3月17日、20代の男性ベビーシッターのマンションで、2歳の男児が遺体で発見されるという悲惨な事件が起こった。男児の母親は、インターネットのベビーシッター紹介サイトを通じて紹介された、面識のないベビーシッターにこの男児と8か月の弟を預けていた。ネット化によって、以前に比べ手軽かつ格段に安く利用できるようになった育児支援サービスだが、この事件をきっかけにツイッターではその責任の所在について議論がなされている。
子供を預けた母親が悪い
ネットでは、この事件に関して、見ず知らずの男性に子供を預ける母親に対しての批判が殺到している。
・見ず知らずの奴に命懸けで産んだ自分の命より大切な子ども預けるなんて頭おかしい。これどう考えても母親が悪いだろ・・・
・メールを何度かしたからって、顔も知らない人に2歳と0歳の子供を預けるなんて考えられない。母親が悪いよ。
・そんな小さい子を知らない男に3日も預けるなよ。これだから最近の母親は
母親たちが反論
この意見に対し、母親たちからは反論の声が上がっている。
・どういう選択をしても何らかのリスクはあって、でも何かの方法を選ばざるを得ないのに、子供に何かあったら全部母親が悪いっていうの本当に頭に来る。
・マンションに子供を置き去りにした事件の時はみんな「シッターとか使えばいいのに」って言ってたのに、いざシッター使って事件が起きたら、預けた母親が悪いってことになる。一番悪いのはこのシッターじゃないの?
・急な夜勤だったらしいね。乳幼児ふたりを育てるシングルマザーに、平然と夜勤を振ってくる職場があるんだよ。女性がそういう働き方をせざるを得ない現実がある。
父親はどうした?
母親だけが「悪」とされる状況の中で、その目が父親に向けられないことについても疑問の声が上がっている。
・何かあれば母親が悪いってなるけど、父親はどうしたの?
・ネットで見知らぬ人に預けた母親ばかりが責められてるけど、もし預けたのが父親だったら? 「仕事だったら仕方ないよね」となりそう。
「母親が悪い」「悪くない」という議論の中で、「そんな形態のビジネスを放置し、適切な監督と規制をしていなかった行政が悪い」という声もある。安倍政権が掲げる「女性がより働きやすい社会」を目指すためには、こういった育児支援サービスはお母さんたちの大きな味方になりうるはずだが、今回の事件をきっかけに足止めがかかってしまうのだろうか。
(文=編集部)
画像:Original Update bNathan & Jenny