は案外知っていながら泳がせてくれているのかもしれませんよ。
(亀山早苗)