ソフト・オン・デマンドインタビュー(前編)

男性はAVに何を求める? “変な企画”が生まれるワケをメーカーに聞いた

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男性はAVに何を求める? “変な企画”が生まれるワケをメーカーに聞いた

最近は女性向けのアダルトビデオ(AV)も増えてきていますが、女性の中でも女性向けではなく、男性向けAVを鑑賞したことがある人もいるのではないでしょうか。男性向けAVを鑑賞したり、そのラインアップも目にしたりするとき、ふと不思議に思うことはありませんか? 筆者も感じたことのあるその疑問がこちら。

「このAVで、本当に興奮するの?」

ただ単にセックスするだけではなく、たとえば地上20メートルの高さで吊るされながらのセックスだったり、マジックミラー号の中でセックスしてみたり……。その要素って本当に必要?

男性にとっての「エロ」ってなに!? AVを観て興奮するポイントってなに!? 女の私にはイマイチ分からない! 誰か説明してほしい! ……ということで、変わった企画が多いけれど、男性からは圧倒的な支持を受けているAVメーカー「SOFT ON DEMAND」(ソフトオンデマンド。通称SOD)に疑問をぶつけてきました。答えていただいたのは、SODの売れっ子監督である木村真也さんと、プロモーション部の長嶺浩平さんです。

ユーザーは「新しさ」と「刺激」を求めている

――SODといえば、変わった企画をやるAVメーカーというイメージが強いですね。

木村真也監督(以下、木村):それは、創業者(高橋がなり氏)が繰り返し口にしている理念が「SODはAVの開拓者になる」ということだからだと思います。SODはこれまでのAVにない企画や撮り方を開拓する企業なんです。SODがやって、それで「コレ売れるな」ってわかっていろんなメーカーさんが真似してくれればいいと思っています。フロンティア精神じゃないですけど(笑)、「AVの可能性という道」を作る感じですね。今売れている企画に乗っかろうっていうのは、SOD社員はあまり考えていないような気がします。

――AVは基本、男性の性欲処理に使われるものですよね。しかし、例えば「地上20メートル空中ファック」「全裸雪山ハイキング」のような作品は、「それエロいの?」「わざわざ見たいの?」と不思議に感じます。変わった企画の多いSOD作品を好む方は、どういうつもりで見ているのでしょう?

長嶺浩平さん(以下、長嶺):「作品」だと思います。「SODは面白い作品を撮り続けている会社だ」というブランドイメージを、ユーザーのみなさんは抱いてくれている。面白くて、今までにないエロい企画をやってくれているんだろうな、というワクワク感があるから手に取ってくれているんだろうなと思います。

木村:ずっと「無難なAV」でオッケーみたいな男性もいますよ。でも、男性の半分ぐらいは、かわいい子がエッチしているだけじゃ満足できない! 刺激が足りない! と思って、「新しいものを求めている」んじゃないでしょうか。ただ、すごく新しい企画モノをやったとしても、1作目はまあまあ売れたけど2作目でガクッと落ちることも多いんですよ。最初はワクワク感で買うんですけど、そうでもなかったなーって思ったらもう買わないんじゃないですか。オナニーのグッズとか方法もそうですけど、ずっと同じものじゃなくてまた別のもの、別のものってなる。毎日やってることだからマンネリになってくるんでしょうね。

男性はAVに何を求める?

左:木村真也監督/右:長嶺浩平さん

――1回観たAVは、よっぽど気に入ってない限り再度観ることはない、と聞いたことがあります。

木村:そうそう。AVのシェア的には、かわいい女の子が普通にエッチなことをしている分かりやすい構図の方が需要があるんですよ。だけど「新しい企画作品」にも一定の需要はあります。知的好奇心を刺激して、かつ、抜く需要を満たす作品も、男にとっては重要なんです。

「男のケツなんか見たくねぇ!」に応えたAVとは

木村:ユーザーさんから「こういう企画を作って」って、分厚い企画書が送られてくることがあります。ユーザーさんが企画者の企画として弊社で有名なのが「手コキクリニック」。セックスが入っていなくてもいい、ナースさんが医療行為の延長で手コキで抜いてくれればいいという企画でした。でも当時はまだ「ビデオで手コキなんて見るわけねえだろ」っていうのが常識だったんですが、溜池ゴロー監督が撮ってヒットして、「手コキ」がひとつのジャンルとして普通にあるような状況になりました。「手コキクリニック」は15年以上続くシリーズになっています。

――よく聞きます、そのジャンル。

木村:あと、 DVDにハガキをつけているんですよ。

――アンケートハガキみたいなものですか?

木村:そうです。ユーザーさんのリアクションは大事です。アンケートでの意見は、「男優がウゼェ」「モザイクが濃い」が多いです。「男のケツなんか観たくない!」とか、「男優のすね毛が気持ち悪い」とかね。……にも関わらす、「レズが観たいわけじゃないからチ〇コは出せ」と。

その願望を叶えるために、男優さんが壁とか机とかからチ〇コだけを出し、女優さんがそのチ〇コで自主的に乱れる作品を作りました。そうしたら、ものすごく反響が良くて。シリーズでもう6本リリースしました。年末にも同じシリーズの新作を出す予定です。

――男優さんは見たくないけどチ〇コはOKって、ちょっと理解できません。

木村:映っている男優さんに気に入らない部分があると「コイツには全く感情移入できない」ってなって、不愉快なセックスを見せつけられているって思ってしまうんだと思います。でもチ〇コだけだと、なぜかどのチ〇コにも感情移入できるっていう(笑)。全部自分のつもりで鑑賞できると。

――男の人の声とかも入ってないんですか?

木村:入ってないです。現場では「ハアハア」とかあったけど、それはMA(音声編集作業)でカットして。

――男優さんもその方が楽なんじゃないかってちょっと思ってしまいました。

長嶺:いや、現場ちょっと見ましたけど、大変そうでした。男優さんはやっぱりプロだなって思いました。

木村:壁がこのへん(体のすぐ前)にある状態でずっと勃たせておかなくちゃいけないっていう。寄りかかったり手で押すと壁が倒れちゃうんで、崖っぷちに直立で立ってるみたいな感じ(笑)。

【後編はこちら】服を脱がすシーンがいらない理由とは? AV監督に聞く男性の不思議

(取材・文/シマヅ)編集協力 プレスラボ

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