『お母さんから自由になれば、結婚できる。』著者・大安ケイコさんインタビュー

結婚できない原因はあなたのお母さんかもしれない 娘の結婚を邪魔する毒母の心理

結婚できない原因はあなたのお母さんかもしれない 娘の結婚を邪魔する毒母の心理
娘の結婚を左右する毒母の存在とは?

大安ケイコさん

お母さんが理想の男性像を押し付けてくる。お母さんからの条件が厳しすぎてどんな男性を連れていってもダメ出しの連続だった。子どもの頃からお母さんに否定され続け、自分に自信が持てない。両親の仲が悪くて幸せな結婚へのイメージがわかない――。

そんな母親から受けたものの見方や恋愛観を見直し、自分らしい結婚へと導く婚活本『お母さんから自由になれば、結婚できる。』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が、今注目を集めています。著者は「ハピ婚相談所」を主宰する、大安ケイコさん。自身が親との葛藤を抱えていた経験から、「家族と確執がある」、「親と不仲」といった女性たちを短期間で結婚させる手腕に定評があり、1年以内に2人に1人、結婚へと導く驚異の成婚率を誇る、まさに結婚相談のスペシャリストです。

一体どうすればお母さんの影響から抜け出し、自分らしい結婚ができるようになるのか。大安さんにおうかがいしました。

母は私の本当の幸せよりも、世間体を気にして離婚を止めた

――著書の中で紹介されている、「結婚できない」の黒幕はお母さん? という強いタイトルにドキッとさせられました。なぜそう思われたのでしょうか?

大安ケイコさん(以下、大安):私は子どもの頃から両親にひどく束縛され、いつも家の中で居心地の悪さを感じていました。父の言う通りに動かないと怒鳴られ、顔が腫れるほど殴られ続けました。母からはいつも否定の嵐で、何をされても反対ばかり。「お前はわがままで身勝手でひねくれているから、誰も結婚してくれないよ」といつも笑われていたんです。

そんな家が嫌で、早く家から出て自分の家族を作るということだけが子どもの頃からの夢でした。20代の頃にはあらゆる出会いの場に出かけ、付き合って数か月経つと「結婚してくれるよね?」と追求。そのプレッシャーにみなさん逃げていきました。そんなことを繰り返し、10年以上に渡る婚活を経て、31歳の時にようやく結婚しました。

ですが、せっかく結婚した旦那は父親にそっくりで、DVが激しかったんです。母に泣いて電話をしたら、「結婚というのは女が我慢するもの。だから我慢しなさい。それが結婚というものよ」と言うんですよ。「そういうものなのかな?」と思ったんですが、DVの本をたくさん読んだところ、どうもこれに当てはまるなと思って、旦那から逃げて離婚しようと決めたんです。でも、その時に母が「離婚なんてみっともないからよしなさい」と言ったんです。私の本当の幸せよりも、世間体を気にして。

それで、お母さんは本当に私の幸せを願ってくれているんだろうかと、改めて見つめ直したんですよね。それまで、お母さんは絶対的に自分の味方だと思っていたので、いくら辛く当たられたとしても、まさか自分の幸せを願っていないとは考えたことがありませんでした。その後、母の価値観と距離を置いた結果、今の夫との再婚が決まり、結婚生活は13年目に入ります。今も夫とはよく話し合える仲です。

自分の結婚が幸せでないと、娘の結婚をぶち壊すという母親は多い

――娘の幸せを願わないお母さんは意外と多いのでしょうか?

大安:うちの相談所にいらっしゃる方で、4割ぐらいでしょうか。最初のカウンセリングで、ご家族のことを聞くんですが、みなさん大体泣きます。29歳で結婚が決まった女性がいるんですけれども、彼女は2回婚約破棄してるんです。その原因がどちらもお母さんで、1回目は「何だか暗そうな相手ね」とあきらかに嫌そうな顔で相手に言い放ち、2回目は「挨拶の仕方がだらしない。それに、運転が下手。うちの家系に合わないわ」と、とにかくお母さんの色眼鏡に合わず、お父さんもそのお母さんの言いなりで、結婚を潰されてしまったんです。

お母さんが「結婚できない」黒幕かどうかを見極めるには、自分の彼氏や婚約者を紹介したときに、喜んでくれるかどうかです。うちの場合は「彼氏ができた」と喜んで報告したら、「そう良かったね」とは言っていたものの、何年かしてダメになったと伝えると、「またいいことあるわよ~」と言いながら、嬉しそうでした。

あとはお母さんの結婚が幸せだったかどうかの確認も大事です。誰でも自分の家庭を基準に考えてしまうと思うんですが、客観的に見て、自分のお母さんがお父さんと結婚して幸せだったかどうかというのを確認するんです。子どもの頃からお父さんと喧嘩ばかりしていたな、お母さんがお父さんの悪口をしょっちゅう言っていたな、という人はちょっと注意です。自分の結婚が幸せでないと、娘の結婚をぶち壊すというお母さんは多いです。

――どうしたらお母さんの呪縛から逃れ、幸せな結婚へと向かえるのでしょうか?

大安:まずは自己肯定感を持つことです。やっぱり子どもの頃から家族に否定されて育つと、どれだけ綺麗であっても可愛いくても、自分に自信がないという子が非常に多いんですよ。否定されるまでいかなくても、家庭でのお母さんの価値観が絶対的となると、無意識に合わせなければいけないという子が非常に多い。ですから、相談にいらっしゃる方には、「私は女性の味方よ、みんな愛される素質があるんだから、そこをちゃんと磨いていこうね」と励まします。それから、私は離婚した時に、親との関係を見つめ直し、自分が育ってきた家族の価値観に絶対的に従わなくてもいい、母の言ったことは無視すればいいと、とことん自分に言い聞かせました。

ジャニーズが好きな人は結婚できない

――結婚相談所にやってくる方を見て、結婚できる人とできない人の違いはどこだと感じていますか?

大安:すぐにできる人は過去の反省をしっかりと生かしている人です。年に1人ぐらい、お見合い1人目で結婚する人がいるんです。32歳の時に6歳年下の男性と付き合っていた女性は、ある日、彼から「おばさんと結婚する気はない」とメールが届いて、振られたんです。それで彼女は「私を大切にしてくれる人を絶対に見つけたい」と言って、初めて結婚相談所に入会されました。それで、どんな人が現れてもちゃんと対応する。相手に対しておじさん扱いとか絶対そういうことはしない。人に対して失礼なことは言わないと決めてお見合いをしたら、1人目で決まったんです。

逆になかなかうまくいかない人は、まず最初にジャニーズが好きな人! わかりやすいですよね。35歳の時に入会されて、39歳で結婚を決めた女性がいたんですが、私が今年は40歳手前だから決めようと言っても、「NEWSの手越がいい」とまだ言っていたんです。それで、手越君は4年間いなかったじゃないと説得して、「わかりましたケイコさん、活動してみます」と始めたら、金太郎みたいな笑顔のやさしい素敵な彼と決まりました(笑)。

みなさん、自分に合う人は理想とは違うとおっしゃるんです。旦那さんにするなら、根が優しく、あまり怒らず、人間に対して温かみのあって、生理的に嫌じゃない人がいいですよ。そういう男性は見た目はかっこよくないかもしれません。でも、ちょっと改造してあげればステキになっていく方が多いですよ。

あとは、物事の良し悪しを相手のせいにする人は、なかなか決まらないですね。お見合い相手が今日もひどかった、変な奴だった、気持ち悪かったなどの報告が来る子は、ずーっと文句メールしか届かないです。

結婚はあくまで日常生活で結構面倒臭い

――最後に婚活中の女性に向けて、幸せをつかむためのアドバイスをお願いします。

大安:結婚は心に余裕がないと、やってきません。婚活中の女性には難しいとは思いますが、焦っている時は絶対に“カス”をつかみます。上っ面だけ優しいニセ王子につかまらないよう、本当に気をつけて下さい。 焦って結婚するよりも、今の自分を受け入れてくれる人を見つけよう、というスタンスで生きていく。

みなさん、結婚したら幸せになれるとか、結婚したら楽になれるとか、たぶんそう思って、結婚に向かっていると思うんです。でも、結婚はあくまで日常生活であり、対他人。掃除、洗濯、ごはんも作らなくちゃいけなくて、やることも増えるし、結構面倒臭いんです。まずは自分の幸せにしっかりと責任を持ち、自分には彼氏がいない、旦那さんがいない、足りない自分と思うのではなくて、旦那さんがいない状態でも、毎日、幸せな人生を楽しく過ごして下さいね。

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