男性の不潔な面を見ると気持ちが醒めてしまいます。見た目がイケメンでも、部屋に遊びに行くと、部屋の隅にホコリが溜まっている、洗っていない下着が落ちている、布団から変な臭いがする……。いつもそれが理由で別れ、現在、独身です。私は潔癖症ではないのですが、私と同程度の衛生意識を持っていてほしい。これってワガママでしょうか?(35歳・研究職)
一見清潔そうでも部屋は違う人は結構いるわよ
清潔感って元手いらずのモテ要素よね。そりゃイケメンとか金持ちみたいな物理的なパワーも強力だけど、そのへんに恵まれなかった男でもちょっと気をつけてりゃなんとかなりそうなのが「清潔感」や「優しさ」だし、確かにこの2つって多くの女子が重要視してるもの。
でも、デートや仕事の場ではある程度の清潔感がある人でも、プライベートな生活の中じゃどーかしら。
これ男に限らず、女も自分だけの空間ではヒドいって子けっこう多いわよね。職場ではデキる女を演じていても、決して誰も入れない自宅は、ゴミ屋敷おじさん並の汚部屋でした!なんて、「片づけられない女たち」みたいな存在も一昔前に話題になったし。
何を隠そう、実はアタシも……笑
結局、他人様向けに気を遣ってるだけで、自分一人ならそこまで清潔を求めてない人はウジャウジャいるってこと。
実はアタシもそうなのー。うちなんて、ホントひどいもんよ。部屋の隅にホコリが溜まってるどころか、部屋のど真ん中でケセランパサランみたいな毛玉が蠢いてんだから(猫毛と衣装埃が絡まってるかんじ)。
仕事で女装とかしてると勝手に、ロココ調インテリアのピカピカの部屋で優雅に過ごすお掃除お料理好きなオネエさん、みたいな想像をされることがあるんだけど、もう何一つあってないからー。
見た目のイメージとのギャップといえば、以前、新宿2丁目のクラブ店員さんに聞いた話。
2丁目のクラブって多種多様なイベントが開催されてるんだけど、終了した時の店内の汚れ具合がどうだって話題になってね。一番キレイなままなのが、『ひげナイト』みたいな、一見むさ苦しいヒゲや胸毛の兄貴たちが集合するパーティーなんですって。みんな萌えビジュアルとしての野郎コスプレはしてるけど、中身はドリンクもいちいちカウンターに返して店員への笑顔も忘れない奥様気質なのね……。で、逆に一番ゴミが散乱してて汚れてんのは、レズビアンパーティーだって言ってたわ(笑)。
他人と共に暮らす意味を考えてみて
話がそれちゃったけど、要するに男とか女とか関係なく、散らかす人はいっぱいいるってこと。
イケメンが部屋に迎え入れてくれてんだから、下着が脱ぎ散らかしてあるくらい、なんだってーのよ。むしろ好きな人ならクンカクンカ匂い嗅いでるわよ。
というか、「いつもそれが理由で別れてきた」って、十分、「潔癖性」だと思うわよ。
そりゃ中には本当にあり得ないレベルの不潔モンスターもいるんだろうけど、35歳まで毎回、相手の「不潔さ」が理由で別れ続けてきたってのは、けっこうすごいわ。もう普通の他人とは暮らせない危険性もあるわね。家事カンペキなマーサ・スチュワートみたいな人じゃないと一緒に住めないんじゃない?
もちろん、好みはそれぞれだから、そこを必須条件に掲げるのは自由だけど、「他人と共に暮らす」ってのは、あなたとは違う価値観との擦り合わせが必要になる作業なのよ。
たとえば、脱ぎ散らかす男相手なら、それを「まったくもう……」と言いながら、片付けてやるのも擦り合わせ。もしくは、片付けるように調教するんでも、自分が下着をクンカクンカ喜んで嗅ぐようになるんでも、共に暮らしていくための落とし所を見つけなきゃいけないわけよ。
自分はこれだけ立派な衛生意識を持っているのに、相手は持っていない。だから、別れるってんなら、そもそも他人と身を寄せ合う意味もないわよね。違う人間とくっつくってのは、そういう価値観の溝を埋めるパーツや接着剤を、二人で作り育てていくってことなんだから。
すぐにイライラする「心の狭さ」が問題かも
あなたが気高く清潔に生きるおひとりさまになるって覚悟するならそれもいい。
でも、まだ誰かと共に生きたいと思うのなら、清潔な正しい自分と違って「不潔な間違った相手」だから別れるんじゃなくて、「衛生意識が高すぎて不潔さにすぐにイライラしてしまう心の狭い自分」の状況を相手にわかってもらって、その上で二人が一番納得できる着地点を共に探していかないと、しゃあないんじゃない?
そもそも衛生とか抗菌とかばっかり言ってると、そこで生きてる人間はどんどん抵抗力が弱くなるとも言うしね。汚れを嫌い過ぎる心って、ホコリだけじゃなくて、人間も寄せ付けなくなりそうだもの。あなたの体からだって、常にいろんな垢や液が出てるんだからね。
他人を受け入れるって、「汚れ」を受け入れることでもあるんじゃないかしら。
あ~ん、アタシはむしろ汚されたい!(これ以上……?)