世の中には超ポジティブで明るい人がいるかと思えば、ネガティブで後ろ向きな人もいて、まさに十人十色です。それぞれの人にいいところはあるのですが、その個性が極端な人は周囲から「ちょっとウザイ」と思われがち。意外と周囲にウザがられている人ほど、本人は気付いてない場合が多いかも。
では、ウザイと思われない人になるにはどうしたらいいのか? その答えはディズニー/ピクサー映画『インサイド・ヘッド』に描かれています。この映画は、思春期の少女ライリーが引っ越し先になじめず、孤独感を増していき暗くなっていくのを、彼女の脳内の5つの感情、ヨロコビ、カナシミ、ビビリ、イカリ、ムカムカが、幸福へ導こうとする物語です。この5つの感情キャラたちのやりとりを見ていると、大人でも「ハッ!」と気付くことがあるのです。では、ウザイと思われない人になる振る舞い方を、この映画から教えてもらいましょう。
1.人生には挫折も大切。ヨロコビを追求しすぎないこと!
人は幸福になりたい願望が強いから、5つの感情の中でもヨロコビはリーダー格です。いつも明るく元気で良い感情です。でもどんな状況でもハイテンションだから、ときに周囲を疲れさせることも。ヨロコビのポジティブシンキングは場合によっては「空気の読めない女」にもなるわけです。
失恋して凹んでいる友だちに「そんなウジウジしないで~、笑って~。他の男がすぐ見つかるって」となぐさめても、相手が静かに心を落ち着かせたいという場合「やかましい!」と思われるでしょう。人生には挫折も必要。それを乗り越えて強くなっていくわけですから、強引にヨロコビ感情、つまり元気を押し付けないで、温かい眼差しで見守ってあげましょう。
2.一緒に悲しむことが、カナシミの気持ちの上手な使い方
ちょっとネガティブで物事を悪い方に考えがちなのがカナシミの特徴。映画『インサイド・ヘッド』でもやたらポジティブなヨロコビはカナシミのことが理解できませんからね。物事に対して慎重ゆえに、ダメだった場合を想定せずにいられない。でも実は「そんなことないよ、できるよ」と言ってほしい本音の裏返しなのです。そんなところが「ちょっと面倒くさい」と思われるのかも。
しかし、傷つきやすいカナシミだからこそ、傷ついた人の気持ちがわかるはず。友達が落ち込んでいるとき「しんどいよね」と、一緒に悲しんであげられるのがカナシミのチャームポイント。弱い心に寄り添う、そのやさしさがあれば、ウザいどころか、友だちや恋人に甘えられる存在になるでしょう。
3.イカリの矛先を間違えなければ、リーダーになれるかも!
映画『インサイド・ヘッド』では怒りがすぐ沸点に達して、大騒動などトラブルを招くこともあるイカリ。この感情は瞬間湯沸かし器的にカーっとなるので、それが頻発すると、周囲から「あの人、怒りっぽい」と、腫物にさわるような扱いを受けるのです。でも、会社でパワハラ、セクハラなどに遭遇して悩み、泣き寝入りしたり、我慢したりする人がいたらイカリの出番、イカリ感情をフル稼働させましょう。
ただし、怒鳴ったり暴れたりせず、その荒ぶる感情を抑えて、理詰めというボディブローでイカリを表現するのです。特に職場では理論武装のイカリは効果あり。イカリの感情を上手にコントロールできれば、ウザイどころか、頼りになるリーダーにもなれますよ。
4.ビビリとムカムカはあなたと周囲を守る防御になるはず
映画『インサイド・ヘッド』のムカムカとビビリ。ムカムカは嫌いなものに対してプンスカしてゴキゲンがナナメになります。周囲は「また御機嫌ナナメだよ~」と、ムカムカの神経質さに疲れちゃいそうです。またビビリは、ささいな危険を恐れてすぐ退くので、周囲に「メンタル弱いよね」「やる気ないよね」と呆れられそうです。でも、このふたつの感情は使い方次第で自身を守ってくれる盾になるのです。
ムカムカは文句が多いけど、苦手なものを排除するのが得意。周囲の人の苦手意識を把握して「イヤ!」といわれるようことはしない、見せないことを心がければ、意外と周囲に平穏をもたらせます。そしてビビリは怖がりだから、危険をいち早く察知して知らせることができれば、感謝されることもあるでしょう。
こうやって見ると、やはり人間が持つ5つの感情は、その人のやる気をうながしたり、危険から守ったり、なぐさめたりといい仕事しているのです。これらの感情をストレートに出しちゃうとウザがられ、ドン引きされますが、4つのポイントを心がけておけば、ウザイと思われることを回避して、周囲との良い繋がりのきっかけになります。自分の感情と上手に付き合うコツ、映画『インサイド・ヘッド』から学んでくださいね。
『インサイド・ヘッド』7月18日(土)、全国ロードショー