安倍政権が謳う「女性が輝く社会」は、女性の社会進出や雇用促進を目指し、その対策として「男性優位の雇用環境の改善」「男女役割分担意識の変革」「シングルマザーや非正規雇用の女性を支援」を行っていくとしています。しかし、この希望に満ちたメッセージを、当の女性たちはあまりよく思っていないようです。
「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(World Assembly for Women in Tokyo, 略称:WAW! 2015)」での動画
ウートピの世論調査では、84%の女性が「女性が輝く社会」にイラっとすると回答しました。その理由は一体なぜなのか、ウートピ読者たちの思いから探ってみました。
【アンケート】安倍政権が推進する「女性が輝ける社会」にイラッとする?
※サンプル数:783人(10月8日現在)
※ウートピ世論調査結果より(投票結果はコチラ)
「する」・・・・・84%
「しない」・・・・・16%
「女性が輝く社会」は結局たて前に過ぎない
※回答はわかりやすいよう一部表記を変更しています/すべてのコメントはウートピ世論をチェック
まずは、「イライラする」と回答した人の意見をご紹介しましょう。
・じゃあ、男性が輝いているの?と聞きたくなる言葉。男社会の政治家、官僚が連呼する「女性の輝き」って相当薄っぺらい
・女性を安価な労働力としか見てないことが伝わってくる
・男社会の都合で「家に入れ」と言ったり「外で働け」と言ったり…男の都合で女を動かそうとしているから
・実際には家事に育児に介護にと、男性と対等の立場になれず、対等の条件では働けない。でも、女性からも対等の条件で税金をとろうという政策の始まりだと思う。扶養控除もなくすのでは?
少子高齢化の問題を解決できない日本は、労働人口の減少が緊急の課題だと言われています。安倍政権が「女性が輝く社会」をスローガンに掲げた背景には、労働者確保、人手不足解消が目的にあると多くの女性が感じているようです。
見せかけのフェミニズム。女性の負担は増加している
・出産、育児、家事、さらには労働と、全部1人で出来ません
・女一人で生きて、子供も作らないならこの政策は有りだと思うが、この政策で子供を産まなければいけないのならば、女の奴隷化がひどくなっている気がする
・家事、育児、介護など家庭のなかの事は女性が主体。さらに労働、しかもパートや派遣。正社員待遇での再就職はほぼ無理。保育所は待機児童もたくさんで、なかなか希望通りの就業は無理。女性の負担ばかり増えているのに、結婚~子育て~介護等々と考えるだけで気が滅入る。給料も上がらず税金、年金負担ばかり増える、自分一人の生活でやっとの収入で子育ては無理でしょ
「女性が輝く社会」は一見、フェミニズムやジェンダー問題に呼応する政策のように見えますが、その実、女性に求めていることは「産めよ増やせよ」と言われた時代とそう変わらないのかもしれません。
「きっと社会は変わる…と期待したのに変わらなかった」今の女性たちは疲弊している?
・転職活動時の面接で、「産休、育休のリスクがあるあなたを雇いません」とズバッと言われた。募集要項では「結婚していても、子供がいても働きやすい環境です」とあったのに…
採用現場や職場で、こうした暴言やひどい扱いを受けたという報告は未だに途切れることがありません。男女平等の幕開けとも言える男女雇用機会均等法制定からおよそ30年が経ちますが、社会に根強く残る性差別やジェンダー意識は一向に是正されることなく、現在に至っています。「女性が輝く社会」という言葉を耳にしても希望を抱くことができないのは、それだけ多くの女性が長い間、期待を裏切られ続けてきたからではないでしょうか。
「イライラしない」の意見に映る憤りと悲しみ
・今まで社会進出しようとした女性がいないことにされていた社会よりはまだ女性の権利が尊重されている気がするからちょっとはマシ
「イライラしない」と回答した人の意見でさえ、マイナスの地点から発せられたささやかなプラスという印象。果たして「女性が輝く社会」という言葉を、アイロニーを交えず口にできる日は来るのでしょうか。