「高校生の中絶は世間が認めない」 政治家の発言に6割以上が反論したワケ

「高校生の中絶は世間が認めない」 政治家の発言に6割以上が反論したワケ

「高校生の中絶は認めない」に6割が反論

先日、自民党の今津寛衆院議員(68)が「セーラー服を着た高校生の中絶は世間が認めないだろう」と持論を展開し、物議をかもしました。当発言は、選挙権の18歳引き下げに伴う、成人年齢の議論で出たものです。

論点となったのは、母体保護法という法律です。女性の生命や健康を保護することを目的に制定されたもので、不妊手術や人工妊娠中絶に関するルールが定められています。母体保護法では、未成年者の不妊手術を禁止していますが、人工妊娠中絶に関しては特に年齢制限を設けていません。

しかし、「世間」って一体何なのでしょう。世間に認めてもらわないと、女性は自分の体や人生について選択する権利さえ与えられないというのでしょうか。ここからは、筆者が語るよりも、ウートピ読者たちのご意見を紹介した方が良さそうです。

【アンケート】高校生の中絶は世間的に認められるべき?

※サンプル数:268人(6月24日現在)
※ウートピ世論調査結果より(投票結果はコチラ

「高校生の中絶は認めない」に6割が反論

<アンケート結果>
「そう思う」・・・・・63%
「思わない」・・・・・37%

「そう思う」と回答した人の意見は?

※回答はわかりやすいよう一部表記を変更しています/すべてのコメントはウートピ世論をチェック

・誰かに認められる必要がそもそもない
・現実的に望まない妊娠をした・させられた場合に、世間が認めるとか認めないとか言ったところで無意味でしかない
・高校生だろうが中学生だろうが、子どもを生むか生まないかを決めるのは本人の問題。第三者がどうこう言うべきことじゃない
・なぜわざわざ「世間」に認めてもらわなければならないんでしょうか。望まない妊娠をした子がどれほど苦しむか考えられないのでしょうか
・中絶に反対している方は、強姦されて望まない妊娠をしてしまうケースなどは頭に浮かびもしない、よほどお花畑な脳みその持ち主なのでしょう。世間に認められるべきでないのは、中絶をする未成年の女の子ではなく、その女の子が中絶せざるを得なくなるようにした男の方でしょうが

母体保護法では、人工妊娠中絶には配偶者の同意が必要とされています。ただし、未婚の場合はその限りでないにもかかわらず、パートナーの同意・署名を必要とするのが通例でした。このことは、男性側にも子供への権利・責任があることを示す一方で、母体の所有者である女性の権利への配慮が足りないとも言えます。

しかし、富山県医師会の働きかけにより、厚生労働省は平成26年1月21日付で「本人(女性)の同意のみで足る」と正式見解を通知するに至りました。女性が自分の体の決定権を得たのが、ほんの一年前の出来事だという事実を知らない方も多いのではないでしょうか?

「思わない」と回答した人の意見は?

・もしも子供が出来たときに、簡単に中絶を認める世の中では、命が軽くなってしまう
・世間的に認めてもらう方がおかしい。親が守ってあげるべき
・中絶よりも性教育を男女共に徹底するべきでは?犯罪に巻き込まれたとかならともかく、学校でも親からでも、妊娠中絶がどれだけ残虐なものか教える大人が圧倒的に少ない

中絶手術は心身に大きな負担を与えます。望まない妊娠を避けるために必要な議論は、高校生の中絶手術を認める認めないという単純なものではなく、無計画な性交渉、命の倫理問題、性教育のあり方ではないでしょうか。

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